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【マーケ基礎】納得できる価値。

人は、どのような心理状態になった時に、
商品の購入を決定するのでしょうか。

ずばり、結論から言うと、その商品を買うことによって、
何らかの利益・恩恵が得られそうだと「納得」した時に、
商品の購入を決定します。

「納得する」とは、どういうことでしょう。

わかりやすい例で言うと、ブランド品があります。

ブランド品は、
厳しい品質管理や優れたイメージづくりによって、
高い価格を維持しているからこそ、
お客さまは「納得」するのです。

“値段が高いから、選ばれた人しか買えない”
という価値を感じている人たちがたくさんいます。

ブランドという贅沢品を買うのは、
ステータスでさえあります。

“あのブランドを買えるようになったぞ”
という満足感が得られます。

達成感が味わえます。

だから、ブランド品のために、頑張るのです。

もし、価格を下げてしまうと、
価値を感じる「納得価格」ではないと考え、
その商品には手を出さなくなります。

ブランド品は、高いからこそ、売れるのです。

もっと身近な例をあげますと……

100円ショップの大手チェーン店では、
200円商品や500円商品を置くようになりました。

どういう戦略かはわかりませんが、
私は間違った手法ではないかと思います。

先日、キッチンタイマーを買おうと
見ていたのですが、200円でした。

私は躊躇して、買わなかったのです。

それは、私が「納得」できなかったからです。

200円くらいのものなので買えばいいのですが、
100円ショップなのに200円だからです。

100円ショップは、
“100円でこんなものまであるのか”
という驚きが『価値』だと思います。

そこに、「納得」するのです。

「納得」するからこそ、
不要なものまで買ってしまうのです。

キッチンタイマーは必要なものなのですが、
「納得」できないゆえに、買わなかったのです。

これが、ホームセンターや雑貨屋さんなら、
安いと思って、迷わず買います。

同じ200円でも、普通のお店なら安いと感じ、
100円ショップでは高いと感じます。

これが、人間の心理なのです。

もう1つの例を……

私は、散髪を家内にやってもらっています。
もう20年ほどになります。

それまでは、1500円くらいの、
いわゆる大衆理容というところへ行っていました。

あまり髪形などにこだわらないからです。

貧乏な頃(いまでもそうですが)、
節約のために家内に頼みました。

最初は小さなハゲができたりしましたが、
すぐに慣れ、上手になりました。

大衆理容と差がなくなったのです。

この時点で、大衆理容に行く価値がなくなりました。
お店と家が同じレベルになったからです。

1500円に「納得」しなくなったのです。

ところがある日、いつもお客が
たくさん入っている理髪店の前を通りました。

どうして、こんな不景気な時に、
4000円もするお店が
流行っているのかと考えました。

見ためは、ごく普通のお店です。

長らく、こういった理髪店に行っていなかったので、
試しに入ってみました。

4000円に「納得」しました。
大衆とは違います。

髪を切る技術。髭を剃る技術。髪を洗う技術。

マッサージまでしてくれます。

私は、あまりの気持ち良さに、
ウトウトしてしまいました。

流行っているのが、よくわかりました。

これなら、4000円の価値があります。

同じように散髪するだけでも、
私にとって1500円は価値がなく、
4000円は「納得」する価値があるのです。

たまにでもいいから、行きたいと思います。

価格の高い安いが問題なのではなく、
「納得」できる価値があるかどうかです。

1万円のスーツだって、30万円のスーツだって、
そこにお客さまが「納得」する価値があれば、
売れるのです。

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佐藤きよあき
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