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短歌6月自選

祭りの夜 猿はすべての檻を開け動物たちをあつめて踊る
(日経歌壇掲載選、穂村弘)

卵かけご飯を急いで食べたあとあくびしている亀にごはんを
(NHK短歌テキスト選、岡野大嗣)

何度でも叱られたくて何度でも君のプリンを勝手に食べる

手をつなぐ僕らを月が照らすから夜の散歩は祝祭になる

去年より潜水時間が長くなり大人の肺に近づくぼくら

今日もまた告白できない自転車で『リンダ リンダ』を死ぬほど叫ぶ

あたらしいポン・デ・リングを買うために君と並んだ時間が甘い

一番は太宰治で一致して二番を当て合う雨の図書室

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