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メモ・フローラ~花々の自由のために(7)

秋。

おみなえしこゝろをうつす忘れ水
ねねとまつ木槿垣根に消えし声
あけがたの黒きミルクや月下香
秋薔薇の香に赤き血のりの夜の雨

※忘れ水。野中などを人に知られずに絶え絶えに流れている水。
※北政所ねね(高台院)と前田利家室おまつ(芳春院)はいつも隣どおし。清州城下の両家の境には木槿の垣根があった、とか。司馬遼太郎「新史太閤記」。
※あけがたの黒いミルク僕らはそれを夕方に飲む/僕らはそれを昼に朝に飲む僕らはそれを夜中に飲む パウル・ツェラン「死のフーガ」
※薔薇は哲学者カントの花だとか。カントの都市ケーニヒスベルクいつのまにかロシア領カリーニングラード。

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