恵まれている人は「ない」ことの辛さを知らない。それは経済でも異性からの愛情でも同じ。寅子はよねに拒否されても歩み寄り続けた。だからこそ、よねも、もう少し変化があってもよかった。「恵まれている人だからこそできることがある」とわかれば、その人の役割に応援の気持ちが生まれるはず。
自分に無いものを持っている人へのイライラって意外に根深くて、中高年になっても続くとは思う。だけど、それなりに人とぶつかり合い、少し深く知り合うと、自分に「ある」けれど相手には「ない」ものにも気づけるものだし、もっと柔和になっていくものだと思う。よねなら、絶対もっと変われたと思う。
「虎に翼」、よねのしゃべり方、髪型、服装が最後まで変わらなかったのが、一番残念だったかも。裕福な寅子に「お前にわかるわけがない」というよねの気持ち、よねほどじゃないけれど、貧乏を経験したので少しだけわかる。とはいえ、ゆとりある暮らしも幼少期に経験してるので寅子の立場も少しわかる。