映画レビュー『ビートルジュース』(1988)特撮だけでマンガのような世界を描く
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ティム・バートン監督の出世作
ずっと前から知っていて、いつか観たいと思っていたのですが、ようやく観ることができました。
長らく配信になかったので、なかなか気軽に観ることができなかったんですよね。
今年になってから続編が公開され、その前後から配信がはじまったようです。
アメリカの片田舎に住む若い夫婦
二人は古い一軒家で仲良く暮らしていたのですが、交通事故で亡くなってしまうのです。
そこから二人は不思議な世界をさまよいます。
家は売り払われ、新しい住人たちがやってきました。
しかし、死んでしまったことに納得がいかない二人は、この住人たちを追い出そうと画策するのでした。
のっけから画面の見せ方がすごい!
オープニングは町の景観を上空から写した映像からはじまります。
そこで多くの観客はこれが模型であることに気が付くでしょう。
「なるほど、空撮は金がかかるから模型でごまかしたな」と思うところなんですが、これは作中でも模型であることがすぐに判明します。
夫の趣味が、模型作りなんですよね。
こういった、だまし討ちのようなテクニックが随所に炸裂していました。
二人が死んでからは、世界観の奇抜さが徐々に際立っていき、「ティム・バートンここにあり」というキャラクターが次から次へと出てくるのです。
とにかく、こんなマンガのような世界を、CG を使わずによく実写で作ったなぁ、と今の視点で観ても感心させられます。
特殊メイク、実写同士の合成、ストップモーション(人形を一コマずつ動かして撮影)、あらゆる手法を駆使して、不思議な世界を描いているんですよね。
そして、タイトルにもなっている「ビートルジュース」というキャラクターの奇抜さも素晴らしかったです。
演じたのはマイケル・キートンで、私は『バットマン』や『バードマン』のイメージしかなかったので、「こんなエキセントリックな演技もできるのか!?」とビックリさせられました(ちなみに、マイケル・キートンは、もともとスタンダップ・コメディアンだった)。
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