今後増えていくかもしれないスピンオフ上場について解説
どうもコージです!
私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。
そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントを説明しています。
今回はコシダカホールディングスから日本初のスピンオフ上場をした、株式会社カーブスホールディングスについて見ていく前に、知らない方も多いと思いますのでスピンオフ上場とは何だったのかについて説明してみようと思います。
スピンオフはアメリカなどでは行われることも多いので、今後増えていく可能性もありますから知っておいて損は無いかと思います。
それでは早速こちらの資料をご覧ください。
さて今回カーブスで行われたのは、株式分配型スピンオフというものだという事が分かりますね。
これは配当を利用して行うスピンオフで、コシダカHDが持っているカーブスの株式をコシダカホールディングスの株主に配当として渡すというものです。
上場企業株を持っていれば配当金をもらえる事があると思いますが、それと同じように子会社の株式を配当として渡すんですね。
そうするとコシダカホールディングスの持っている全てのカーブスの株式が、コシダカホールディングスの株主に渡されることになり持ち分はゼロになるため、カーブスはコシダカホールディングスから完全に独立した別の企業となるわけです。
このように独立した別企業となる事をスピンオフと呼ぶわけです。
ちなみに、株式分配型のスピンオフをしたからといって本質的には変化がありません。
例えばコシダカホールディングスの企業価値が100億円で、そのうちカーブスが50億円の価値があるりスピンオフしたとしましょう。
スピンオフ後には50億円の価値のコシダカホールディングスと50億円の価値のカーブスが残り、株主にはその持分に合わせて株式を得るだけなので変化はないという事です。
100億円の10%と50億円の10%を2つ持っているのは一緒ですよね。
では、本質的には変化がないとするとスピンオフをする理由はなにがあるのでしょうか?
その理由は大きく3つ考えられます。
まずは大まかに経営視点からと株価の視点からの2つメリットがあるという事です。
経営的な利点としては独立した企業となるため経営リソースを集中して投下出来るという事です。
複数の事業をやっていればリソースは分散しますが独立した企業として単一の事業を行う2社に分かれれば集中して事業に取り組めますよね。
あとは、株価的な利点で言うと先ほどの説明のように本質的な価値は変化しないのですが株価が上昇する事が多いという事です。
基本的には、シナジーの少ない事業を複数やっていると低く評価されてしまう事がありますので別会社にすると株価が上がりやすくなります。
例えば今回のカーブスの件であればもともとコシダカホールディングスは、フィットネス事業のカーブスの他にもカラオケのまねきねこの運営なども行っていました。
投資家からすると、カーブスはよさそうだけどカラオケはちょっと心配だと思っていれば、投資を躊躇いますし、逆もまた然りですよね。
ですが別会社になればカーブスはいいけどカラオケはちょっとと思っていた投資家はカーブスの方には投資します、そしてこれもまた逆も然りです。
そして3つめにメリットとはまた別の理由があります。
スピンオフ税制と呼ばれる税制改正によって、スピンオフ時の税金がかからなくなったことです。
今回のカーブスの件であれば、株式を配当として株主に渡したわけです。
投資した事のある方はご存知と思いますが、配当金をもらえば税金で約20%持っていかれますよね。
それと同じで株式を配当として渡しても本来は税金がかかります。
ですが、スピンオフの場合は先ほどの話で本質的にはなんの変化も起きないわけですから、一定の要件のもと税金をかからなく(猶予する)しようぜとなった訳です。
変化の速い時代ですから組織再編をしやすくしましょうという事ですね。
という事で大きくこの3つの理由でスピンオフを行ったと考えられます。
日本でも株主からの声が大きくなっており、経営効率を重視する流れとなっていますので、今後はスピンオフが増えてくるかもしれません。
という事で今回は今後増えるかもしれないスピンオフについて解説してみました、次回はカーブスの決算を見ていこうと思います!!
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