【イタリア】アリタリアの破綻で速達が使えない
1分1秒にまで縮めた近代のメッセージツール。今となっては、手放すことのできない便利なもので、家族と離れている人、ましてや海外で暮らすこ人にとっては必要不可欠なものだ。
そんな中、今 イタリアでは郵便物に支障が出ている。
多くの友だちが口を揃えて言うには、
日本 ー イタリアの郵便物は「船便しかない!」
実際に、日本郵便のサイトを見てみると、
書留などの通常郵便及び、小包郵便物について
✖️ 航空扱い
✖️ SAL扱い
○ 船便扱い
さらに注意欄には、
本当に、船便のみの!
追い討ちをかけるように、こんな一文が。
数年前に、一度船便を利用して郵送してもらったことがる。その時は3ヶ月を要した。お菓子や食品の中には、賞味期限がギリギリになってしまったものが多く、次に購入するときは気をつけないとと思った。
上記の説明によると、今回はさらに3ヶ月かかる可能性もと言うことは、発送から「半年」も時間を要することだろうか。これはいかがなものか。
質素なクリスマスとお正月
このことで、日本からものを送りたい、送ってもらいたい友だちやその家族は、今回の発送を見送っているようだ。クリスマスシーズンに向けて、プレゼントやカードを送る予定だった人、お正月用に飾りや食品を受け取りたかった人にとっては、質素な催しになるのかもしれない。
棄権の言い訳
そして、私も一つ諦めたことがある。
10月31日に行われた「衆議院選挙」。私は、イタリアからでも投票できるように「在外選挙」に登録している。指定の書類を地元の高松市役所に送り、期日前投票の用紙を送ってもらい、それに記入をして再び市役所へ送るというシステムだ。
だが、今回の選挙は、この船便のこともあって見送った。どう考えても時間がかかる。ましてや選挙の発表から投票までの期間も短かったように思う。
私の投票区域は、全国でも珍しく注目を浴びた「香川1区」。私が勤めていたラジオ・テレビ局の大ボスは、ヒライ一族。そこに映画で話題になった小川淳也氏との戦いで、大事な一票となるはずだった。しかし、どちらに入れるべきか答えが出ないままだったので、郵便物の事情という言い訳で誤魔化してしまった。
恋文の愛おしさ
日本の国際郵便の始まりは、1875年(明治8)のこと。アメリカを皮切りにイギリスやフランスへと拡大していった。もちろん、その当時の郵送の手段は、船便。それしかなかった時代に、手紙や小包を送り合い、近況を報告しあっていた。
私が愛してやまない芸術家イサム・ノグチの伝記を読んでいると、アメリカと日本だけでなく、フランスやアジアからハガキや封書で手紙のやり取りが、重要な連絡手段だったことが伺える。
自分の近況も去ることながら、経済的不安定から資金援助の依頼、次の帰国など、今なおその手紙が保管され、当時の息吹を感じることができる歴史の足跡だ。sns時代において、私たちのやり取りは、"見えるようで見えない"ので、未来の子どもたちは、知ることのできないものかもしれない。
今こそ、恋文
会いたいけれど会えない寂しさ、離れていても近くに感じる瞬間を手紙がになっていた。絵を書いたり、涙で文字が滲んだり、時には真っ赤な口紅で口付けしたりと、さまざまな工夫をほどこし、愛を伝えていた。それも何日もかけて。送る楽しみ、待つ切なさ、届いたか否かの不安など、思いを伝えるためにさまざまな感情が湧き上がっていた。
それを今、再現できる。
家族に一筆書いてもいいが、普段から連絡取っているから、どうしたのか?と思われるかもしれない。でも過去の自分が書いたものが半年後に届くだなんて少し浪漫を感じる。
もしくは、しばらく連絡をしていないあの人に書くのもいいかもしれない。いざ、何を書こうか迷うが、恋文ならぬ友文ははっきりとした動機がなければなかなか筆が進まない。
かつての上司や先輩に手紙を書くのがいいのかもしれない。メディアの人間は、この手の珍事にアンテナが震えるものだ。せっかくなら一斉に出してみたい。なんなら今、クリスマスカードをわざわざ送るのも味なのかもしれない。夏に届いたら、それはそれで手紙のありがたみや想いがいっそう増すのではないだろうか。
今しかできない、この手紙のやり取りを日本にいるあなたも、YouTubeのネタの一つにどうだろう。
遅延の原因はアリタリア
このニュースを見たことあるだろうか。
2021年10月にイタリアの航空会社「アリタリア」は経営破綻をした。その元客室乗務員らによるパフォーマンスが行われ、制服を脱ぎ下着姿になって、失業や賃金カットに抵抗した。
アリタリアの経営不振は、何度となく報道や噂され、飛行機を利用する度に、「今回は無事に飛ぶかな?」と不安を抱えるのが当たり前となっていた。
コロナ前に航空券を買っていた人にとっては、延長の延長で最後になくなるということだから、振り回されるのにもほどがある。結局払い戻しされたが、イタリアと日本間の便利なルートが使えなくなるのは残念だ。
新しい航空会社
アリタリアに代わり、国営のイタリア・トラスポルト・アエレオ「ITA」が誕生している。アリタリアの社員たちの中には、ITAに転職した人もいるようだが、その数は、15000人のうちわずか2800人。悲しい現実だ。有能な人たが行き場を失っている。国としてどうにか手を施さないと、さらに衰退してしまう。
就航したのになぜ届かない?
ITAは始動しているが、イタリアー日本の就航はまだ先の話。ニュースによると、長距離路線はニューヨークや羽田から始まると書いているが、サイトにニューヨーク行きはあっても、東京のチケットはまだ販売もされていない。
つまり、日本とイタリア間を結ぶ路線がまだないために、手紙も荷物も空便で送れないというとだ。
今、海外在住の日本人や日本好きな外国人に向けて、商品を免税で発送するサイトがいくつもある。
話題になっている。日本の食品やお菓子、薬、メイクアイテム、おもちゃなど、これまで手に入りにくかったものを、送ってくれるというサービス。
現在、ダシを取るための乾物や手土産にするお菓子を手に入れたいが、船便しかないので見送っているが、欲しいものが増えるばかり。
就航した際、荷物の発送が先になるか、自分自身の帰国が先になるか。まだこの時点では誰にも分からない。
あっ、こんなことを手紙で書いて送ったらいいのかもしれない。半年後にどうなっているだろう。