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「意味なんてないから。」
今日のブログはこちら!
結局多くの人は、本気じゃないから学びにフォーカスできないんだ。
学ぶことを恐れないためにはぜひ読んでみて!
では、本題。
鈴木孝夫著・「ことばと文化」を読んだ。
日本を代表する言語学者が書いたこの本は、
言葉というものがいかに文化であり、また文化としての言葉が、言葉以外の文化といかに関係しているかを知ることができる。
人間の行動を支配するのは、
・本能的なもの
・伝承性の強い「慣習」
この二つで、文化とは後者の部分をさす概念だと著者は言う。
そしてこの文化の定義が人間の言語活動の大部分にもあてはまるんだ。
上手く噛み砕けなくて説明が難しくなってしまったけど、内容はわかりやすく面白いから言葉の研究の入門書としてオススメする!笑
面白かったのは、文化の構造の違いについて。
たとえば、スプーンは世界中の人間誰もが使えるものだけど、よく観察すると国によって微妙に使い方が違うんだよね。
日本人はスプーンでスープや液体を飲むとき、顔と平行になるように顔にもっていく。
なので必然的にスプーンの横に口をつけて飲む形になり、吸い込むようにして、液体を口に入れる。
これは日本独特の「吸い物」の伝統が残っているからだ。
だけど欧州の人は、どちらかと言えばスプーンを顔と直角になるように近づけ、スプーンの先端から飲む。
つまり、吸うのでなく流し込むように使うため、スプーンの先が口の中にかなり入り込むことになる。
もちろんどっちが良い悪いとかは無いけど、
このようなかくれた文化の違いに気づくことが異文化理解のカギになるんだ。
多様性が広がった現代は、こういった微妙な文化の構造に気づくことが大切になるのは間違いないよね。
ただ残念ながら人間は、外国の言葉・表現・文化を、無意識のうちに自国の文化のコンテクストに置いて解釈してしまう傾向が強いんだ。
だからズレが起きないように、大きな文化レベルで人を理解することだ。
じゃあ、文化と密接に関わっている言葉とはそもそも何なのか?
著者は、
ことばというものは、渾沌とした、連続的で切れ目のない素材の世界に、人間の見地から、人間にとって有意義と思われる仕方で、虚構の分節を与え、そして分類する働きを担っている。
言語とは絶えず生成し、常に流動している世界を、あたかも整然と区分された、ものやことの集合であるかのような姿の下に、人間に提示して見せる虚構性を本質的に持っているのである。
と言っている。
つまり、言葉は人間が人間にとって都合の良いように作られたもので、虚構性に支えられているものなんだよね。
これが理解できると、言葉に意味なんてないことがわかるし、意味なんて教えられないとわかる。
辞典で載っているものや、今まで意味だと思っていたものは、「意味」ではなく「定義」だ。
「これは〇〇です」という定義は知れるし、教えることができる。
ただそれは対象そのものを指しているわけではない。
対象の含まれる範囲を明確にしているだけだ。
俺は「世界は言葉で出来ている」と思っているから、本来は言葉に意味なんて無いとわかれば、世界に意味なんて無いとも解釈できる。
つまり、生きる意味はそもそも特に無いってこと。
だから生きる意味を勝手に定義しちゃえば良いんだよね。