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大学で1000冊の本を読む50の方法(3)

前回の話はこちら。


サークルにも入らない、アルバイトもしない夏休みが始まった。

大学生の間に1000冊の本を読破するためには、
夏休みのような長期休暇中にどれだけ読めるかが鍵になる。

今日も古本屋に向かった。
とにかく読めそうな本は何でも読むつもりだ。

古本屋の入口には『ご自由にお使いください』と
書かれたカゴが積まれている。
このカゴを利用する日が来るとは思わなかった。

カゴを手に取り、気になる本を次々とカゴの中に放り込んでいった。

カゴに30冊くらい本を入れた所で、ふと我に返った。
「こんなに買ってもバッグに入りきらないのでは……?」

もうこれ以上、カゴに本は入りそうになかった。
ものすごく重い。カゴを持った手の色が変色しそうだ。
半分以上棚に戻して、残った選りすぐりの10冊を購入した。

  • 大学で1000冊の本を読む50の方法 その11:10冊以上の本を買う


ずっと家で本を読んでいると飽きてしまう。
本の内容に飽きるのではなく、
ずっと同じ場所で本を読むという行為に飽きるのだ。

大学の最寄り駅の近くに、最近オープンしたばかりの喫茶店があった。
某有名チェーン店のカフェより安価で、店内が明るい。
読書にはぴったりの空間だった。

喫茶店の中は挽きたての珈琲の香りで満たされていた。
これから読書に挑む俺を歓迎してくれているようだ。

珈琲の香りは小さな幸福だ。
それは眠くなるような心地よさとは違う。
静かな元気を貰うことができる。

周囲の客の話し声も、店内に流れるジャズのBGMも、
読書に集中するとすぐに気にならなくなった。

  • 大学で1000冊の本を読む50の方法 その12:喫茶手で本を読む


今日も古本屋に行って本を10冊以上買った。

「そんなに買って読み切れるのか?」と聞かれそうだが、
答えは「NO」だ。

読み切れるわけがない。
それでも買う。

古本ならそんなに出費も痛くない。
読んでみてつまらなかったり、
途中で飽きたら躊躇せず本を閉じて、次の本を読み始める。
そんな読み方をしているから、読みかけの本がどんどん増えていった。

そろそろ自分が何冊読んで、
どの本をどこまで読んだか把握できなくなってきたので、
アプリで読んだ本の進捗状況を記録することにした。

  • 大学で1000冊の本を読む50の方法 その13:読み切れなくても本を買う

  • 大学で1000冊の本を読む50の方法 その14:読んだ本の進捗を記録する


読書ペースは少しずつ上がっていった。
以前は1日1冊読むのが精一杯だったのが、
1日2冊、3冊と読めるようになっていった。

速読という読書法がある。
通常よりもずっと早いスピードでページをめくり、
効率的に大量の書物を消化する読書法である。

速読法の本を読んでみて、少しだけ実践してみた。
確かに速読を利用すれば1000冊あっという間に読み終わるだろう。

しかし、俺は速読をしないことにした。
俺の目的は今の自分を変えることだ。
1000冊読破はそのための手段でしかない。

俺は自分が嫌いだから本を読み始めた。
読書経験を自分の血肉にしなければいけない。

速読を利用してサッと本に目を通して終わりでは、
自分を変えるような読書経験にならないんじゃないかと思ったのだ。

  • 大学で1000冊の本を読む50の方法 その15:速読をしない


続きはこちら。

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