年齢に応じた練習強度
ずっと長距離ランナーとして走り続けていると実感することは、10代、20代、30代と年代が進むごとに回復力が落ち、練習が積めなくなることです。ただし、練習が積めないこととパフォーマンスの上限はまた別の話で、レベルにもよりますが、やり方次第では30代でも記録の向上は十分に狙えるように感じます。
難しいのは年代ごとに練習のやり方が大きく変わることです。若い頃は回復力が有り余っているので週に3回程度はポイント練を入れられますし、私の場合はJogばかりしていたら逆に走力が落ちてしまう感覚すらありました。実際に高強度練を避けてJogや距離走ばかりしていたら消えていった選手を何人も見ています。
ところが、30代になると逆に高強度練習ばかりしているランナーほど伸び悩んでいる傾向が見られます。それはきっと回復が追いついていないのに次の刺激を入れてしまうからです。きちんと超回復を待たないと能力は向上しませんし、そのサイクルは年齢を重ねるごとにどんどん長くなります。このため、30代は発想の転換が必要で、10代、20代の選手と練習で張り合おうとしないことが結果的に試合で高いパフォーマンスを実現するように思います。