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Vol219 田舎移住!自治会(町内会)加入とゴミ出し問題!
田舎に移住をすると、良くトラブルになるのが自治会(町内会等)加入とゴミ出しの問題です。
このことを原因に地域とトラブルになり、移住先から引っ越しを余儀なくされた話も聞きます。
そこで、この問題について書いてみました。
こんにちは、移住専門FP「移住プランナー」の仲西といいます。
ここでは、これまでの18年間の活動、2500組以上の移住相談対応から
皆さんに役立つ情報を書いています。
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1⃣ 法律上の見解
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まず、前提として、町内会などの自治会への加入は強制ではありません。
町内会をはじめとした自治会は、法律の定めによらない任意団体とされているからです。
そのため、自治会等が法的な根拠をもたない権利能力なき社団である以上、加入の義務はないとしています。
もしも、自治会の会則において「地域の住民はすべて加入の義務がある」と定められていても法的な拘束力はないので、加入を断ることも、加入したうえで脱退するのも自由となります。
実際、神戸市において、自治会に加入しない住民のゴミ出しを禁じた例において裁判が行われています。
そこでは、2020年神戸地裁は、神戸市の制度を踏まえると「地域のごみ捨て場の利用を禁じられると、家庭ごみを排出する手段を失う」と指摘し、自治会側の態度は違法としました。その後、大阪高裁に控訴されましたが、1審に続き自治会側の違法性が認められています。
2⃣ 「ごみ出しが出来ない」と言われた時の対応
1.役所のごみ収集を管轄する部署に問い合わせる
まずは役所に、実際にごみ出しに自治会への加入が必要なのかどうかという点を確認することです。
しかし、この場合、役所が明確な回答を避ける場合があります。
「自治会に委託している」「自治会により異なる」「直接、自治会に確認をしてほしい」等が考えられます。
2.自治会長と交渉する
ごみ収集を管轄する役所側から「自治会に加入していなくてもごみ出しは可能」という回答を受けたら、自治会の担当者にその旨を伝えて交渉しましょう。
もしも、「役所側から自治会に直接確認をして欲しい」と、言われたときも同様に、自治会長と交渉することになります。
3.自分でごみ処理場へ運ぶ
自治会長との折衝を避けたい場合もあります。また、自治会長との交渉が解決しない場合もあります。
このような場合は、直接、ごみ処理場に持ち込むことになります。
3⃣ ごみ出しに自治会加入が必須となるケース
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基本的には、自治体が把握しているごみ集積所へのごみ出しは、自治会等に加入をしていなくても可能です。ただし、次に挙げるようなケースでは、実際に自治会への加入が必須となる可能性があります。
1.ごみ集積所が自治会会員の私有地である場合
ごみ集積所が自治会に加入している会員の私有地である場合は、土地所有者の権限として「会員以外のごみ出しを認めない」とすることも可能です。
2.ごみ集積所が自治会の所有物である場合
ごみ集積所の設置や管理に自治会等が費用を捻出しており、自治会等の所有物としている場合は、会員外のごみ出しが認められないことがあります。
このケースが意外と多いので、注意をしなければなりません。
4⃣ ごみ出しが出来ない時の対処方法
1.自分でごみ処理場へ運ぶ
ごみ処理場でのごみ捨ては有料で重量に応じて料金がかかります。可燃ごみ・生ごみの場合、50円~/10kgが一般的です。
2.自治会が管理していないごみ集積所を作る
自治会への加入が必要なごみ集積所を利用せず、自治体に新設の許可を申請し、自治会が管理していないごみ集積所を新たに設置する。
ただし、自治体により、ごみ集積所の設置基準があります。
例えば、可燃ごみは20世帯ごとに1カ所など、一定数の世帯を集めないといけません。
自治会との対立を理由に、個人で設置を申請しても、許可を得るのは難しいかもしれません。
3.自治体と折衷案を交渉する。
例えば、自治会に加入はしないが、「ごみ集積所の管理費用を支払う」や「ごみ集積所の掃除を負担する」等です
5⃣ 自治体に加入をしない理由を考えてみる
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自治会への加入をためらう理由とはどのようなものでしょうか。
・自治会費などのお金の問題
・回覧板の対応が面倒
・自治会の加入による清掃活動や会合に参加したくない
・「不必要なものに参加したくない」と自身のポリシーによるもの
確かに、自治会へ加入をためらう理由は解りますが、このことによるトラブルのリスクと比較してみることが大切ではないでしょうか。
自分自身にとっては不必要なものであっても、地域の人にとっては必要なものだからこそ継続されていると言えます。
特に、ネット社会で回覧板はいかにもおかしなものかもしれません。
しかし、高齢者にとっては、回覧板を楽しみにしている人も多くいます。
自治会に加入をしたからと言って、清掃活動や会合は必須ではありません。
仕事を休んでまで、清掃活動に参加する必要もありません。
きちんと参加できない理由を説明することで、自治会は理解をしてもらえます。
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ほとんどの移住者は、移住した地域に溶け込みたいと思っているはずです。都会であれば、お隣と話をすることが無くても、さほど生活に支障はありません。
しかし、田舎ではお隣や近所から無視をされる、または「村八分」にあうと、相当のストレスとなります。
折角、夢を抱いて田舎に移住をするのであれば、余計なトラブルを避けることがまずは大切ではないでしょうか。
6⃣ TOPの画像
最後に、私のお気に入りの移住地をご紹介しますね。
ぜひ、移住地探しの参考にしてください。
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岩手県大槌町
岩手県のリアス海岸のほぼ中央にあり、海と山の両方の暮らしができるのが大槌町です。
2011年の東日本大地震で甚大な被害を受けてから、新しい町作りが始まっています。
そのひとつとして活躍しているのが、2011年11月に設立された「一般社団法人おらが大槌夢広場」です。
行政機能の低下した分野の補完をはじめ、外部への情報発信強化、地場産業やツーリズムの活性化、さらには移住定住事務局等にも取り組んでいます。
その「一般社団法人おらが大槌夢広場」が始めたのが、U25地域チャレンジプログラム『ワカモノカケル』です。
また、2024年6月現在、22名の地域おこし協力隊が活動をするなど、若い人を中心に未来への成長に取り組む大槌町は魅力たっぷりの町ですね。
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