【マーケ基礎】店員の居場所。
暇なお店には、共通点があります。
繁盛しているお店とは、
明らかに見ためが違うのです。
それは、店主や店員が
“暇そう”にしている、ということです。
お客さまは来ないのだから、
それは当り前のように思われる方もいるでしょうが、
それは違います。
商店街や専門店街を歩いていると、
その違いがハッキリと見て取れます。
・店主がカウンターの中に座り、新聞を読んでいます。
・ポータブルテレビを見ています。
・店主から言われて
仕方なく店頭でボーッと立っている店員がいます。
・店員どうしでおしゃべりに夢中になっています。
こんなお店には、お客さまの姿はありません。
それは、当然のことなのです。
あなたがお客さまの立場だったら、
そんなお店に入りますか。
目的があって行く時以外は、入りませんよね。
つまり、通りがかりで入るには、
「入りづらい」お店なのです。
・暇そうにしている=流行っていない。
・暇な店主・店員=話しかけられるかも。
・じっとしている=じっと見られそう。
お客さまは、お店を見た一瞬で、
このように感じるのです。
では、店主・店員はどうすれば良いのでしょうか。
まずは、店員の居場所を作ることです。
これは、
店員だけが入ることができるカウンターなどです。
じゃあ、カウンターに座っていてもいいじゃないか、
と言われるかもしれませんが、
何をしているかが問題なのです。
新聞やテレビでは、“暇なお店”です。
仕事をしてください。
伝票の整理でも、DMの宛名書きでもかまいません。
とにかく動いていることです。
補足ですが、カウンターは、
できれば入口に向かっていない方が、
お客さまは安心します。
また、商品や棚などで見えにくくなっている場所の方が、
お客さまは自由に店内を回遊できます。
カウンターの無いお店では、
すべてがお客さまの空間だと考え、
お客さまの邪魔になるような場所にいてはいけません。
空いた空間で、商品の整理や陳列などの作業をします。
店員が作業をしていると、お客さまは店員を気にせず、
商品に近づくことができます。
また、お客さまが来たからと作業の手を止め、
すぐに応対する必要はありません。
もちろん、ご挨拶は必要ですが、
すぐに応対されると、お客さまは引いてしまいます。
『お店はお客さまの空間』であることを第一に考え、
お客さまの邪魔をせず、
自分の居場所・仕事を確保することが大切です。
やることはいくらでもあるはずです。
私がよく行くショッピングセンターでも、
暇なお店はたくさんあります。
人が入っているのをあまり見たことが無い、呉服店。
ここでは、いつも店頭に店員がボーッと立っています。
入りづらいお店の典型です。
その隣の宝飾店でも、店員がボーッと立っている上、
商品を見ようとすると、近づいて来て、話かけられます。
小さな鞄店は、お店が狭いのに、
店員が中央付近で入口に向かって立っています。
たった一軒だけ、
いつもお客さまがたくさん入っているお店があります。
靴屋さんです。
決してお洒落でもなく、
商品の陳列が美しいわけでもありません。
通路にもはみ出すように、靴がたくさん並んでいます。
商品の多さも強いアピールになっていますが、
店員が近づいて来ることも、話しかけることもないのが、
このお店の良いところです。
お客さまは、
好きなだけじっくりと商品を見て、選べるのです。
ショッピングの楽しさを味わえるのです。
店員は忙しそうに作業をしています。
陳列を手直ししたり、商品を補充したり。
店員の存在がまったく気になりません。
自由なお客さま空間を創り出しているのです。
暇だからといって、暇そうな顔をしていてはいけません。
そんな時こそ、「流行っているフリ」をしてみましょう。
暇そうに見えなければ良いのです。
そのためには、居場所の確保と作業をすることです。
それでもダメなら、ちょっとナナメから見た手法を
試してみても良いでしょう。
・あるラーメンチェーン店では、新規オープンの時には、
行列ができるようにバイトを雇っています。
・ディスコが流行っていた頃。
あるお店では、店内が空いているのに、
わざと入口にお客さまを待たせて
“人気を演出”していました。
このように「見せかけ」を試します。
もちろん、中身を充実させていなければ、
入って来たお客さまは逃げてしまいますが。
家族や友人に“さくら”を頼むのもアリです。
お客さまが入っていることがわかれば、
他の通りがかりのお客さまも入りやすくなります。
これは、卑怯な手でも何でもありません。
宣伝のひとつです。