店主のための「事業計画書」作成のすすめ。
「事業計画書」は、
開業前に作成するものだ、と思っていませんか。
実際はそうなのですが、
今回は、すでにお店を持っている方にも
事業計画書を作って欲しい、という話です。
もちろん、これから開業する方も
ぜひ作って欲しいのですが。
お店を持っている方で、開業前に「事業計画書」を作った
という方は少ないかもしれません。
それは、公的機関から融資を受ける時以外は、
法的に必要ないからです。
また、親から後を継いだ方も多いかもしれません。
なぜ、私が計画書の作成をお奨めするのかというと、
自身のお店を見直して欲しいからです。
モノが売れないから、販売促進を考えたい。
人が来ないから、もっと効果的な宣伝をしたい。
そんな思いを抱いている方に、
もう一度、お店のコンセプトを
考え直してもらいたいのです。
●事業の概要(何のお店か)や
目的、目標は、ハッキリとしていますか?
●コンセプト(基本的な考え方)は
しっかりしていますか?
●ターゲットは明確になっていますか?
●商品戦略は?
●セールス戦略は?
●プロモーション戦略は?
これらのひとつひとつに答えることができるでしょうか。
失礼な言い方ですが、ほとんどの方が
答えることができないのではないでしょうか。
開業当初は、
しっかりとした考え方でやっていたかもしれませんが、
月日が経つにつれて、商品も変わり、客層も変わり、
自分の思っている方向へ向かっていない場合もあります。
たとえば、理容室。
何の疑問もなく、中高年男性がターゲットだと
考えているかもしれませんが、
本当にそれで合っているでしょうか。
現在、カットだけ理容室に行く女性が増えていることを
知っているでしょうか。
そんなターゲットを考えたことがあるでしょうか。
たとえば、スポーツ用品店。
スポーツをする人をターゲットにしていますが、
本当は、これからスポーツを始めたい
と考えている人の方が多いのではないでしょうか。
このように考えていくと、
お店づくりも販売促進も変わってくるはずです。
そこで再度、お店の総点検の意味でも、
計画書づくりをやってみてください。
では、事業計画書は、何のために作るのでしょうか。
まずは、自分の考えをまとめ、
事業としての可能性をより高めるためです。
あらゆることを考えたつもりでも、
必ず何かを見落としているものです。
これを具体的に紙に書き出してみると、
まだまだ考えなくてはならないことが
たくさんあることに気づきます。
すべてをメモ書きしているから大丈夫だという人でも、
それは単なる憶え書き、
アイデアの羅列にしか過ぎません。
それぞれのつながりがなく、
つじつまの合わないものになってきます。
これらを整理・整頓していくうちに、
抜けている細かなことにも気づき、
計画がより具体化していくのです。
そして、次にやるべきことが手に取るようにわかり、
確実な一歩を進んでいくことができるのです。
頭の中も整理され、
事業の輪郭がハッキリと見えてくるようになります。
すると、
事業の可能性もさらに高まってきたと言えるのです。
また、事業が成功するかどうかは、
計画の裏づけが取れているかどうかで
見極めることができます。
それは、計画書を作る段階で
次の5つのポイントが押さえられているかどうかです。
■事業の内容がどれだけ具体的に、
しかも明確に書かれているか。
夢ばかりを語っていて、
細かなことが書かれていない計画書が結構あります。
事業計画書は、
一人歩きしても良いものでなければいけません。
誰が見ても、細かなことがわかるものにしましょう。
■事業が、
社会の中でどれだけ重要な役割を持つものであるか、
ということを訴えることができているかどうか。
たとえ小さなお店であっても、社会に対して
価値を提供するものでなければなりません。
社会的に価値がなければ、
誰も振り向いてはくれません。
■同種の事業とどこがどう違うのか。
ここが売りだ!と言える特徴は何かを
明確にアピールできているかどうか。
商品やサービスだけではなく、
売り方や流通システム、アフターフォローなど、
他とは違う何かを持っていなければなりません。
■確実に収益を上げる見通しがあるのかどうか。
絶えず収益を上げられるシステムづくりを
しておくべきです。
投資ばかりを続けることはできません。
社会的価値があり、差別化の要素を持っているのなら、
収益を上げることはできます。
■計画の練り上げが必要です。
本当にできる、という確信が持てるまで、
練られていなければなりません。
第3者がこれを読むだけで、
実現できそうだと思えるレベルになっていることです。
これら5つのポイントをしっかりと押さえることが、
事業計画書を作る秘訣です。
事業の考え方や特徴、強み・弱み、技術・ノウハウなどを
論理的に書くことが重要です。
自分の考えをまとめるためにも、
より良い事業計画書を作り上げてください。
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