el 16 de octubre : Hamlet の名言についての質問
アルゼンチンのMさんから質問がありました。
シェイクスピアの『ハムレット』の名言;
“to be, or not to be, that is the question”
は、日本語で何と言うのか。
スペイン語だと;
"ser o no ser, esa es la cuestión"
有名なセリフだけど、日本語で何と言うのか分かりません。
Akiさんは当然分かると思うので、教えてください。
と。
私も簡単だと思っていました。
見た感じ、文法的には難しい部分なんて全然ないし。
けれど、名作・名言には定訳がつきものだから、それを教えてあげたい。
さらに、恥ずかしながらハムレットを読んだことがないので、どんな文脈で発せられたセリフか知らなければ、簡単には訳せないなぁ、なんて思いました。
ちょっと検索してみました。
出るわ出るわ。
簡単だと思った数秒前の自分が恥ずかしい!
名作中の名作の、名言中の名言、有名中の有名文だけれど、これほど文法的な遠さを感じさせる文章もない、また、文脈で色んな解釈ができる場面でもあったらしく、名翻訳家がしのぎを削ったセリフでした。
父の仇を討つために、刺し違えてでも復讐する、という決意が一瞬ゆらぐ、そんな場面のようです。
こちらを参考にしました。
あらすじしか読んでいないのに、つらつらとハムレットについて語るのは、余りにも厚顔すぎるので、肝心の翻訳に移ります。このページを参考にして、細かいところをさらに調べて、翻訳年、翻訳者、翻訳文を、Mさんに送りました。
este texto es fácil gramaticalmente, pero también difícil de traducir a japonés.
por eso hay muchas traducciones de japonés desde que por primera vez Hamlet se tradujo a japonés en 1909.
このテキストは、文法的には簡単だけれど、同時に日本語に翻訳するのは難しいのです。だからか、1909年に初めて訳されてから、たくさんの翻訳が存在しています。
と、前置きしました。Mさんは、結構日本語が話せるので、その難しさを分かってくれると信じています。
en 1909 tradujo Shoyo Tsubouchi el texto.
1909年に坪内 逍遥(つぼうち しょうよう1859-1935)が翻訳しました。
↓
su traducción de “to be, or not to be, that is the question” es
「世にある、世にあらぬ、それが疑問じゃ。」
1955
福田 恆存(ふくだ つねあり 1912 – 1994)
「生か、死か、それが疑問だ。」
1973〜80(←aproximadamente=だいたいこの辺り)
小田島 雄志(おだしま ゆうし 1930- )
「このままでいいのか、いけないのか、それが問題だ。」
1996
松岡 和子(まつおか かずこ 1942- )
「生きてとどまるか、消えてなくなるか、それが問題だ。」
2002
野島 秀勝(のじま ひでかつ 1930-2009)
「生きるか、死ぬか、それが問題だ。」
2003
河合 祥一郎(かわい しょういちろう 1960- )
「生きるべきか死ぬべきか、それが問題だ。」
生きるべきか死ぬべきか、それが問題だ
↑
esta es la más famosa traducción en japonés.
これが最も有名な訳文です。
と、伝えました。
ちなみに、タイトルのところでお借りした画像は、たぶん「尼寺へ行け」の場面ですね。あらすじと名言をたくさん読んだので、通ぶってみました。