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古畑任三郎型の読解の授業

数年前の国語科教育法2の授業より。

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模擬授業で扱ったのは「父の詫び状」。
今回の学生たちの模擬授業は、チャレンジングであった。

「人物の言動や様子を描いた表現に着目して、その人柄や心情をとらえる。」という教科書にある単元の目標を元に授業を作るのだが、その進め方が通常と違うのだ。

通常、文章中にある記述から、その心情を読み取るという方法をとる。私はこれを「名探偵コナン型」の読解の授業と名付けている。事実を積み重ねて犯人を当てる。読解では、書かれていることを一つずつ調べて行って最後に、「犯人=作品の主題」がわかるというものだ。この主題に迫るために文章を読み進めていく。

今回は、このコナン型ではなく、「古畑任三郎型」で授業を展開していたのだ。「古畑任三郎」は、「刑事コロンボ」と同じで番組の冒頭で殺人犯が殺人をする。それは視聴者にはわかっているのだが、探偵の古畑任三郎だけはわからないという構成だ。

犯人という結論は、視聴者にわかっていてその根拠を集めていく下りを楽しむのだ。授業に当てはめれば、「父の性格は真面目です。その根拠となる部分を文中に見つけましょう」という展開である。

私が日頃主張している、読解の授業の新しい方法である。

授業の事実からすると、うまくいかない部分も多かった。「真面目」の定義をきちんとしなかったとか、授業者の話し方がフランク過ぎていたとかいろいろとあったが、私は、この挑戦は買いたい。

そして、改めてわかったことはこの「古畑型」は、いいということ。根拠を探すためには教科書を熟読しなければならない。班で答えを決める中で意見を交流せざるを得ない。「教科書をしっかりと読みなさい」「グループで話し合いなさい」としなくても、そうなってしまう。AさせたいならBである。

ただ、もう少し改良をするとすれば、教師の出した「真面目」という性格について、異論のある生徒への対応の仕方である。ここは、授業の経験が皆無の学生には難しい。私なら、

「先生は、父の性格を真面目だとしました。しかし、私は違うと考えます。〜です。なぜならば、教科書の○p.には〜のような記述があり、これは〜ということを示しています。だから、父の性格は真面目ではなく、〜です」

ということを書かせる指示を出したと思う。
古畑任三郎型を経て、再び名探偵コナン型で論じるのだ。

こういう授業が作れるようになってきたのは、嬉しいなあ。
また、写真の板書。
このように書けるようになってきたのも嬉しい。なかなか良い字だ。

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池田修
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