見出し画像

可愛さの囁きに縛られて

最近、スキンケアに対する執着が自分でも怖くなるほど強くなってきている。どうしてこんなに過剰になってしまったのか、ふと冷静になって考えてみると、自分の中に渦巻く劣等感が理由なんだと気づかされる。世の中には、見た目至上主義とも言えるような価値観、つまりルッキズムが溢れていて、容姿がすべてを決定づけるように感じてしまう。誰かに愛されるためには、美しさが必要なんだと無意識のうちに思い込んでしまっているのかもしれない。そんな考え方が私を縛り付けている。

スキンケアを一度始めると、どこまでも突き詰めたくなる。肌に良いと聞けば、迷わず新しい美容品を試したくなってしまう。洗顔から保湿、パックに至るまで、数え切れないステップを繰り返す。だけど、心の中では分かっているんだ。過剰なスキンケアは必ずしも肌にとって良いわけではないし、むしろ逆効果になることもある。だけど、そうした理屈よりも「美しくなりたい」という気持ちが、私を動かし続けている。

気づけば、Amazonのほしい物リストは美容品と本でいっぱいだ。次から次へと美容アイテムが欲しくなる。新しいアイシャドウパレットや、評判の良い美容液、話題のクリームなど、並べているとそれだけで心が少しだけ落ち着く気がする。だけど、現実を直視すると、それがただの現実逃避でしかないことにも薄々気づいている。

「可愛くなれれば、周りから認められるかもしれない」なんて淡い期待を抱きつつも、本当はその願望がどれだけ虚しいものか、自分でも分かっている。それでも、心の奥底に巣食う声は、いつも同じことを囁き続ける。「可愛くなければ、私に価値なんてない」

この気持ちが完全に消える日は来るのだろうか。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?