ねぇ先輩。新島に行ってきたんです。
これは次第に疎遠になってしまった先輩への手紙。オトナへの一歩を歩んだあの頃の記憶から今日までを綴っておきたい。
先輩は、数少ないウチの事を話せる仲でした。高校生だった僕にとって家庭ことを話すのは恥ずかしいことで、自分だけはフツーの家だと思っていたから、あの頃はとにかく恥ずかった。そんな歳頃だったんだと思います。
「なぁ。お前カノジョはどうなん?」
「別れたばっかですよ。それにそれどこじゃないですよ」
「ああ。お前ん家、相変わらず内戦状態なんだっけ」
僕がまだ高校生だった