Vol134 「地域おこし協力隊」のデメリット
国(総務省)は地方の労働力不足解消のひとつとして、「地域おこし協力隊」を強く推し進めています。そして、この「地域おこし協力隊」に興味を示す若者も増加をしています。そこで、今回は「地域おこし協力隊」のデメリットについて書いてみました。
「地域おこし協力隊」にチャレンジする前に、確認をしていただければと思います。
こんにちは、移住専門FP「移住プランナー」の仲西といいます。
ここでは、これまでの17年間の活動、2500組以上の移住相談対応から
皆さんに役立つ情報を書いています。
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1⃣ 地域おこし協力隊の現状
地域おこし協力隊数は6447人(2022年度)です。
都道府県別では1位北海道821人、2位長野県428人、3位高知県255人です。
また、地域おこし協力隊の男女比は、おおよそ男性が6割、女性が4割ですが、女性の割合が徐々に増えている傾向があります。
なお、卒業後の定住率は約65%(総務省発表)ですが、内訳は同じ地域に定住が約53%、近隣の地域に定住が約12%の合計になります。
但し、卒業後、何年定住したかは把握できておらず、実際の定住率はもっと低いと予想されます。
ちなみに、定住者の中で起業をした人は約41%です。その他は、地元の企業に就職や就農などになります。
2⃣ 「地域おこし協力隊」移住のデメリット
① 単なる労働力として使われる
地方都市では人手不足が深刻です。
人手が足りないことで事業者が存続できなかったり、店が営業を継続できない問題が起きています。
現状、地方の都市では地域内で、労働力の取り合いをしている状態です。
そのため、地元のハローワークに求人情報を出しても応募がきません。
そこで、「地域おこし協力」を活用し、表面上は地域活性化に取り組むとしていても、現実は単なる労働力としか見ていないケースがあります。
また、「地域おこし協力隊」の報酬は、国からの助成金を充填しているため、地方の自治体では人経費を抑えられるメリットもあるからです。
最近では、小さな町に30人~50人の地域おこし協力隊が着任をしているところもあります。
実際、先輩の隊員たちが「地域でどのような活動をしているのか?」を、事前にチェックすることをおススメします。
② 自分のやりたいことができるとは限らない
自分が思い描いていた活動と、自治体が求める活動内容にギャップがあることがあります。
これは、事前に十分な話し合いをしていても、食い違いは生じます。
こうしたことが原因で、地域とトラブルになることがあります。
そもそも、「地域おこし協力隊」は都市圏に住む20代・30代が多く、社会経験も少ない上に、都会と地方では習慣も異なることから戸惑いも起きます。
結局、根本的な思考が異なることから、意思疎通が行えずに苦しむこともあります。
③ 自治体の会計年度任用職員という立場が多い
「地域おこし協力隊」の多くは、活動内容に関わらず、自治体の会計年度任用職員という立場になります。
いわゆる、公務員としての扱いとなります。
これに安心感を覚える人もいますが、その反面で、服務規定が厳しかったり、自治体への活動報告や、事業の進捗について、頻繁にヒアリングがなされることに煩わしさを感じることもあるでしょう。
④ 任期後(3年後)の生活を考えなくてはいけない
「地域おこし協力隊」の任期は1年単位で、最長3年です。
任期終了後には、自分で収入を得て暮らしていかなくてはいけません。
1〜3年という短い期間、「地域おこし協力隊」として活動をしながら任期後の生活についても計画を立てる必要があります。
しかし、これは決して容易なことではありません。
実際に、任期後に起業をできた人は、4割にも満たしていません。
そのなかで、継続できている人、成功している人となると、さらに率は下がります。
「地域おこし協力隊」として、地方移住を模索する場合は、デメリットもしっかりと把握したうえで検討することをおすすめします。
3⃣ TOPの画像
最後に私のおススメの移住地をご紹介します。
移住地選びの参考にしてくださいね。
茨城県つくば市
つくば市は「日本のシンクタンク」とも呼ばれています。
1960年代から筑波研究学園都市として開発が進み、現在は日本国内最大の学術都市となっています。
2005年に「つくばエクスプレス」が開業し、つくば駅から東京都の秋葉原駅まで最短45分で結ばれたことから、急激に開発が進みました。
国や大手企業の研究拠点が多く、たくさんの日本人研究者、外国人からの研究者や留学生、大学生が住んでいます。人口は約25万人で、1985年から人口が10万人増えました。
30年前、私は初めてつくば市を訪れた時、平日なのにたくさんの家族が公園で過ごしている姿を見て、感動したことを覚えています。
ちなみに、2023年には人口増加率が2.30%となり、市区部における人口増加率が全国1位になりました。
そのつくば市は「教育日本一のまち」をスローガンしており、子育て世代には魅力のある街ですね。
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