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書籍レビュー『あなたの話はなぜ「通じない」のか』山田ズーニー(2003)伝える力が鍵となる

【約1400字/3.5分で読めます】

【こんな人にオススメ】
・自分のことが周りに理解してもらえない
・周りの人たちの言うことがわからない
・人と話すのが苦手

【こんな時にオススメ】
・自分の意見を伝えたい
・転職などで環境が変わった時
・誰かとケンカをした時

自分の意見がうまく伝わらない

思っていることをいくら言葉で表現しても、相手に伝わらないことがありますよね。

私もそうです。私の場合は、大体、周りの人たちと違うことを考えていることが多いので、伝わりづらいことも多いんですよね。

聴いてもらえるのなら、まだいい方で、それを完全に理解してもらうのは、相当ハードルが高いことに感じます。

なぜ意見を聴いてもらえないのか

Aさんはいつも真面目でみんなからの信頼が厚く頼りがいがあります。Bさんは自己中心的な発言が多く、思い込みでものを言うことが多いとしましょう。

この場合に、この二人がまったく同じことを言っても、周りの受け止め方は違います。

Aさんは信頼度が高いので、好意的に意見を聴いてもらいやすいでしょう。一方のBさんは信頼度が低いので、いくら理論的に正しいことを言ったとしても、反感を持たれることが多いかもしれません。

本書では、これを「メディアりょくと言っています。

つまり、話が通じるか通じないかは、自身の「メディア力」によるところが大きいのですね。

自分のメディア力を上げるには

日頃の自分の言動が大事になるのは言うまでもないことでしょう。

人から「信頼される人間」になることです。

誠実で謙虚な人には誰もが信頼を寄せることは言うまでもないことですから、普段からそういう態度で人に接することが重要になります。

誠実だと信頼されるのはわかりますが、「謙虚さ」がなぜ信頼につながるのでしょう。それは「謙虚さ」=「視野の広さ」だからです。誰しも見識の広い人には一目置くものですよね。

また、本書では「意見」を伝える時に、その「理由」をセットで述べることの重要性も書かれていました。

「意見」と「理由」をセットで伝えることで、説得力が増すからです。

感覚でものを言うのではなく、論理的に相手に伝わるように話すのです。その説得力の積み重ねが「信頼」に繋がります。

そして、もっとも重要なこととして「相手のことを理解する」ことも書かれていました。

人間の心情として、自分のことを理解してくれる人には、反発しようと思わないからです。

本書に書かれていることは、どれも当たり前と言えば、当たり前のことなのですが、意外と見落としがちなことが書かれています。

こういったことを頭の片隅に置いておくだけで、日頃のコミュニケーションが円滑になるはずです。


【作品情報】
初出:2003年(文庫版:2006)
著者:山田ズーニー
出版社:筑摩書房

【著者について】
岡山県出身。文章表現・コミュニケーションインストラクター。
1984年、ベネッセコーポレーションに入社。進研ゼミ小論文編集長を務め、通信教育の企画・編集・プロデュースを手掛ける。
2000年、独立してフリーランスとなり、ウェブサイト『ほぼ日刊イトイ新聞』にて『おとなの小論文教室。』を連載。

【同じ著者の作品】

『「働きたくない」というあなたへ』
(2010)
『おかんの昼ごはん』
(2012)
『働くためのコミュニケーション力』
(2013)

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いっき82
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