米坂線は観光資源たりえるか?
只見線の赤字額、2023年度21億4500万円。
うーん。
一部バス代行中の米坂線の赤字額、2023年度13億6000万円。
うーん。
只見線の復旧費用、81億円だったそうです。
米坂線、復旧費用見込、86億円だそうです。
で、「廃止してバスがよいか、鉄道で残すべきか」という議論からはちょっと距離を置いて、「米坂線は観光資源たりえるか?」について、思うところがあります。
1993年1月、真冬。米坂線の、坂町発一番列車に乗りました。前夜、都心から「ムーンライト越後」という夜行快速に乗って坂町まで行きました。坂町は、曇りだったか晴れていたか忘れましたが、雪は降っていなかった。
米坂線に乗り換えたら暖房が効いていて気持ちよく、車窓は冬枯れの平凡な日本の風景、退屈な車窓だな、と思いながら揺られていたら眠ってしまいました。
はっ、と目が覚めたら、これでした。
「手ノ子駅」で降りてみました。蒸気機関車時代は、この近くに撮影名所があったそうです。今でもいい絵が撮れるのではないでしょうか。
ここでは当たり前なのかもしれませんが、踏切が「凍結しない仕様」になっているみたいでした。こんな踏切初めて見た。
次の列車に乗ります。
小国駅で降りてみました。未来感ある郵便局。
街並みもいい感じ。
小国駅近くのどこかで買ったのだと思います、朝食。
こんな景色が続きます。
単線なので、すれ違い待ちがあります。
「こんなに風情があるのだから米坂線を廃止するな」などと、安易に申し上げるつもりはありません。
復旧費用も赤字額も只見線と似た感じになりそうだなという感じがいたします。
しかも米坂線、ほぼ並行してバイパス道路延伸工事中。復旧費用相当額をこちらに投入した方がよいのではないか、という意見もあろうかと思います(予算の出所が違うので、直接的にはそれは出来ないですが、日本国全体の中でのお金の動きという意味では、誰かが負担して誰かが建設している訳ですから)。
高速バス+デマンド乗合タクシー、なんかの方が、維持費だけでなく、もしそこに住んでいたら「そちらの方が便利そうだな」と思うかもしれない。米坂線を維持する費用を、デマンド乗合タクシー利用料金の一部補助に充てるとか。
という訳で「交通機関」としては厳しかなと思わずに居られない(あくまで個人の感想です)、「観光資源」としては、只見線と同じくらいのポテンシャルはあるのではないかなと思います。
上記の写真は真冬の雪景色ですけれど、秋とかどうなんかな。夏の緑も良さそう。
只見線もそうですけれど、米坂線、多分4両編成くらいしか入れません。
あと、交換施設の関係で、ほいほいと臨時列車を増やすことも難しいかもしれない。今の只見線がそうであるように。
ならば、定期列車への増結「ただしドア扱いなし」で、観光列車を運転するとか。その観光列車、旅行会社に売ってもらう。
JR東日本は運転代行+車両を貸す。途中の駅の古民家を改築して民泊と組み合わせるとか出来ないかな?
観光立国とか、インバウンドがどうのという話になると、もう、東京、京都、箱根、大阪、広島、リピーターなら「もう行ったよね」では?
そして、日本の「田舎」が彼らによって再発見されつつあるという。
2024.05.10の記事
2020.1.14。
冬の只見線や米坂線がドル箱路線に。
只見線「沿線」も米坂線「沿線」も、「普通の日本という観光資源」として、伸びしろあると思うのですが、「観光資源としての活用」を「ゼロから立ち上げる」ことになるので、簡単ではないとは思います。
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