お金が無い時に味わった涙の餃子定食
今回は#元気をもらったあの食事
上京したての頃に味わった体験をシェアします。
上京後、転職をすることになりつなぎでしていたブラックバイトを辞めたのだが給料日が大分先なのもあり、家賃や水道光熱費、税金などを払いきると2週間近くお金がない状態になりました。
その時は1日1食で凌いでいましたが若い時なのもあり非常におなかが空いていました。
仕事先でもなるべくその状況を悟られないようにしていた。
職場で食べることはせず、外に行って前日に購入した半額のパンを食べたりなどをした。
それでも給料日までまだ日にちがあり、とうとう交通費以外が出せない状況に。
家に帰っても冷蔵庫に食料がない。
あと4日だし職場でお菓子分けてもらうか、水と塩でなんとかするかと思っていた時に後ろから声をかけられる。
後ろを振り返ると東京に来るきっかけとなりお世話になっているご夫婦と女性の同僚が。
仕事が終わったので食事をしてから帰ろうと思ってお店を探していたところ、私の姿が見えたので声をかけたとのこと。
声をかけてもらったが気まずかったので私は挨拶だけ済ませ帰ろうとしたらご夫婦に一緒に食事しないかと誘われる。
今手持ちが交通費しかないからとは言えない。
それに食事したら仕事にも行けなくなると悶々と葛藤していたら、何か察してくれたのか、仕事がうまくいっていて気分がいいから今日くらいは出すよと言って下さり、お言葉に甘えることに。
目黒のアトレ内の中華屋に入り、それぞれ好きなメニューを注文。
私が遠慮していたら、若いんだから遠慮するなと言われ定食を頼む。
中華屋というのもあり単品で色々頼んでは分けてくださりました。
その時の会話で奥様から「いけだ君、棒棒鶏ってなんて読むか知ってる?」と聞かれた。
私は答えを知っていたが、旦那さんが実は棒棒鶏を今の今まで読めなかったというエピソードを話していたのを覚えていたので、読めないですと答えたら旦那さんから握手される。
これで良かったと思ったらもう一度奥様から「ほんとは?」と笑顔で問い詰められたので正直にバンバンジーですと答えたら、握手からの肩パンされる。
空気の読み方がいまいちだなと思いつつも、今度は旦那さんの方から、知り合いから私がよく食べることを聞いていたらしく、僕が定食を食べ終わった後に、もう一回定食食べられる?と聞いてきました。
食べられないわけではないが、これ以上出させるのはと思っていたところ、食べっぷりを見てみたいと。
さらに大盛で餃子のW定食を注文し平らげたらすごく驚かれましたね。
ただその時私はおなか一杯に食事ができたことなんていつ以来だろと思っていたら自然と涙が出て止まらず、途中嗚咽もしながら食べていた。
後日ご夫婦が私の事情を同僚から聞いていたらしく、食べさせてくださったことが分かった瞬間またも涙が止まりませんでした。
食べ終わった後には涙も止まり辛かったこともすっかり忘れて元気になっていました。
その後、いろんな方にその件で聞かれたり話したりした。
旦那さんが仕事場で僕の食べっぷりを称賛していたらしく、でも泣きながら食べていたことに関しては一言も言わなかったそうです。
この時のこの気遣いも含め今でも感謝しかありません。
たった1食です、されど1食の餃子定食。
ご夫婦からしたらそこまでの金額ではないですが、私にとっては10年経った今でも忘れることができない出来事になっています。
今もご夫婦とは時々お会いすることはありますが、この時の御恩をいつか返せるように自分自身が稼いで恩返しできるよう日々精進していきます。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
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ではまた。
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