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映画レビュー『コーヒーが冷めないうちに』(2018)過去と向き合い未来を変える力を得る
【約1100字/3分で読めます】
【こんな人にオススメ】
・喫茶店が好き
・やり直したい過去がある
・恋人や家族とうまくいっていない
【こんな時にオススメ】
・ほっこりしたい
・泣きたい
・癒されたい
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その喫茶店には「過去に戻れる」
という都市伝説があった
そこは代々続く老舗の小さな喫茶店です。
ある席で「戻りたい時代」を強く想いながら、コーヒーを飲むと、ほんのひと時だけ、戻ることができます。
ただし、ルールがあります。
①過去に戻って何をしても、現実が変わることはない。
②過去に戻っても店から出ることはできない。
③過去に戻れるのは、コーヒーが冷めるまでの間だけ。
この他にも、過去に戻って再会できるのは、喫茶店に来たことのある人だけ、といったルールもあります。
人間生きていれば、
やり直したいことはいろいろある
そんな願いを叶えてくれるのが、この喫茶店です。
何人ものお客さんが過去に戻っていきます。
ある人は、好きな人がアメリカへ行ってしまうのに、自分の気持ちが伝えられなかった日へ。ある人は、奥さんがまだ元気だった頃に戻り、相手の気持ち(手紙)を受け取るために。
それらはいずれも「コーヒーが冷めるまで」の短い時間のことではありますが、本人たちにとってはかけがえのない時間でした。
主人公は、この喫茶店の店員で、
お客さんを送り出す側
未だに実現していないものの、店員の彼女にも戻りたい過去がありました。
そして、このお店にはルールを破ってしまい、永遠に一人で席について本を読み続ける女性の姿があります。
彼女は「コーヒーが冷めないうちに」こちらの世界に戻ることができず、亡霊となってしまったのです。
この女性とお店の関係がわかった時に、本作の物語にもう一つ驚きが加わります。
過去に戻っても、現在を変えることはできないので、無意味に感じられるかもしれませんが、本作の中では「未来は変えられる」という言葉が語られます。
過去に頼るのは、弱いことではなく、むしろ、現実を直視する勇気ある行為なのです。
現実にはありえないような、ファンタジーの世界の話ではありますが、この教訓にはフィクションでしかありえない力強さを感じさせます。
私たちは誰もが過去を持っており、そこから逃れることはできません。
ならば、そこ(過去)と折り合いをつけて、前向きに歩んでいくことでしか、未来を変えることができないのではないでしょうか。
そんなことを優しく教えてくれる作品でした。
【作品情報】
2018年公開
監督:塚原あゆ子
脚本:奥寺佐渡子
原作:川口俊和
『コーヒーが冷めないうちに』
『この嘘がばれないうちに』
出演:有村架純、伊藤健太郎、波留
配給:東宝
上映時間:116分
【原作】
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