初心者の読書感想文チャレンジ14 ことり
こんにちは。
生きる狂犬です。
「初心者の読書感想文チャレンジ」として14冊目に選んだのは、小川洋子のことりです。
2012年に発表された作品です。
本屋でたまたま平積みしてあったため、手に取りました。
今回も素晴らしい読書体験になりました❗️
なお、ネタバレしております‼️
■あらすじ
小鳥のさえずりを理解し、自分だけの言語を話すお兄さんと、お兄さんをサポートし、一緒に暮らす弟の物語。
いつしか弟は、幼稚園の鳥小屋の掃除を始め、小鳥の小父さんと、呼ばれるようになる。
■ほのぼのしていない
読了後の感想は、「うーん、微妙」だった。
なんというか、微妙なのだ。
この作品は、鳥好きの兄弟のほのぼのとした心温まる作品では無い。
裏切られた感じである。
珍しいタイプの人間の、生き様を淡々と描いた作品である。
だから、物語としての面白味には欠けるが、味がある。
■作品のテーマ
これが、この作品のテーマだと思う。
自分の心の中にある声を汲み取って、それを表に出し、行動する。
そのことの、難易度の高さ!
と、同時に、それがいかに大事な事かということを描いている。
■お兄さんが凄い
お兄さんが面白い。
自分で創り出した独自の言葉を話す。
「そんな奴、いるかよ」と、ツッコミたくなるが、広い世の中には、もしかしたら存在するかもしれない。
上記の通り、お兄さん自体が鳥のようなのだ。
人間とは違う。
鳥のようだ。
自分の内なる声に従って、ただ生きる、のみ。
ひたすら、飛び続けている。
■最終盤が衝撃
お兄さんが亡くなってから、弟である小鳥の小父さんには、数々の試練が待っている。
物語の最終盤、小鳥の小父さんは、メジロ達を逃す行動を取る。
そして、自分も逃げる。
これには、驚かされた!
「小父さん、それはやっちゃダメだよ」と焦った。
この行動が、作品のテーマに直結しているのだろう。
小父さんは、自分の生き方を貫いたのだ。
それが、良いか、悪いかの問題では無く、小父さんはそういう風にしか生きられないのだ。
小父さんは、決して聖人では無い。悪い事もする。
でもそれは、自分の心の中の声に従ったものである。
小父さんは、お兄さんと違って、とても迷う。苦しむ。
だが、最終的に自分の小屋(家)を守り、自分の生活を堅持して、生き切った!
■シンパシーを感じる
変わり者、アウトサイダーの話なのだと思う。
私自身もアウトサイダーなので、この兄弟に少なからずシンパシーを感じる。
人間として生きていくのには、困難を抱え込む人生。
なおかつ、自分では、それをなかなか意識出来ない。
意識出来ない程に、想いが強い人達。
まさに、生粋のアウトサイダーだ。
アウトサイダーは生きづらい。
生きづらいけれども、生きるしかない。
これは、鳥でも人間でも一緒かもしれない。
この作品は、淡々としている。
しかし、気持ち悪さや、孤独感、喜びが共存している。
生きていくというのは、こういうゴチャ混ぜ感が満載なものだ。
作品は、それをそのまま描き切っている。
それが、心に引っ掛かるのだ。
■おわりに
人間には生まれ持った何か使命があるのではないかと、考えさせられました❗️
私は、自分の心の声をを十分に汲み取っているだろうか⁉️
足りない気がします💦
5段階評価で
●読みやすさ ★★★★
●熱中度 ★★★
●鳥が好き度 ★★★★★
以上です❗️
読書は熱いですね。
予想外の展開が、楽し過ぎる🔥
ここまで読んでいただき、ありがとうございました‼️