飯田線vs三遠南信自動車道 〜飯田線の危機〜
こんにちは。線路と鹿です。
長野県の高校生です。JR東海飯田線推しです。
最近、しばしばこんなニュースを耳にします。
「青崩峠トンネル 貫通」
長野県飯田市の南信濃から、静岡県浜松市の水窪町まで。
この間にある「青崩峠トンネル」が、ついに開通したのです。
これは長野県民の俺にとって、かなり身近なことです。
なぜなら、この道路が開通することで
長野県から浜松市・豊橋市方面へと格段に行きやすくなるから。
今から10年ほど前 静岡へ旅行へ行ったときに通った国道151号が、
ひどく曲がりくねっていたのが印象的でした。
それがついに「高速道路」という形で、長野県と静岡県をつなぐことになる。
これまで、静岡に行くためには、恵那山トンネル経由で大回りしていくか
その国道151号で行くしかありませんでした。
しかしこれにて、東海と長野県、そして北陸までつながる
「本州縦断」の道ができようとしているのです。
今回開通した青崩峠トンネルは、かつてから交通の難所とされており
「日本のトンネル技術は青崩には勝てなかった」とさえ言われてきました。
それが、開通したというのです。
しかし、こんなに素晴らしいことなのに、
俺は素直にこのことを喜べない。
なぜか。
それは冒頭にも書いた通り、俺が飯田線推しだからです。
今回開通した青崩峠トンネルは、飯田市と浜松市水窪町の間のトンネルです。
この青崩峠トンネルを含む
飯田市〜浜松市水窪町〜愛知県新城市〜浜松市引佐までの「三遠南信自動車道」は…
そう。その区間のほとんどが、飯田線と重複しているんです。
北から見ていきましょう。
長野県飯田市の飯田山本ICで中央道から分岐した三遠南信道は、
飯田線の千代駅付近で線路と立体交差します。
そのまま東方へしばらく進み、矢筈トンネルを過ぎると進路を南へ変えます。
飯田市の上村・南信濃を過ぎると、この青崩峠トンネル。
抜けた先は静岡県浜松市天竜区の水窪町です。ここで飯田線と重複し始めます。
水窪町〜佐久間町〜新城市鳳来町と、長い区間が線路とほぼ重複しているのです。
飯田線の駅で言えば、水窪〜中部天竜〜三河川合までの区間。
道路と鉄路と言えば、圧倒的に道路の方が利便性が高いと言われてしまいます。
増してや列車本数が多いとは言えない飯田線のことですから
乗客はごっそり持って行かれてしまうでしょう。
また、道路と重複しない天竜峡〜水窪の区間でも、
平岡地区の住民は自家用車で平岡〜南信濃、そして三遠南信道で移動してしまうでしょう。
こうなると、ただでさえ利用者の少ないこの区間、利用者はかなり限られそうです。
三遠南信道の建設は、飯田線に超大打撃を与えるのです。
並走する高規格道路が建設されるのは、
廃線へのカウントダウンといっても過言ではありません。
JR北海道の留萌本線、JR東日本の山田線、JR西日本の芸備線、…
並走する道路が新設された路線は、
どれも存廃議論が行われていたり、すでに廃止が決まっていたり。
明るい運命はありません。飯田線も、それらの路線に仲間入りしてしまうのです。
もちろん JR東海運営の飯田線ですから、他の路線と比べ「赤字への耐性」はあります。
また、利用者数は少ないながらも、それなりにはいるため
いますぐ存廃議論!なんていうふうにはならないとは思っています。
しかし、そうやって「とりあえず大丈夫でしょ〜」といって
適当にやり過ごしてきた各路線が昨今、廃止へと追いやられている。
当たり前のことですが、手遅れになってからでは遅いんです。
「まだなんとか成り立っている」
そんな状況でいられる今のうちに何か改善していかないといけない、と俺は思います。