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IKI IKI Collective Meeting Vol.1

2023年春、長崎県の離島・壱岐島で新たにローンチした「IKI IKI Collective(通称:イキコレ)」。壱岐という島で未来に向けて自分らしく挑戦されている取り組みを、見つけ、繋ぎ、共に壱岐での豊かな暮らしを創っていくプロジェクトです。
現在、ウェブサイトやインスタグラムを通じて、自分らしく、好きを探求しながら、島の未来をつくるヒトやコトを発信しています。

イキイキコレクティブってなんですか?

イキコレが何のために始まったのか、何を目指していくのかを知っていただく場として、2023年7月5日(水)に壱岐テレワークセンターにて「IKI IKI Collective Meeting vol.1」を開催しました。
集まったのは、これまでイキコレでインタビューを受けてくれた方、またこれからイキコレに関わってもらいたい方など総勢30名ほど。
最初に「イキコレ」の編集長である壱岐市役所SDGs未来課の中村勇貴さんが「イキイキコレクティブってなんですか? 」の問いに応えるべく、壇上に上がりました。

「イキコレ」は「壱岐の未来を創るメディア」

SDGs未来課に配属されてから、3年目の中村勇貴さん(入所19年目のいわゆる中堅)。
3年間「壱岐という島にとって、SDGsって何だろう?」という問いに向き合い続け、「誰もが自分らしく幸せに暮らし続けることができる社会を創ること」という答えにたどり着いたと言います。

「もちろん行政として進める政策も大切だけど、地域の皆さんの挑戦や島の外の人が壱岐に関わろうとしていることを積極的にサポートしながら地域を創っていく必要があるということに気づいたんです」(勇貴さん)

そこで、壱岐の未来に向けて、島内外問わず、「挑戦」しているヒト・コトを知るために取材し、発信することが必要だと。

「つながる→かさなる→まわりづづける」というサイクルを生み、「壱岐の未来を創るメディア」としての役割をイキコレが担っていきます。

思いが繋がり、重なり、壱岐の未来を創る。

最初の一歩として、「イキコレ」の運営陣について紹介がありました。
「行政の事業は島外の事業者に外注され、島にお金が落ちないといったことも多いのですが、『イキコレ』の運営メンバーには島内のカメラマンやウェブデザイナー、イラストレーター、ライターが関わってくれています」(勇貴さん)

これは今まで外に流れていたものが中で完結するという事例。このようなことを一つずつ作っていけたらと「イキコレ」は考えています。

「少し行政っぽい話で退屈したかもしれませんが、みなさん真剣に聞いていただいて嬉しいです。そんな壱岐に対するみなさんの思いが繋がって、重なって、壱岐の未来を創っていきたいと思っていますので、一緒にイキコレを盛り上げてもらえたらと思っています!」(勇貴さん)
と、締めくくりました。

つながり、かさなり、壱岐のみらいへ

talk session「過去現在の壱岐における場作りとは?」

次のプログラムは 「talk session『過去現在の壱岐における場作りとは?』」。
ここ壱岐島で、場を作って、出会ったり繋がったりと街の中で変化を起こしている3人、中村駿介さん(ワーケーションオフィス ACB Living)、長澤みずきさん(地域おこし協力隊)、コガワ健太さん(クリエイティブユニット ついでdesign&photo)が壇上に上がり、中村勇貴さんがファシリテーターを務めました。

talk session

自分たちの文化を作っていく。

中村駿介さんは、株式会社リクルートの社員であり、壱岐市の職員(地域活性化起業人)として行政に関わりながら、壱岐島の芦辺浦にあるワーケーションオフィス「ACB Living」のオーナー、さらに現在は壱岐と北海道上川郡東川町の2拠点生活を送っているという異色の肩書きの持ち主です。

中村駿介さん(ACB Living オーナー)

2022年4月に経済活動を通して、町の役に立ちたいとの思いからACB Livingを立ち上げました。ワーケーション施設として島外の人材が壱岐へ来ることを促しながら、施設が空いている時間に「場づくりの場所」として地元の方に使ってもらっているそうです。例えば、「大福丸書店」という土日だけの本屋さん、手作り品を作るママたちが立ち上げたマママルシェ、焼酎蔵×アスパラ農家×料理人のお料理会などが行われました。

「今後は 『自分たちの文化を作っていく』ということを壱岐の人とともにやっていきたい」と駿介さんは言います。

「文化を作るって聞くとピンと来ないかもしれませんが、今の自分たちの生活や仕事、やっていることが楽しいよねと感じていることを、繋げる、残していくことが文化を作ることなんじゃないかなって」(駿介さん)

まさにイキコレが目指す未来を、すでに駿介さんは実践されています。今後は芦辺浦地区だけに限らず、もっと広く参加してもらえる取り組みができればと話してくれました。

目の前にいる人に向き合いたい。

長澤みずきさんは1年前に群馬県から移住した、移住定住担当の地域おこし協力隊です。島外で行われる移住相談会に参加したり、地域の方と連携して空き家開拓などをしています。

長澤みずきさん(地域おこし協力隊:移住定住担当)

2019年〜2023年の約3年半、芦辺浦に開設していた空き家相談室「イエマチ」を、4月から勝本浦に移転し、移住や空き家の相談を受ける活動の場としています。町に新たな場を作ったことで、「何しよいん?」と地域の方が覗いてくれることが何より嬉しいと言います。ちょっとした会話の中から「あそこに空き家あるよ」「空き家探している人いたよ」など地元ならではの細かな情報にたどり着くことができるそうです。

「たくさんの人と出会い、話すことで、今誰がどこで何に困っているんだろうということを見つける。そして一つ一つ向き合って自分が出来ることをしていくことが、より良い未来に繋がるのではないかと思います」(長澤さん)

小さなことから一つ一つ始めていくことが大切だという、長澤さんのお考えに「イキコレ」も共感しています。

壱岐のクリエイティブの底上げをしたい。

コガワ健太さんは3年前にパートナーであるカメラマンの髙田望さんとともに移住し、2022年にクリエイティブユニット「ついでdesign&photo」を結成しました。画家・デザイナーとして、地域の事業者から絵描きの依頼を受けたり、リモートでデザインの仕事をしたりと活動の幅を広げています。

コガワ健太さん(クリエイティブユニット「ついで」)

「壱岐のクリエイティブの底上げをしたい」をしたいという想いを持ち活動しているそうです。

「アートやデザインについて、わからない点が多く遠ざけてしまっている方もいらっしゃるのでは、と感じていて、値段や方法などちょっとした疑問に応えられたらなって思っています」(コガワさん)

また壱岐の子どもたちに向けて「絵やデザインの仕事に就くという選択肢があることを示したい」とコガワさんは言います。

ワークショップを開催し、子どもたちの絵に触れる機会があり、配色センスやグラデーションの色使いに驚かされたそうです。

「絵なんて仕事にならないからと大人たちが否定するのではなく、『僕はこんな方法で絵を仕事にしているよ』と話すことで、可能性を広げることができるのではないかと考えています」(コガワさん)

ふらっと立ち寄った”ついで”にお茶でも飲みながら相談に出来るような場になればという想いから、DIYで改修した古民家の住み開きを準備しているそうです。

「デザインに関する疑問に答えたり、絵描き教室をしたりしていきたい」と語るコガワさん。
「デザインやアートについてはわかるのですが、子どもたちに教えることなどについては知らないことも多いので、島にいる教育関係の方と協力して進めていけたら」と、呼びかけました。

3人の想いに触れて、次のアクションへ

3人の想いに触れて、「イキコレ」の役割をさらに具体的にイメージすることができました。
2000年以上の歴史がある壱岐。みんなで補いあいながら、100年後も住める壱岐を目指して活動できればと思います。IKI IKI collectiveでは、こうした想いに触れることで応援したい、何か一緒にしたいという流れが生まれていく未来を目指していきます。

最後に勇貴さんから、「懇親会で交流してもらって皆さん仲良くなって、次のアクションを!」と締めくくりました。

話して、知ることで、「つながった」

懇親会では、壱岐の芦辺浦にお店を構える人気ピザ屋さん「PIZZERIA Potto」さんによる、壱岐の食材を使った色とりどりの料理が用意されていました。華やかに盛り付けられたピンチョスを片手に、交流を深めました。

料理を紹介してくれるPIZZERIA Pottoのケントさん

温泉宿の女将さん×種苗センター所長は壱岐の海産物の話で盛り上がったそうです。他にも市役所2年目の職員×動画クリエイター、壱岐焼酎蔵の社長×画家、畜産農家×無人島スタッフなど、見ているだけで面白い組み合わせで話していました。

「SNSや口コミ、地域の新聞等で知ってはいたけど、初めて話した」という感想も多くありました。

話して、知ることで、「つながる」ということが出来た懇親会。
今後は、「かさなる」→「まわりづづける」という未来に向かっていきたいと思います。

Writing:田口有香
Photo:髙田望(ついで -design&photo-)
Design:中村由布
Special Thanks
PIZZERIA Potto
ISLAND BREWERY
壱岐の蔵酒造


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