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トレーニングの最小単位

長距離ランナーにとって「トレーニング」と呼べる最小単位は何だと思いますか? 人間は生きている限りは日常生活も何らかのトレーニングをしていると言えなくはありませんが、意識して練習をしなければ走力が落ちていくことは想像に難くないでしょう。

また、ランナーであれば電車に間に合わせようと1kmぐらい走る機会というのもたまにあると思います。では、日常生活とトレーニングの境界はどこにあるのでしょうか。私は長距離ランナーにとってのトレーニングの定義とは「2km以上のJog」もしくは「Tペースより速く走った時」だと考えています。

経験的に1kmのジョギングはトレーニングという観点ではほとんど意味がありません。これをトレーニングだと位置づけてしまうと恐ろしい勢いで走力が低下します。何もやらないのとほぼ同じです。

ただ、これが2kmのジョギングであれば多少の効果はあります。もちろん、普段からしっかり練習を積んでいるランナーにとってはトレーニングと呼べる強度のものではありませんが、「まったく走らない」よりは明らかに効果があります。具体的には、走力の弱体化を多少なりとも食い止められます。例えば1週間走らなければ走力が低下するのは目に見えていますが、毎日2kmずつでも走っておけば弱体化はだいぶ抑えられます。私だけでなく、知り合いの元5000m14分台ランナーも試して同様の結論だったと言っていたので、概ね間違ってはいないと思います。恐らくですが、運動の持続時間の問題なのだと思います。

また、2km未満の距離であっても、スピードを上げれば話は別です。1kmの全力走なら普通に高強度トレーニングになりますし、Tペースぐらいでもそれなりの刺激は入ります。たった3~5分もあればできる練習なので、「どうしても時間がないけど練習はしておきたい」という人には結構お勧めです。もちろん、これだけで速くなれるわけではありませんが、忙しくてJogをする時間が取れないような日はこういった時短練で代用するのも悪くはありません。

私はこれらの特性を応用して時短トレーニングを組み立てており、練習の所要時間に合わせて距離やスピードを変えながら効果を引き出しています。トレーニングの「最低ライン」を知っておくと、練習の流れを維持していくための目安になりますし、何よりも「これしか走れなかったら意味がないから今日は休もう」などと安易に練習をサボる動機がなくなるので、長い目で見れば役立つことも多いと思います。

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