お店は、地域の人びとのために。
「地域の人びとに対して、どのように貢献するのか。
社会の中で、どんな役割を果たせるのか」
これは、格好をつけているわけでも、
建て前を言っているわけでもありません。
お店を創る上での基本中の基本。
絶対に忘れてはならないことです。
“自らの利益を優先する商売”
“ひとりよがりの商売”をやっていては、
地域の人びとからの支持は得られません。
地域の生活者が望むモノ・サービスに
応えることができてこそ、
支持を得て、商売人として成功するのです。
お客さまに喜んでいただくことが、
自らの喜びとなるようにしなければなりません。
何度も言います。
これは、格好つけでも、建て前でもありません。
では、地域の人びとに支持されるためには、
どうすれば良いのでしょうか。
『どのようにお役立ちするのか』が、
重要なポイントです。
人間の欲求である「生活するための消費」と
「楽しむための消費」の中のどの分野でお役立ちするのか
を明確にする必要があります。
必要なモノを買うという
「生活するための消費」については、
品揃えや量で大型店には勝てません。
だとすると、
“+α”である「楽しむための消費」の分野で、
お役立ちすることが大切です。
それは、どういうものでしょうか。
●他にない商品
●他にない売り方
●他にないサービス
●他にない接客
●他にない雰囲気
●他にない店主の人間性
:
:
:
などです。
これらのうちのどれかひとつでも
徹底することができれば、
地域の人びとに認められ、その噂は広まり、
お店の存在価値が保証されます。
もちろん、項目のいくつかを一度に実践できれば、
申し分ないことですが。
さらに加えて、
■自然との調和
■環境との調和
を忘れるわけにはいきません。
自然との調和とは、
自然や風土、気象条件に対応した商業活動のことです。
と言うと難しくなりますが、
要するに、暑い日や寒い日、雨の日、雪の日などに、
お客さまはどのようなサービスを求めているか
を考えることです。
雨や雪に濡れて入って来たお客さまが喜ぶのは、
乾いたタオルや温風機かもしれません。
そんな細かな心配りを気づくかどうかが大切なのです。
環境との調和とは、
地域性・施設・街並みとのマッチングのことです。
これも簡単に言うと、
街や近所のお店・人にはそれなりのカラーがあるので、
それに合わせましょうということ。
あまりかけ離れた雰囲気では、
調和が取れず、浮いてしまいます。
目立てば良い、というものでもありません。
最後に、“地域の人びとのために”
で忘れてはならない心得を。
地域で生き抜くためには、
どのようにお客さまを固定化するかが問題です。
「他にない~」は当然のこととして、
モノ・サービスを売った後の
「フォローアップ」「アフターサービス」に
心を配ることを大切に考えなければいけません。
売ったらそれで終わり、ではありません。
売った時がスタートなのです。
初めてのお客さまには
顧客カードを作らせていただいたり、
売ったモノの不備はないかと電話をしたり、
時にはご機嫌伺いをしたりすることが、
いかに大切かを知ることです。
そんなことをされて、
イヤな思いをするお客さまはいません。
商売はお客さまとの恋愛です。
いつもその人のことを考え、声をかけ、
時にはラブレターを書き、
さまざまな手でアプローチするのです。
誠心誠意尽くせば、
必ずお客さまにお店を愛していただけます。
気をつけたいのは、ストーカーにならないことです。
このあたりの線引きが難しいのですが、
やってあげたからと見返りを期待しないことです。
無償の愛なのです。