会いたい相手と、より親交が深い人にお願いする
誰かに言ってもらうべきか、自分で直接頼むべきか
下のイラストを見ながら確認してください。
会ったことのないCさんに頼みごとがあるとき。自分(A)から直接頼むより、Cさんとすでに親交のあるBさんから頼んでもらったほうが、話はスムーズに進むのではないかーー。
そう考える人もいるかもしれません。確かに、信頼性の高い人に頼んでもらったほうが伝わりやすい、というのはコミュニケーション法として一理あるでしょう。
しかし、こうした回りくどい方法は、ビジネスではオススメできない場合もあります。基本的にお願い事は誰かに言ってもらうのではなく、本人から直接頼むのがスジ。頼みたい本人が直接話したほうが、依頼内容だけでなく、熱意や誠意がストレートに伝わります。
人を介せば、仲介者の主観も入ってくるため、話もシンプルではなくなります。ニュアンスが違って伝わることも多々あります。それに、頼んだ側も「あの人、連絡してくれたかな?」「どうなったかな?」と、余計気をもむことになるのです。
依頼者は、”自分が動く”のが基本
ではどうすればいいか、考えてみましょう。
まず、依頼者Aは、「Cさんに〇○を依頼したいと思う。何か注意すべきことはある?」、とBさんに意見を聞くことはできます。
Bさんから、「問題ない」と言われればいいのですが、「その依頼は難しい」と言われたら、あなたは頼む前に問題点を改善するなどして、対応することができます。
決して、自分からBさんに
「私の代わりにお願いしてくれない?」などと頼まないように。
それは単なる丸投げ。Bさんに負担をかけることになります。
そして、Cさんの連絡先を教えてもらったら、自分でCさんにアポイントをとる。依頼するほうから、相手の予定に合わせて出向くのがスジです。
人を紹介してもらうときは、目的と状況を具体的に
先ほどの例は、最初からCさんに頼むことが決まっていましたが、Bさんに人の紹介を依頼する場合は次のようになります。
「こういう仕事ができる人を探しているのですが、知り合いにいい人がいたら紹介していただけませんか?」
こんなときは、どういうことができる人を教えてほしいのか、情報をできる限り具体的に伝えることがポイントとなります。
自分は何に困っているのか、どうしたいのか、どんな人がいてくれると助かるのかなど。より具体的な内容がわかったほうが、紹介者もイメージしやすく、適切な人材を選びやすいからです。
紹介は、自分の信用にかかわる重大事項
もちろん、頼む内容は、受ける相手にとって利点があることでなければいけません。相手を利用するだけの頼みごとなら、依頼者は、Cさんだけでなく、仲介者のBさんからも信用されなくなるでしょう。
そして、紹介者のBさんは、「なぜそんな話を私にふったのだ」、とCさんに非難されることになります。
”人の紹介は信用に関わる”ということがおわかりいただけたでしょうか。自分が仲介者の立場になったら、紹介はよく考えてからにしましょう。
依頼者から詳細を聞いて、どちらかに対して失礼な話だと思ったら、
「あいにく、思いあたる人を知りません。力になれなくて残念です」とお断りすればよいのです。
忘れていませんか?仲介者への結果報告
もし、第三者に仲介をしてもらったり、相談に乗ってもらった場合は、その後の結果を報告するとともに、お礼をのべることを絶対に忘れずに!
お世話になった人にお礼を言うのは、人としての礼儀です。結果の報告とお礼--これがとても大切なのに、できていない人が多いのです。
たとえば、ある人が主催する会で、ゲスト同士知り合いになり、それが縁で仕事の取引をすることになった場合でも。
誰かに紹介を頼んだわけではありませんが、知り合うきっかけを作ってくれたのはその主催者ですから、
「おかげさまで○○さんとこんな仕事をすることになりました」
と主催者に対して報告とお礼をすべきなのです。
きっかけを作ったその人も、自分の知らないところでいつの間にか人間関係が成立していたのでは、おもしろくないでしょう。
内容の大小に関わらず、どんな些細なことでも、相手に礼を尽くすことを忘れないようにしましょう。
自分にとってプラスでない紹介は、受けない
「あなたに会いたいという人がいるんだけど、一度会ってみない?」
そのような誘いを受けたとき、あなたならどうしますか?
その見知らぬ人と会うことで、仕事にプラスになるとか、その人に興味があるなら話は別ですが、会う必要性を感じないときは、
「忙しいので会っている時間がない」などと言ってそれらしく断るしかありません。
相手によっては、「私はその人と会うことで、どんな利点があるんですか?」と聞いてみるのもいいでしょう。
会って何時間も話したあとで、「なんてムダな時間を過ごしてしまったのだろう…」と後悔するくらいなら、会う前にお断りする方がよいのです。
頼み方・断り方のポイント
・Aの頼みを、Bが仲介者となりCに伝える場合、Aの信用度はBに委ねられることになります。また、信用できない人物を紹介すれば、Bの信用も落ちます。人に仲介を頼むのはリスクがあると心して。
・「Bさんよりご紹介を受けました、Aと申します」、と紹介者を明らかにしておくことが重要です。
・人以外に店や場所、物の紹介を頼むときも、目的を具体的に伝えましょう。
⏬プロフィール 井垣利英(いがきとしえ)☆マナー嫌いだった私が、マナー講師になるまで
⏬人材教育家、マナー講師。井垣利英(いがきとしえ)【私の仕事】プロとして大切なこと
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