「大学生への指導碁、両ガカリにコスミで頭を出す定石の解説、大会の案内」
こんにちは。
IGOcompany【U】です。
囲碁をビジネスに起業して「宇佐美囲碁教室」っていう教室を運営したり、武蔵小杉の「永代塾囲碁サロン」にて指導碁や交流会をしたり、世田谷や麹町、大学などで囲碁を教えて、ご飯を食べてます。
今年の4月からは「新百合囲碁学園」の学園長を任されました。
今日のnoteは、
先日、後輩と一緒に、東海大学へ囲碁の指導に行ってきたので、その時にでた「両ガカリにコスミで頭をだす定石」について軽く書いてみます。
高段者はツケで打つことも多いんですが、両ガカリされた時の簡明な定石なので是非ぜひ使ってみて下さい(3手で終わります)。
ちなみに、
在学中は全然意識しなかったんですけど、
大学の中の緑が綺麗で、こういう環境の中で学べたのは贅沢だったんだなぁと(今更)思ったりもしました。
前にやっていた大学の講座とは違って、こちらはたまたま知り合って、完全にボランティアなので、月に1回弱くらい、タイミングが合えばって形で指導に行っています。
仕事じゃないので、(夏だし)仕事終わりに上だけTシャツに着替えて、ちょっと気楽に向かいました。
大学生と囲碁を打つのってなんか新鮮で楽しいものです。
いつか正式に大学から依頼が来たりすれば、毎週1、2回とか、定期的に行きたいですね(笑。
囲碁将棋部自体は、新入部員も入っていて、ちょっとにぎやかになってました。秋の団体戦は、応援に行ってあげようかと思います。
さてさて、
それでは、今日のテーマ図、
この写真の左下の「両ガカリにコスミで頭をだす定石」。
それで、解説していきます。
【解説の総譜 1手目~40手目まで】
定先の碁。
僕が白番になります。
まずはこの碁を眺めて、どう感じますでしょうか?
実は、左下の折衝で黒の石がダブついてまして、
白は心配だった上辺の白40に手を戻すことができたので、
この段階で「もう、負けはないだろうな」っていう形勢に感じていました。
まだ40手目なのに、そうなの!?って思うかもしれませんが、置き石のない碁は石の働きが弱いと、すぐに形勢に差がついてしまいます。
では、
どの手が疑問手だったのでしょうか?
【左下隅、両ガカリにコスミで頭をだす定石】
左下隅、白1の両ガカリに対して、黒2とコスミで頭を出し、白は3と三々入り、
この形を見た事ある人も多いかと思います。
でも、意外と知らない人も多いと思うので、太字で書いておきますが、
定石は白3までいったん終了になります。
左下隅を軽く見て、Cなどへ向かうのがオススメ(AIでも有力な候補手でした)。この左下隅を手抜きで打てるかどうかがポイントです。
ついついオサエなどで、続けて打ってしまいたくなりますよね。
(※もし黒Aの位置に黒石があれば、黒Bにオサエを打ちたい)
しかし、それは「重い」進行だと言われています。
【黒が手を抜いた後の打ち方】
下の図で説明する手を、
黒は、すぐに打つワケではありませんが、
左下隅を軽く見た後は、黒4のカケが有力手。
黒6まで外側を厚く打ち進めます(何度も言いますが、すぐにこの形にするワケではありません)。
【よくある黒の悪手】
黒が悪くなった原因のひとつは、黒31のカケ。
実は、実戦の黒31は悪手と言われている手なのです。
白18の石が気になって、ついつい打ってしまいそうになりますが、この場合は良くありません。
もし、黒31とカケてしまうと、この後黒は何手もかけて白18の石を取りに行ったような形になってしまい、石の働きが重複してしまうのです。
黒31と打つとコリ形。。。
【打つなら黒1のケイマが形】
もし、下辺星の黒△の石などがあれば、黒1のケイマ(ないし一間トビ)が定石形ですが、
実戦は、黒△の石がないので、この進行も重くなってしまうでしょう。
それから、よくある間違いとして、白2のアテコミに対してカケツギを打つのも悪手。白4のハネに対して黒5のオサエを打つことが出来なくなってしまいます。
【何気ない定石からの変化ですが。。。】
つまりは、下の図の白28までで、黒は左下隅を引き上げ、どこか大場に向かえば、まだまだの碁と言えます。
実戦は何気ない黒31のカケを打ってしまい、部分的には損。
(実戦のこの形が損だと感じるのも難しいかもしれませんが…)
また、黒39の手も後悔の一手で、ここに手をかけてしまうのも(白18の石を取りたいという気持ちはわかりますが)明確に小さいのです。
一手パスとまではいきませんが、ここに手をかけてもらえたので、白は上辺の動き出しが心配だった白40にまわることができ満足でした。
置き石のない碁は、一手で形勢が動くのでシビアですが、こういう間違いを沢山重ねて、棋力を向上していけば問題ありません。
結論としては、
「両ガカリにコスミで頭をだす定石」は、周りに石がなければオサエを打たずに先手で大場にまわるのが好手となります。
是非ぜひ、囲碁の引き出しに入れておいて下さい。
他にも、
高段者指導碁や、
↑ 高段者との指導碁、左上隅で白の無理が通って得をして、右辺でもポン抜きができて、黒69まで進んでいる図です。ここで白から強烈な一撃が合って中押しとなったので、それがどこかわかりますでしょうか?
19路盤入りたての子の指導碁もしてきました。
9子局で、までどこに打っていいかわからないと言っていたので、
19路盤の着手の優先順位についても解説。
【19路盤の優先順位】
①自分の石の強弱(根拠や石の接近)
②相手の石の強弱
③どちらもなければ大場へ(隅→辺→中央)
「まだまだ強弱とかは理解しにくいと思うけど、囲碁は、まずは自分の弱い石はないか?って考えて、それがなければ相手の弱い石はないか?って考えて、どちらもなければ広いと思う場所に向かうんだよ~」と何回も言いましたね。
大学生なので陣地は理解できると思うので、あとは石の強弱があるんだって気づくと一気に伸びると思います。
ちなみに、途中で、三々定石がわからないって言っていたので、
「今、Amazonで三々定石とか、宇佐美太郎って検索すると、僕の書いた書籍が出るから、それに全部書いてるよ~」って伝えたりもしました(笑。
まあ、いつか読んでくれたらいいなと思います。
あとは、最後に大学生が無料で参加できる大会を紹介。
僕も去年は運営側で参加しました。今年は、「新百合囲碁学園」のSunday碁があるので手伝えるかわかりませんが、無料で参加出来て、賞品も豪華というウラヤマシイ大会なので、是非ぜひご参加下さい。
それでは、
今日のnoteはこのくらいで。
軽めの解説ですが、少しでも参考になれば嬉しいです。
また是非覗いてみて下さい。
本日も、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!