(映画感想)BORELO 永遠の旋律
これぞ「フランス映画」! こういう気持ちになりたくて、フランス映画を見るんだよ、という感じの映画です(褒めている)。
モーリス・ラヴェルの半生を、アンヌ・フォンテーヌ監督(女性です)が描く。
私は「ボレロ」という曲が(モーリス・ベジャールの振り付けも)大好きだったけど、ラヴェルのことを何も知らなかった。。。
そもそもベジャールのボレロの振り付けは、ダンスカンパニーafterimageの「ダブル・ビル」に出たときに教えてもらったのだ!(だからすごく思い入れのある曲と踊り)
「偉大な芸術家って大変だなあ…」という月並みな感想(小並感)を抱きつつも、大変な中でもいいこともあったんだなあと(少ないけれど心を許せる友がいたり、優しい家政婦さんが見守ってくれたりしていた)。
もちろんこの映画はドキュメンタリーではない。あくまで創作である。でもいい物語だったと思う。ラヴェルが見たらどう思うかわからないけど、少なくとも私はラヴェルについて「ボレロだけじゃない、複雑な人生を生きた人」ということが分かった。
フランス映画は、というか、映画は、「人は老いても別の価値がある」ことを改めて伝えてくれる気がしている。
当たり前だが、年を取っただけでその人の価値が少なくなるなどということはない。
ただ現実、特に日本で生きていると、「年取ったなあ、疲れたなあ、これからいいことあるのかなあ…」と思ってしまう(日本は未熟さや若さにとても価値を置いている国だと思うので、超高齢化は精神的にも余計にきつい)。
でも映画は、そして俳優は、年を取ったからこそできること、わかることがあると教えてくれる。
俳優がみんなとてもよかった。きっとこの監督は俳優の魅力を引き出す力があるのだろう。
最後のダンスシーンも圧巻なので、ぜひダンス好きな方にも見ていただきたいです。
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