シロアリ事件簿!自分の家の大事なとこがボロボロに喰われてたらどうする?
リノベーション中に、物件の大事な梁(はり)が、シロアリに食われてスカスカになっていることがわかったときの話を書こうと思います。
私たちは、リノベのプロでもなんでもなく、折り紙が得意だった延長で、ペンキ塗ったり漆喰塗ったり、壁作ったり、壊しちゃったりしていて。好心と無鉄砲さで、リノベのハードルを無自覚なまま超えていました。
※実際に、プランの実施の前には大工さんなどプロの意見を聞いていましたが。
私たちが何をしていたかというと、大分県竹田市の城下町に2軒目のシェアハウスをつくろうと物件を購入し、予想以上に大きかったのそこをDIYでリノベーションをしておりました。
5月ごろにはじめたリノベーション。リビングの壁を壊し、天井のあれこれに対応していたらもう、夏が終わり、秋に突入していました。当初のイメージでは半年くらいでできる?とか言っていたので、もう出来上がってもおかしくないタイミングです。いやいや。何にもできていませんでした。
まだ、ほぼリビングにしか手をつけていない。やっと「天井のあとは、床かな」と下に目を向けはじめた時のことです。シロアリに喰われた、梁と柱を発見してしまったのです。
『暮らす実験室 SIKA はじまりの物語』
私たちは、大分県竹田市という小さな都市の城下町で2つのシェアハウスを運営しています。<暮らし方の実験を>をテーマにしていて、その名も「暮らす実験室」。これは2022年11月にオープンしたばかりの2つ目のシェアハウス「暮らす実験室 SIKA」が、1年半のセルフリノベーションを経てできるまでのあれこれを物語として綴ったものです。<毎週金曜日更新>
まさしさんに、なにがあったか聞いてみた
正直言うと、この頃のことの詳細はよく覚えていません。よっぽど大変だったからか。まさしさんにインタビューしながら進めてみたいと思います。
シロアリ被害に気づいたその時
しほ:どんなふうに、シロアリ被害に気付いたの?
まさし:リビングの床の一部が、少し落ちてることには前から気付いてたんだよね。なんでか気になってて。で、リビングの出窓の下の床をさ、ひっぺがしたタイミングがあったよね。
しほ:出窓にあった板と棚を取るってときね。取り外したら、その下が薄いベニヤしかなくて穴が空いちゃったんだよね。
まさし:そう。穴が空いたから、床下がどうなってるんだろうって、覗き込んだんだよね。そしたら、そのすぐ下にある梁が、スカスカなことに気付いて。
しほ:スカスカ?
まさし:ちっちゃい穴がいっぱいあいてて、軽石みたいな感じ。軽く叩いてみたら、何にも入ってない音がした。発泡スチロール叩いた時みたいな、軽い音。トンカチでガンって叩いたら、折れちゃうような感じだった。
しほ:どう思った?
まさし:これ、やべーじゃんって。めっちゃ大事な梁なんじゃないの?って。
しほ:だよね。2階リビングの床下を支える梁だから、もし落ちたら、リビングも落下、その下の一階の部屋も崩壊だもんね。どうしたの?そのあと。
まさし:次、一階に行って、脚立立てて天井裏をのぞいた。その時点で、一階の天井はもう壊してたから、上がまる見えだったから。そしたら、上から発見した梁だけじゃなくて、結構広範囲にシロアリが喰ってるなと。横の梁と、別の柱も喰ってるあとがあった。
元々一階にキッチンとお風呂があったでしょ。その排水溝に沿って、シロアリがきていた。水がある、そして食べ物としての木があるっていう、一番いい場所だったんだろうね。そんで、木の中でも、一番太い、美味しそうな木が梁で、食べちゃったんだろうね。
愕然としたよね。テンション、落ちた。
いったん、放置した!
しほ:それで、どうしたんだっけ?
まさし:しばらく、放置(笑)
しほ:え、放置だっけ!???
アドバイスをもらうけど、自分にはできないことばかり
まさし:幸いなことに、その時点でもうシロアリはいなかった。シロアリ駆除のスプレーを吹きかけても一匹もでてこない。その家の水回りがしばらくつかわれてなかったから、必要な水分がなくなっていなくなったんだろうね。だから、すぐに対処しないとどんどんひどくなるという状況ではなかった。
まじで、どうすればいいかよくわかんなかった。いろんな人に話は聞いたし、アドバイスはもらったよ。例えば、そのタイミングで、アンナのパパがきたでしょ。
※アンナというボランティアでフィリピンからきてくれていた女の子のパパは、日本でも技術力で有名な工務店に勤めていて、家づくりの専門家なのでございます!
アンナパパも、ああして、こうしてって色々教えてくれたけど、難しすぎて自分にはできないな、と。
でも、ひとまず、下がっちゃってるところを支えておいた方がいいってことは言われて、それならできたから、仮でポールを入れてこれ以上落ちないように支えをした。応急処置だね。
しほ:次は?
まさし:他にも先輩の大工さんにきてもらって、アドバイスもらったり。
しほ:どうだったの?
まさし:それも、俺には技術的にできないな、と。
あと、不動産屋さんに言って、家の購入金額を一部返してもらうように、法的処置を取ることも勧められたな〜。この状態での購入って、最初に合意をとっていたとしても、家を支える梁がスカスカっていうことは、家が家として成り立たないってことになるから、法的措置を取ればなんとかなるっていうアドバイスももらったり。
しほ:そんなこともあったね。でも、せっかく売ってくれたのに、不動産屋さんも元の持ち主さんも巻き込んで大騒ぎするのもなんだしね。今後も、古民家改修とかしていきたいから、そこまで騒いで、敬遠されるのも、ね。
まさし:そうだね。単純に、それさえめんどくさかったっていうのはあるけど(笑)
シロアリの存在を胸に、大工さんを待つ日々
しほ:それで、どうしたんだっけ?
まさし:もう、ちゃんとした大工さんにお願いするしかないってことになったんだけど、知り合いの大工さんがみんな忙しくて。年があければこれるかもっていう感じで。・・・待った、よね。
しほ:頭の片隅に、ずっとシロアリがいる状態でね。
まさし:よくあるシロアリ駆除の業者とか、どんな会社かわからないところに依頼するのは嫌だったんだよね。全部やり直しとか言われて、数百万円請求されてもおかしくないから。必要な対応はしたいけど、リスクをゼロにするために、全部やるみたいなことは避けたかった。本当に必要なことを、プロに相談しながら、したいっていうね。
しほ:だから、結果的に、いったん放置っていうね(笑)その放置がつらかったよね。
まさし:確かに。
ダークサイドに落ちたかのようなまさし
しほ:私もつらかったもん。まさしさんが、ずっとずっとず〜〜〜っと暗くて。上の空というか、ダークサイドに入ってて。話しかけても、生返事というか、無視だし。
まさし:もう、テンション落ちてたよね。目の前のできることはあるけど、いつかあいつと対峙するんだなと思うと憂鬱で。先がない、わかんない感じ。
しほ:このままでは受からない試験が先にあるけど、別の課題をこなして、試験対策から逃げてるみたいな?
まさし:おもしろいね。確かにね。そんな感じかも。
自分たちができることは?シロアリがこない風通しのいい環境を作る
しほ:ぐーちゃんを待ってる間は、どんなことしてたんだっけ?
まさし:一階のことをやってたよね。床を全部はいで、床下に入れるようにして、まず整地した。
しほ:そうだった。なんでシロアリが来るのかっていうと、床下の換気が悪いからで、その原因から改善しようってなったんだよね。全部剥いだって一言でいうけど、ほんと大変だったよね。
まさし:元歯医者の診療所の方もあったからね。あっちは、床下に歯医者時代のコードが無数に散らばってて、その回収も大変だった。ボランティアで来てくれた、アリサちゃんとワンくんがいなかったら無理だったかも。
しほ:ほんとありがたかった。
まさし:1つの部屋は床下のネダ(床を支える木材)もシロアリ被害があったから全部取っ払ったね。
それで、床下換気の仕組みを作った。南から北へ空気が流れるように、三箇所にファンをつけて、湿度が上がったら自動的にファンが回るような仕組みを作った。で、床下にも、部屋と部屋の間にコンクリの壁があるんだけど、普通は空気を流すための穴がところどころあいてるんだよね。それが1つの部屋は、穴が一箇所もあいてなかった。空気が流れないようになってる。そりゃあ、湿気るよね。だから、コンクリートドリルで穴を開けて•・・
しほ:大変だったよね。
シロウトがやると実労以外に、悩む時間が加算される
まさし:あと、床下から湿気が上がってこないように、ビニールシートを敷き詰めたり。
しほ:もうプロのやつやん。
まさし:ほんとそう。プロに依頼すべきことを、全部自分たちでやるから、まず悩んでる時間が長くて、やるのも遅くて、時間がかかったよね。
しほ:そして、ずっとその片隅にはシロアリの存在があって。ちゃんとやらないと、またシロアリが来るかもって思うと、やっつけ仕事ができないもんね。プロに頼ろうとも、みんな忙しいし、気軽に頼めないみたいなね。
大工さんが3日で対処してくれた!
まさし:それで、やっと2月末に、大工のぐーちゃんがきてくれて、シロアリの対応をしてくれた。シロアリ発見から5ヶ月後かな。
喰われた梁と柱を入れ替えるのは大変だから、すぐ横にもう一本梁と柱を入れて、機能を担えるようにするっていう方法を提案してくれて、ささっとやってくれた。
しほ:いくらくらいでやってくれたんだっけ?
まさし:作業代でいうと、5万円くらい。それと部材代でしてくれた。2〜3日で終わったよね。
しほ:はじめ、追加で何百万円もかかったらどうしようって言ってたから、もう桁がちがう金額でおさまったよね。
一件落着?夫婦間の空気はやばかったけど
まさし:まじで。いい大工さんは、本当に必要なところを見極めるから、ていねいで早いっていうけど、その通りだと思った。
しほ:一件落着。チャンチャン。
こう聞くと、シロアリ対応も順調に進んだ感じがしちゃうね。実際は、ダースベーダーの音楽が毎日響いてた感じだったけど。
わたしが、まさしさんのことをボコボコに殴ったのっていつだったっけ?
まさし:(笑) いつかな?12月くらい?
―――次回は、ダークサイドに落ちたまさしさんと共にいることのストレスにやられ、わたしがまさしさんをボコボコに殴ったエピソードをお届けします。
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毎週金曜日に「暮らす実験室 SIKA はじまりの物語」を更新していきます。
何も考えず壁も屋根もぶっ壊してあたふたしたり。
シロアリ被害に泣いたり。
ほんとうにたくさんの人が助けに来てくれたり。
いろんな出来事を、書き残して行こうと思います。
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