アクアスラッシュ ～ 潔いアホだけど面白い映画

アマプラ特典で無料だったので観ました。（２０２４年１月現在）

表紙っていうか、ＤＶＤとかのパッケージ画像の通りです。ウォータースライダーにＸ字に刃物がついてて、そこにザバーンと滑り込んだら切れちゃうっていう、それだけの映画です。本当にそれしかないです。

ウォータースライダーに刃物仕込んであったら怖いだろうな。多分そういうアイデアが浮かんだから撮った映画なんでしょうが、それ以外なんにもないっていうのがすごいです。

ものすごい面白かったです。

高校の卒業パーティーを水上公園でやるってことで、調子に乗った若者たちが集まっているんです。この学校の伝統行事らしいです。で、調子に乗ったウェーイな若者たちがウォータースライダーで滑って、切れるっていう。

最初に飛び込んだ面積の小さい水着を来たギャルたち、見事にＸ字に切れる。ところが、うまいこと切れないで刃物に引っかかっちゃう者も出てくるんです。そこへ後続のウェーイな若者が突っ込んできて、押し出されて切れる。ここは笑いました。

ウォータースライダーの出口からは真っ赤な水がザバザバ出てきて、さらにバラバラ死体のパーツがゴロゴロと。

Ｘ字の刃物っていうアイデアも良いですし、ウォータースライダーだから刃物に気づいても１回入ったらもう戻れないっていう状況も良いです。

出口で惨劇を見た人が上へ上がって、大変なことになってるからもう滑るな！って止めに行くんです。

でも、下の状況を知らないウェーイな若者は、「しらけることを言うな」みたいな感じで忠告を無視してウェーイと滑り込んでいって、切れる。ここも最高です。

７０分くらいしかない作品なんですけど、５０分くらいから見始めると良いです。それまで別に押さえとかなくちゃいけない要素とかは特に出てきませんから。

５０分くらいからの最後の２０分で、人がスパスパ切れる。ここがとても面白くて、それだけの映画です。一応映画っていうフォーマットに沿った形にするだけために、最初の５０分を一応くっつけてあるってだけです。

その最初の５０分は何をやってるかっていうと、一応浮気だとか三角関係だとか人間関係のもつれみたいなことをやってたり、何かっていうとすぐにヤり始めちゃうカップルとか、どうでもいいシーンが続いてるだけです。

どうでもいい割に意外と複雑で理解しにくいんですけど、別に理解する必要ないです。Ｘ字にスパっと切れるだけの映画で、そこには関係してこない話を５０分やってるだけなんで。

映画冒頭では、３５年前にもこの施設での卒業パーティーで殺人事件があったというくだりがあるんですが、これも別に関係ないです。映画のつかみとして残虐シーンから入ってるっていう以外の意味はないです。

主人公っぽい若者の父親とのギクシャクした関係とか、水上公園の管理人夫婦がそれぞれ浮気してるとか、色々あるんですけど、別にそれもどうでもいいです。

そもそも、水上公園のスタッフのひとりのおじいちゃん以外の登場人物は、誰が高校生で誰が大人なのか見分けもつかないんで、よくわかんないです。そしてわかんなくても問題ないです。

一応、惨劇の後なんだかんだあって、主人公っぽい青年の父が水上公園を買い取っていて、死んじゃった父から青年が水上公園と莫大な財産を相続して、ヒロインっぽい女といっしょになって良かったね的な感じになるんですけど、別にその話要る？って感じでどうでもいいです。

そういうどうでもいい上にわかりにくい話に耐えるのが最初の５０分。さすがに耐えられないから退屈しのぎにエロシーンでお楽しみくださいって感じで進んで、最後の２０分は人が文字通り切れて切れて切れまくるっていう。

耐えて耐えてからのスパーッっていう痛快な２０分っていう構成です。耐える時間のややこしい話は、最後の２０分ですっきりするための時間です。

ついでに言うと、ラストの血に染まったプールからザーン！っていう音楽とともに少年がザバっと出てくるシーンは全く意味不明です。

無意味な５０分に耐えて、最後の２０分でスパスパ切れてパーツがゴロゴロっていうだけの映画で、これが超面白いっていうんだから、そういった意味でもよくわかりません。

そして観終わった後、見事に何も残らないすっきり感。多分、明日になったら全て忘れてるでしょうし、今後思い出すこともなさそうなので、一応こうしてテキストに書き残しておきました。