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読書感想文にオススメの本(2)ー小学4年生~6年生編ー

※4000字以上の記事です。
 お時間のある時に
 お付き合いいただけると嬉しいです。

一応、「読書感想文」という名目なので、学校に提出しても恥ずかしくない本を選んだつもりです。
なので、このリストに挙げた本はいずれもおもしろい作品ではあるものの、「エンタメ性が高過ぎないもの」を中心にピックアップしています。

※それぞれの「読書レベル」も付けていますが、あくまでも私の主観による「客観」です。★が多いほど、難しい表現が多かったり、ページ数が多かったり、読破が難しいと思われる本です。

※それぞれの本に「感想文のヒント」を付けています。感想文を書く際に参考にしてみてください。


①『元素生活』寄藤文平

発行年:2009年/出版社:化学同人/208ページ
読書レベル★

「元素(げんそ)」って、聞いたことがあるかな?
「元素」というのは、あらゆる「もの」を形づくっている、最小限の要素のことだよ。学校で教わるのは、もう少しあとのことだけど、別に学校で教わっていなからといって、知ってはいけないわけではないんだよね。
むしろ、先回りして、知っておくと学校の勉強もわかりやすくなることもあるかもしれないよ。
この本は、100以上ある「元素」をキャラクターとして描き、わかりやすく教えてくれます。

感想文のヒント
ボクたちの身の回りにあるいろんな「もの」はどんな元素で、できているんだろう。
そういうことがわかると「科学」が身近に感じられるよ。

②『檻の中のライオン』楾大樹

発行年:2016年/出版社:かもがわ出版/120ページ
読書レベル★★

「憲法(けんぽう)」は、国や地域ごとにある、さまざまな法律の「おおもと」になるルールなんだ。小学校では、6年生の「社会科」で習うよ。
この本は、日本の憲法(全部で103条)のことをイラスト付きで、わかりやすく教えてくれるんだ。
たぶん、「憲法」と言われても、自分には「関係がない」と思うかもしれないね。何を隠そうボクもそうだったんだ。
でも、大人になると、「憲法」があるから、自分たちのいろんな権利が守られていることがわかってくる。もっと早く勉強しておけば良かった、と思うことすらあるんだよね。だから、キミも今のうちから憲法のことを知っておいて損はないよ。

感想文のヒント
「日本国憲法」では、ボクたち日本国民のいろんな権利が保障されているね。でも、どうして、こういうルールが作られたんだろう?
そういう歴史を知るのは、おもしろいし、そのために頑張ってくれた「過去」の人たちに感謝する気持ちも出てくるよ。

③『白川静さんに学ぶ 漢字は楽しい』小山鉄郎

発行年:2009年/出版社:新潮社/183ページ
読書レベル★★

ちょっとだけ自慢するけど、ボクは子どもの頃から「漢字」が大好きで、小学校に入る前から、たくさんの漢字の読み書きができたんだよね。
本が好きだったから、自然と文字を覚えたんだね。でも、そのおかげで書き順はめちゃくちゃだけどね(笑)
そんなボクが、大人になってから出会ったのがこの本で、いろんな漢字の成り立ちについて教わったんだ。
漢字のおもしろいところは、文字自体が「そのもの」を表している所だと思う。例えば、「山」「川」「田」といった漢字は、それぞれの形がそのまま文字になっているよね。
じゃあ、「右」「左」が何をもとにして文字になったかわかるかな?
この本には、そういう話が書かれているんだよ。おもしろそうでしょ?

感想文のヒント
「漢字」は中国から伝わった文字だけど、古い漢字には「神様」や「戦争」に関する文字が多いんだ。これはどういうことかな?
この本の中に理由が書いてあるから、探してみてね。

④『普及版 数の悪魔―算数・数学が楽しくなる12夜』H.M.エンツェンスベルガー、R.S.ベルナー

発行年:2000年/出版社:晶文社/264ページ
読書レベル★★★

ボクは「算数」が昔から苦手だったんだ。正直に言うと、今でも何かを計算したり、数えたりするのが苦手。でも、そういう部分を克服したくて、苦手な「算数」の本を読むこともあるんだよね。
その中で、「これは小学生に読んでほしい!」と思う本を見つけることもあるんだ。この本はまさにそういう本で、「算数が苦手!」というキミにこそ、読んでほしい。
この本は絵本風の物語になっていて、主人公の男の夢の中に、数字が大好きな「数の悪魔」が出てくるんだよね。
見た目は怖い悪魔だけど、いろんな算数の考え方について、優しく教えてくれるよ(時には意地悪に)。

感想文のヒント
どうして、人間は「数字」を使うようになったのかな?
数の悪魔の話を注意して聴いてみよう。

⑤『2階から卵を割らずに落とす方法 科学の歴史を実験で振り返る本』ショーン・コノリー

発行年:2014年/出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン/293ページ
読書レベル★★★

この本は「科学」の歴史について書いた本だよ。ただ本を読んで理解するだけでなく、人類の科学の歴史を「実験」を通して、勉強することができるんだ。
人類が何万年もかけてきずいた「科学の歴史」をいっぺんに味わうことができるなんて、なんだかワクワクしない? 実験は火を使ったりする危険なものもあるから、必ず大人の人に見てもらいながらやってね。

感想文のヒント
人類はなぜ科学を発展させたんだろうね。そういう人たちの「思い」は、この本には書かれていないけど、実験を通して、科学者の気持ちを想像してみて。

⑥『くちぶえ番長』重松清

発行年:2007年/出版社:新潮社/236ページ
読書レベル★★

これまでに紹介した本は、「物語」というよりは「お勉強」に近い本が多かったけど、ここからはキミたちが読んでも楽しめそうな「小説」を紹介するね。
この物語の主人公は、小学校4年生のツヨシ。ツヨシのクラスに転校生の女の子・マコトがやってくるんだ。タイトルの「くちぶえ番長」は、この女の子のことだよ。
ツヨシは、優しい心を持った男の子だけど、勇気がなくて、下級生の子が上級生の子たちにイジめられていても、見て見ぬフリをしてしまうんだ。この気持ち、わからなくはないよね。ボクもどちらかというと、そういう男の子だったな。
マコトは、女の子だけど、自分のことを「番長」と言うくらい、負けん気の強い子なんだ。
ツヨシとマコトは、性格が違うから、最初はなかなか仲良くなれないんだけど、いろんなことを通じて、仲良くなっていくよ。

感想文のヒント
キミがツヨシだったら、キミがマコトだったら、どうするかな?
クラスメイトにツヨシやマコトがいたら、仲良くなれるかな?
本に書かれている物語だけでなく、登場人物になったつもりで、いろんなことを想像してみよう。

⑦『短くておそろしいフィルの時代』ジョージ・ソーンダーズ

発行年:2021年/出版社:河出書房新社/160ページ
読書レベル★★★

「ホーナー国(こく)」という架空の国を舞台にした物語だよ。
ホーナー国には、小さな「内(うち)ホーナー国」と、その外を囲うようにある「外(そと)ホーナー国」があるんだ。
この国を支配するのが、独裁者・フィルで、彼は国民が6人しかいない「内ホーナー国」をむちゃくちゃなルールでがんじがらめにする。
コメディー要素も強くて、笑っちゃうような話も多いんだけど、人類の歴史では、これと同じような「差別」が多くあったんだよね。
そして、今もあらゆる「差別」はなくなっていない。
登場人物は、おもちゃのようなキャラクターだし、マンガのようでもあるけど、いろいろ考えさせられる物語だよ。

感想文のヒント
フィルはどうして、内ホーナー国の人たちを嫌っているんだろう?
悪者を「悪い奴」と決めつけるのは簡単だけど、悪いことをする人にも、その人なりの理由があるんじゃないかな。

⑧『夏子の冒険』三島由紀夫

発行年:1951年/出版社:角川書店/277ページ
読書レベル★★★

著者の三島由紀夫さんは、日本を代表する歴史的な作家さんなんだ。
そういう作家さんが、「子どもにでも読めるように」と書いた本なので、これを読書感想文の題材にすれば、学校の先生にもウケがいいかも(笑)
夏子というお嬢様が、母、伯母、祖母と一緒に「北海道」を旅する物語で、道中に熊が出てきたり、全体的にマンガのようなおもしろさがあるんだ。
女の子が主人公というのもあって、恋愛要素もあり、女の子にもオススメ。

感想文のヒント
こういうコミカルな作品は、単純に「どこがおもしろかったか」を書くだけでも、いい読書感想文が書ける気がするよ。
舞台になっている北海道の描写にも注目してみてね。

⑨『三匹のおっさん』有川浩

発行年:2009年/出版社:文藝春秋/448ページ
読書レベル★★★

幼なじみの三人のおっさんが主人公の物語。
三人それぞれの特性があって、力を合わせて、何かを解決する話が多いかな。
「連作短編(れんさくたんぺん)」という、同じキャラクターで、複数の短い話を書いたスタイルなので、きっと読みやすいと思うよ。
小学生のキミには、おじさんの気持ちは、なかなかわからないかもしれないけれど、こういう物語を通じて、想像することはできるよね。

感想文のヒント
連作短編なので、どれか気に入ったエピソードを取り上げて書くと、書きやすいかもしれないね。現実社会の出来事がモチーフになっているお話もあるので、ニュースと結びつけると、いい感想文が書けそうな気がするよ。
こんなおじいちゃんがいたら、と想像するのも楽しいね。

⑩『風の中のマリア』百田尚樹

発行年:2009年/出版社:講談社/320ページ
読書レベル★★★

オオスズメバチの一生を物語にした本。
スズメバチなんていうと、人間からすれば、ただの「怖い虫」という印象で、刺されると命にもかかわるから、たしかに怖いんだけど。
でも、人間以外の生き物のことを知るのも、すごく大事なことだね。
だって、地球には人間以外の生き物もいて、はじめて成り立っているわけだし。
この本がすごいのは、きちんと「オオスズメバチ」のことを調べて書いた物語で、単なる作り話ではないところ。それでいて、文章もそれほど難しくないので、キミにも読めるんじゃないかな。

感想文のヒント
生き物の一生に思いをはせてみよう。
自分がオオスズメバチになった気分で読むと、なんともせつない気持ちになるよ。


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いっき82
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