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【マーケ基礎】ライバルは、競合店だけじゃない。
“あのお店がセールをやったから、うちもやらなくちゃ”
“あそこが20%割引なら、うちは30%に”
などと、競合店は気になるものですよね。
それは、当然のことです。
厳しい状況を生き残るには、
他店より優位に立たなくてはいけませんから。
でも、そんな狭い視野でいると、
潰し合い、共倒れとなってしまいます。
競争に勝つことが、商売の本質ではありません。
もちろん、他店との差別化は必要ですが。
競合店ばかりを気にしていると、
競争することに注力してしまい、
“お客さまを満足させる”という
本来の目的を忘れてしまいます。
お客さまを満足させているお店は、
競合店など気にしていません。
見ているのは、“お客さまだけ”です。
何を売れば、お客さまは欲しがるのか。
どうすれば、買っていただけるのか。
何をすれば、満足していただけるのか。
そのことに、一生懸命です。
言ってみれば、ライバルはお客さまなのです。
お客さまとの満足競争です。
では、お客さまとの満足競争に勝つためには、
どうすれば良いのでしょう。
『お客さまを知ることです』
と、言ってしまうのは簡単ですが、
何をすれば良いのかがわかりません。
難しく言えば、社会学、文化人類学。
人を見ることです。
お客さまの志向、ライフスタイル、
金銭感覚などを知ることが、
“満足”のための第一歩なのです。
お客さまの暮らしぶりを見ていると、
あなたの扱う商品の位置づけを探すヒントになります。
お客さまにとって、商品はどんな存在なのか、
ということです。
なくてはならないものなのか。
どうでもいいものなのか。
いらないものなのか。
大切なものだと思っていただけるような
売り方をしなければ、
お客さまの暮らしに入り込むことはできません。
つまり、「提案」です。
この商品は、こんなことに使えますよ。
こんな時間を約束します。
なければ困るでしょ。
こんな言葉を聞いたお客さまが、
納得して、受け入れてくれれば、
お客さまの暮らしに入り込むことができます。
でも、お客さまの暮らしの中にも、
商品のライバルはたくさんいます。
ちょっとややこしい話ですので、具体例を書きましょう。
サッカーのワールドカップが、
日韓共催で行われた時のことです。
飲食店が暇になったという話をご存知ですか。
宅配ピザ屋さんやコンビニは繁盛したのですが……。
どういうことかと言うと、
サッカーをテレビで見るために、
みんなが、飲みに行くことも、食べに行くこともせず、
宅配ピザを頼んだり、コンビニですぐに食べられるものを
買って帰ったりしたからです。
つまり、
飲食店のライバルがサッカーになっていたのです。
サッカーを観るという、お客さまのライフスタイルに
入り込むことができなかったのです。
ワールドカップの間は仕方ないか、
と諦めたお店も多くありました。
でも、大型ビジョンを置いているスポーツバーや
急遽テレビを持ち込んだ飲食店は、
お客さまでいっぱいだったのです。
テレビを持ち込んだお店は、わかっていたのです。
サッカーのために、客足が鈍ることを。
いかがですか?
このように、お客さまのことを絶えず知ろうと
努力しているお店は、先手を打つことができるのです。
他にもライバルはたくさんいます。
「スマホ」
若い人たちは、通信代のために、
他のことを節約するようになりました。
「テレビゲーム」
子どもが外へ行かなくなり、外で遊ぶ道具が売れません。
「インターネット」
何でもネットで買えるので、
お店に足を運ばなくなりました。
「スポーツクラブ」
健康を気にする中高年が、
仕事帰りの居酒屋を、運動することに変えました。
ライバルは競合店だけではない、
ということが、おわかりいただけたと思います。
ここからは、
あなた自身で考えてもらわなければなりません。
扱う商品のライバルは、何なのかを。
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