でこぼこ夫婦劇場 〜ADHDの私とASDグレーの夫〜
※大人の発達障害ADHD診断を受けている私は三姉妹の母ですが、長女は独立していて、現在、連れ子である23歳の次女、21歳の三女と、8年前に再婚した12歳下の夫(ASD限りなくグレー)と4人で暮らしています。夫婦とも自営業。
数日前の朝、早く家を出る娘たちのためにキッチンに立った私は、玄米を精米機にかけて、ご飯を炊く用意をしていた。うちは炊飯器ではなく小鍋でご飯を炊く。小鍋を用意しておいたところに、夫が起きてきた。
夫「おはよう。チャイ入れるけど飲む?」
と、私が用意していた小鍋を手に取る。
私「え? それ(鍋)私が使おうと思ってたのに」
夫「え?」
見ると、計量カップを手に取って牛乳を入れている。
私「え? 計量カップも使おうと思ってたのに。なんでもう牛乳入れちゃうの?」
夫「使うんなら使うって言えばいいやん」
私「精米機かけてる時点で、私がお米炊くことわかるよね? そもそも(テレワークの私たちと違って)早く外出する娘たちの食事より、自分が何を飲みたいか優先するよね?」
夫「『私が使うから』って言えばいいやん」
私「『使っていい?』って聞けばいいやん」
夫「なんでなんでも確認しないとあかんの」
私「いっしょに暮らすってそういうことでしょ? だいたいいつも一人で勝手になんでもやるけどさ、まず声をかけるもんでしょ。部活でボールを渡す時、パスする前に声かけるやん。運動部入ってたことあるんでしょ?」
夫「そんなにいちいちコミュニケーションしないとあかんのやったら、もう、チャイ入れへん」
私「はぁ〜〜〜??? 問題はそこなん?」プンスコo(*`ω´*)o
夫の「チャイ入れるけど、飲む?」への感謝はすでに消えつつあるが、実は、それを忘れているわけではない私は少々、罪悪感もないわけではない。
だいたい、うちの夫婦の喧嘩はいつも「夫が声をかけずに一人で決めて行動する」ことや「言わなくてもいい余計な一言を言う」ことから始まる。
こういったすれ違い会話がいっつもあるのだが、彼はいつも「自分が行動したことに対して声をかけてくれたらいい」という自己中心的な感覚。
私はいつも娘たちと自分の視点を彼に伝えなければならない。
今回の「チャイ入れるけど、飲む?」は、実は、進化バージョンで、昔は、私がみんなの朝食作っている時に、一人で自分の珈琲だけ入れていたりしたので、忙しい時間帯に、たった2口のガスコンロを1口しか使えなくなるため、驚きと怒りが(笑)。
まぁ、男女で感覚の相違があることは多いと思うのですが、ここで終わると家族としては成り立たない。……ですよね。進化がなければ、私はカサンドラ症候群になってしまいます。
夫は私の怒りの理由を考える。私は素直に甘える
いまでは、夫は私がどうしてイライラしているのか(だいたい身体がしんどい)を、少し落ち着いてから考えてくれます。
夫「(生理中だからと気づき)しんどいんやろ? そもそも、お米を洗って炊くこと自体を、俺に頼めばいいやん。しんどい時には俺がやるから。それと、はい、チャージ不足なんやろ」とハグしてくれる。
私「まだ足りない。しんどいから、ちゃんとぎゅーして。ごめんなさい。言いすぎた。次からお願いする」
↑↑ 末っ子は甘え上手なのだ。平気で素直に甘える。
というわけで、でめたしでめたし。
あほらしい、惚気のようなやり取りをわざわざ書くのもどーかなーと、あまり夫婦のトラブル解決法については書いてきませんでしたが、うちの夫婦の場合はこんな感じです。
彼が「声をかけてから動く」ことを約束してくれたわけではないけれど、その「細かい枝葉の解決を追求しない」のも一つの歩み寄り。曖昧にしたまま置いておくことも、「尊重」ではないでしょうか。
歩み寄りがなければ、でこぼこな補完関係の夫婦は「性格の不一致」になってしまう。
性格なんて、だれとも一致するわけがない。
女同士と違うのだから「共感」なんて無理。
それをスタート地点にしている私たちは、「相手に変わってもらうこと」を目的とするのではなく、「いっしょにいるために」を目的として考えて、歩み寄る方法を考えてきたのだろうと思います。
そして、私は自分も子ども時代にわりとASDさん的なコミュニケーションだったのを、母や姉に叱られて女性的コミュニケーションができるようになっただけなので、夫のことを「会話が成り立たない」のを前提として受け止めてもいます。
女性と男性では、会話の流れが違うという大前提を受け入れているし、自分も「共感」は求めていないので、特に、そこには不便さを感じていません。ゆえに、「スポーツと同じ」という例えを出して説明しています。
でも、夫は家族間での声かけがほとんどない家庭で育ってきたので、昔は、知らない間に行き先も告げずに家を出ていたりして、朝の挨拶もなかったぐらいだったので、きっと彼なりにたくさん変わってくれています。
会話が噛み合わなくても、夫なりに愛情があることは知っているので、夫のすべてを変えたいわけでもありません。夫の個性的な考えが好きだし、理系特有の探究心も尊敬しています。なにより自制心が強く、きちんと進捗できるところを尊敬しています。
彼は彼で、私のオープンマインドで誰とでも仲良くなれるところを尊敬してくれています。ないものを補い合うという意味で、最高のカップルだとお互いに思っているのです。
そういうベースがあっての「歩み寄り」なのだろうと思います。今回は、でこぼこ夫婦の喧嘩と仲直り方法について、書いてみました。