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Vol154 田舎で新規就農をしたい。自己資金が足りない時の選択は?

「田舎に移住をして、新規就農をしたい」と希望する人は、少なくありません。しかし、新規就農には多額の資金が必要です。憧れだけで始められるものではありません。今回は、「自己資金がないけど、田舎で農業をしたい」時の選択について書いてみました。

こんにちは、移住専11門FP「移住プランナー」の仲西といいます。
ここでは、これまでの17年間の活動、2500組以上の移住相談対応から
皆さんに役立つ情報を書いています。
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1⃣ 設備資金はどれくらい必要



新規就農に関わる資金の中で、圧倒的に大きいのは、トラックや草刈り機などの機械や施設の費用になります。

令和4年(2022年)3月発表された、一般社団法人全国農業会議所および全国新規就農相談センターの「新規就農者の就農実態調査」によると、就農1年目に要した費用と自己資金の準備状況は次の通りです。

営農面の費用は新規参入者全体の平均では、755 万円(前回比+186 万円)で、そのうち機械・施設等への費用は561 万円(前回比+150 万円)です。

残念ながら、この設備に掛かる費用は、年々、増加をしています。
主な、農機具は次の通りです。

① トラクター・耕運機
田畑を掘り返す機械。土を柔らかくして、作物の生育環境を整えます。
200万円~1000万円(50PSで600万円~)

② 田植え機
稲の苗を水で人に植え付けるための農機具
50万円~100万円

③ コンバイン
穀類の刈り取り、実を茎から外す脱穀、くっついた葉を取り除く選別の3つの作業を1台でこなせます。
200万円~2000万円

2⃣ 補助制度や給付金の利用


新機就農には多額の資金が必要であることが解ります。
また、設備費用や必要経費と自己資金には大きな乖離があることも解ります。
残念ながら、新規就農者のうち、「おおむね農業所得で生計が成り立っている」と答える人は、25%に満たないといわれています。

新規就農時の必要資金は、家族の有無や育てる作目、または設備の投資額にも異なります。

そこで、新規就農の際には、国や自治体の補助制度や給付金を利用することが望まれます。
例えば、無利子で資金融資が受けられる「就農支援基金」や、一定の条件を満たすことで、最大5年間、毎年150万円の給付金が受け取れる「農業次世代人材投資資金」などがあります。

なお、融資を受けるためには、保証人確保が必要となりますので、あらかじめ準備をしておかなければなりません。

3⃣ 雇用就農の考え方



農業法人とは、株式会社や農事組合法人等の企業として農業を営む法人の総称です。
この、農業法人の中で、農地を借りたり取得したりすることが出来る、「農業生産法人」は、全国に2万法人以上あり、近年急増をしています。

雇用就農とは、この農業法人で働いて収入を得ながら、農業技術などのスキルを身に着ける就農方法です。
いきなり新規就農するには、技術の習得だけでなく、農地の確保や設備投資など、多額の就農資金が必要となります。
そこで、雇用就農からスタートをする道も選択肢として考えては如何でしょうか。

将来の独立を支援する農業法人もあり、生活を安定させてから、独立就農をする2段階就農ならば、リスクは抑えることが出来ます。

なお、農業法人に雇用をされるには、次のような人材が有利です。

① 農業関連の学校を卒業している。
② 年齢が40歳以下。
③ 大型特殊自動車免許、フォークリスト運転免許等を取得している。

特に、田舎移住をするのに一番必要な資格は、「大型特殊自動車免許
とすら言われます。
ぜひ、田舎移住をして新規就農を目指すのであれば、事前に取得しておきたいですね。

4⃣ TOPの画像


最後に私のおススメの移住地をご紹介します。
移住地選びの参考にしてくださいね。

岐阜県下呂市
 
「下呂温泉」で知られる岐阜県下呂市。
儒学者の林羅山によって、有馬と草津と並ぶ「天下の三名泉」として有名になった下呂温泉は、戦国武将の織田信長にもたいへん愛された温泉です。
一昔前、「電車の窓から、露天風呂がのぞくことができる」ことでも話題になりましたね。
その下呂市には、就農したり起業したりする、現役世代の移住者が増加していると言われています。
また、下呂市出身者がUターンをすれば、「おかえり奨励金」として20万円が受け取れる事業も取り組んでいます。
じゃらんが発表する人気温泉地ランキングで、東海エリア14年連続「人気温泉地」1位を獲得した下呂温泉。
「泉質」の良さが魅力の下呂温泉が近くにある、そんな暮らしは憧れますよね。
 
 

最後まで読んでいただき有難うございました。
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移住プランナー| 田舎暮らし|プロ|
移住専門FP「移住プランナー」として活動をしています。これまで18年間2500組以上の移住相談に対応をしてきました。ここでは、私の経験からお役に立てる情報を日常的に綴っていきます。「移住」という夢の実現にお役に立てればうれしいです。大阪出身、北海道と鹿児島の3拠点生活中。