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カフェの客はカフェの客を演じてる①

カフェってどんな場所なんだろう。
店をやっていて、そんなことが頭をよぎったことがある。

美味しいコーヒーを飲みにきてる人、おしゃれな写真を撮ることを楽しんでる人、店員さんに会いに来ている人、パソコンを開いてる人
さまざまなシーンでカフェを利用している。

僕には本来の自分と違った姿を演じているように見える。
本当は胡坐をかいて椅子に座りたい、納得のいくまで写真を撮っていたい、大声で喋りたい、家で着てたジャージのままで過ごしたい。
しかし、おしゃれでこだわりのカフェでは上記のような振る舞いをするのはなかなか難しいと感じる人が多いのではないだろうか。
それは、今からあなたが行こうとしているカフェがそういう舞台ではないからだ。

 千駄木 ignis

カフェは舞台
結婚式には主役がいて、主役の二人を祝福しにする役を演じるだろう。
音楽のライブにはしっとりと演奏を聴きいったり、アーティストの掛け声で叫んだり、生の演奏を感じたりと、ライブ会場全体をみんなで演じにいくだろう。
舞台にはそのシーンに適した役者が揃っていて、そのシーンに相応しい姿をそれぞれが演じているからだ。
これと同じことがカフェにも適用されている。
「カフェ(舞台)に用意された、コーヒー(演奏)をお客さん(役者)が楽しむ」を演じるように作られた空間なのである。

オーナーは監督
多くの人はカフェを作るときにはどんな風にお店を楽しんでもらいたいかを考えて、それを軸に店づくりをしていくだろう。
もちろん、ignisを作るときもそうした。
・来てくれたお客さんに、今まで飲んだことないようなコーヒーを体験を提案していきたい。
・スマートなお客さんで溢れかえる店にする
・下町ならではの地域の人のコミュニケーション
とても嬉しいことにignisは僕の思い描いたストーリーの通り、スマートなお客さんばかりです。
自然にスマートを演じる舞台を用意することができたのかなと思います。

カフェにはそれぞれベストな楽しみ方がある。
前文で述べたとおり、「カフェにはこんな風にお客さんを楽しませたい」という熱い思いが詰まっている。
それは作った本人に直接聞くのがベストだが
空間演出や店員さんの雰囲気、来店してるお客さんの過ごし方を見ればなんとなく感じることができる。
ライブや結婚式の例えと同じで、お客さんがお店に感じた、適切だと感じる振る舞いをしているはずだ。
もしも、オーナーさんの意向と客層のイメージがずれているのであれば、お客さんではなく、店側が変わらなければならない。

更にお客さんの行動心理を紐解いてみよう
カフェのお客さんのイメージで頭に浮かぶことをいくつか例にあげてみたいと思う
①コーヒーを飲むことを楽しんでる人
②座って作業をしてる人
③SNS等の投稿をする人
④知人との会話を楽しんでる人
他にもいろんな使い方があるが、ひとまずこの4種類について考察する

①コーヒーを飲むことを楽しんでる人
カフェが好きで、味、空間、接客など、それぞれの店のこだわりを感じながら空間も含めて楽しんでいるのではないだろうか。
気に入ってくれれば通ってもらえる可能性が高く、店の大小の規模に関わらず特に鍵になるお客さん。

②座って作業をしてる人
パソコンで仕事をしたり、本を読んだりと、自分個人の時間をカフェに求めてその店に入ったのではないだろうか。
つまり、作業をする事において非常に使い勝手が良いお店であると予測できる。
静かで、他人との距離があって他のことが気にならないお店であればとても快適に過ごせるだろう。
逆に小さい個人店では混んできたり他の人の会話や店員の目が気になって過ごしづらいかもしれない。

③SNS等を投稿してる人
商品も買ってもらった上に、お店をいろんな人に宣伝してくれて、非常にありがたい存在。今の時代は特にこの人達無しではなかなか難しいのではないだろうか。
この人たちもいろんな用途でSNSを使っている。
行ったお店を応援する為、思い出作り、日々の生活を充実させる実感する為、仕事でSNSを運用している、素敵な写真を撮ることが趣味。
それぞれが幸福に感じるポイントが違うと推測される。
写真を撮りたくなる物がたくさんある店を選ぶだろう。

④知人との会話を楽しんでいる
複数名での来店にで、カフェとしては大きな売上となる。
久しぶりに会って話したいことがたくさんある、商談で次の仕事が決まるかもしれない。
席に余裕があってゆっくりできる店は快適に過ごせるから、条件に合った店を選ぶだろう。

このように、お客さんは自分にとって演じたい役を演じれる舞台を選んで、
お店に合った自分の役を演じている。
お店とは自然とその役を演じるように設定されていて、そういうお客さんが行きたくなるようにできているのだ。

もしも、あなたが行った店があなたにとって快適な役を演じらづらい空間だった場合は、カフェを作った人がどんな思いでこの空間を作ったのかを感じてみて、その役を演じてみてほしい。
そのカフェを満喫する為のいつもと違った体験があなたを待っているからだ。

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