新人賞に応募した理由など
10年ほど前に短歌研究新人賞に応募したのですが、その理由のひとつにネット短歌が下にみられていたという時代性があります。『短歌ヴァーサス』という雑誌で【ネット短歌はだめなのか?】という特集が組まれていたほどです(風媒社、2004.第六号)。短歌誌や結社が上にあり、ネットは下に位置していました。
そういう時代性にあらがって、ネット短歌の力をみせたいという強い想いがありました。現在では、ネット、結社、短歌総合誌はフラットになっていますが、昔はそうではなかった。今は、岡野大嗣さんや木下龍也さん、工藤吉生さんなどネットに出自を持つ歌人が活躍されているので、若い人にはわかりにくいかも知れません。
最後に一言。短歌研究新人賞の第五十七回で岡野大嗣さんが『選択と削除』で次席になられたこと、工藤吉生さんが第六十一回の『この人を追う』で受賞されたことは、僕にとってはとても大きな【事件】でした。