見出し画像

接客は、商品以上に意味を持つ。PART2

誰もが経験のあることです。

商品を見たり、選んでいると、
“何かお探しですか”“こちらの商品は○○ですよ”
“たいへんよく売れています”と声をかけられます。

さて、これらの言葉をかけられて、
あなたはどう思ったでしょう。

言葉そのものは、
セールストークとしては何の問題もありません。

しかし、タイミングがズレていると、
最悪の接客となることを憶えておいてください。

●まだ商品を見始めたところなのに、
 “何かお探しですか”と言われたら?

 「ゆっくり見させてちょうだい!」
 と思ってしまいますよね。

●見てもいない商品を手に持って、
 “こちらの商品は○○ですよ”と言われたら?

 「そんなの興味ないわよ!」となります。

●ちょっと手に持っただけで、
 “たいへんよく売れている商品です”と言われたら?

 「そんなに売り込まないでよ!」
 と腹が立ってきます。

このように、声をかけるタイミングを間違えると、
お客さまは怒って帰ってしまいます。

これらの言葉を遣うタイミングとしては……

■お客さまが陳列台や棚の前で立ち止まり、
 いろんな商品をしばらく眺めている時に、
 「何かお探しでしょうか?」と声をかけます。

 するとお客さまは
 「○○みたいなものを探しているんだけど」と
 コミュニケーションが始まります。

■1つの商品を時間をかけて見ている場合に、
 「こちらの商品は○○ですよ」と特長をお話すると、
 お客さまは
 「へぇ~、そうなのか。なかなかいいじゃない」
 と好意的になります。

■2~3の商品を比べているお客さまに、
 「こちらの商品はたいへんよく売れています」
 と1つの商品を差し示すと、
 「じゃあ、安心だわね」と、
 購入の決定意志を持っていただけます。

お客さまに声をかけるタイミングは、
とても難しいものです。

ダメなお店の接客には、2通りあります。

●お客さまの後を付け回し、あれこれ話しかけて、
 やたらとモノを奨める。

●お店に入った時にも挨拶がなく、
 まったく声もかけない。

前者は、「付きまとわれて、うっとうしい」
とお客さまに思われ、もっとも嫌われるお店です。

後者は、「お客を無視している」と思われるお店です。

付きまとってもいけないし、
逆にまったく声をかけないのも、
お客さまにとっては「よくないお店」なのです。

お客さまの様子をさりげなく観察しながら、
声をかけるタイミングを図ることが大切です。

お客さまの気持ちになりましょう。

あなたがお買い物をしている時に感じることを、
どうお店としてサポートするかなのです。

じっくり商品を選びたい時は、
そっとしておいて欲しいものです。

これを買おうと決めかけている時は、
近くにいて欲しいし、声をかけてくれると、
こちらから店員を呼ぶ手間が省けるのです。

商品について質問したい時も、
声をかけやすい場所にいてくれると、
気を遣わなくてすみます。

いつでも聞ける。
いつでも呼べる。
タイミングよく声をかけてくれる。

これが、お客さまにとって
“接客がいいなぁ”と思えるお店の姿です。

最近、考えていること。というか、
何年も前から感じていることがあります。

家電量販店へ行って、
欲しいモノを見ている時のことです。

商品について聞きたいことがあり、
店員さんを呼ぼうと思うのですが、近くにいません。

忙しそうにしながら小走りしている店員さんが多く、
声をかけづらいのです。

店員の数が少ないようには見えません。

声をかけられるのを避けているかのようにも見えます。

声をかけても
「ちょっと、待ってください」と返ってきます。

「ただいま、参ります」が本当の接客だろうが、
と腹が立ちます。

少なくとも「少々お待ちください」というべきです。

あまりにもレベルが低い接客です。

やっと来たと思ったら、「ハイ、何でしょうか?」。

「お待たせして、申し訳ありません」
という言葉がないのです。

会社は、基本的な言葉遣いも
接客マナーも教えていないのでしょうか。

ひとつのお店に限ったことではありません。

大手家電量販店チェーンのいくつかで
同じようなことを経験しました。

家電だけがこうだというわけではないのですが、
特に気になります。

接客の悪さはこれだけではありません。

商品について質問をすると、
わからないことが多いのです。

どうしてお店の人が、
商品のことを知らないのでしょうか。

商品知識は接客の基本中の基本です。

なぜ勉強していないのでしょうか。
なぜ勉強させていないのでしょうか。

それだけではありません。

『腹立ちの上塗り』とでも言えばいいのでしょうか。

「ちょっと、わかりませんが……」
と平気な顔で言うのです。

他の人に聞きに行こうともしません。

ハズかしいとは思わないのでしょうか。

思わないのでしょうね。

もし、市場のお惣菜屋さんで、
「これはどんな味つけですか?」と聞いて、
「ちょっと、わかりませんが……」と言ったら、
どうなるのでしょうか。

それほど、バカげた話なのです。
でも、現実なのです。

こんなことで、
お客さまは商品を買う気になるでしょうか。

同じような商品ばかりを扱う競合店は、
接客で勝負が決まると言っても過言ではありません。

大きめ(あくまで“め”)の声で挨拶して、
笑顔を絶やさず、タイミングよく声をかけるお店。

この接客の基本を忘れずにいれば、
お客さまも笑顔でお買い物をしてくれます。

いいなと思ったら応援しよう!

佐藤きよあき
よろしければサポートをお願いします!頂いたサポートは、取材活動に使わせていただきます。