ウィズコロナのオンライン葬儀【新しいマナー】参列の仕方
人材教育家でマナー講師の井垣利英です。2020年6月、オーストラリアにいる30年以上、家族ぐるみで仲良くしているイタリア人のご主人・Pさんが、91歳の老衰で他界しました。
J夫人から訃報がすぐにメールで届きましたが、コロナ禍でオーストラリアへ飛ぶこともできず・・・私たち一家は、ウィズコロナならではのライブ配信で『オンライン葬儀』に参列したのです。今回は、オンライン葬儀に参列する方法【新しいマナー】についてご紹介します。
◆日本でもオンライン葬儀は始まっている
そもそも、海外の葬儀に参列すること自体、とても珍しいことだと思います。ましてや、オンライン葬儀なんて、コロナがなかったら成り立っていないかも。まさに、『新しい日常』でしょう。
実際に、香典のオンライン決済、弔電、供花のオンライン受付、葬儀の中継など、すでに日本でもオンライン葬儀のサービスは始まっているのです。高齢者が増えている上に、コロナの『3密』をさけるために。
今は、『3密』をさけるために、多くの人が集まる葬儀が出来なかったり、お盆や法事などの仏事で集まれないことも増えています。でも今、この時も人生の貴重な時間です。ご縁のある人たちと過ごす時間も、大切にしたいものです。後悔しないために、会える時に会っておいた方が良い。
◆世界とネットでつながれる時代
コロナ禍で、生で会って話したり、みんなで集まれないとしても、つながる方法は色々あるのです。電話、メール、Zoomなどのテレビ電話・・・オーストラリアのP&J夫妻とは、数年に一度、生で会うだけでしたが、メールでず~っと連絡をやり取りして、30年以上、ご縁を深めてきたのです。
昨年2019年の秋、母と妹がオーストラリアにPさんご夫妻と会いに行ったのが最後となりました(上の写真)。J夫人と妹は、よくメールのやり取りをしていますが、生で会うのは、やはり大切です。
今年(2020年)も会いに行くと言っていましたが、20年始めから、コロナが世界に広がって会えないまま、悲しい知らせが入りました。
◆コロナ禍で、オンライン葬儀を決めた理由
亡くなったPさんは、イタリアから移住したオーストラリアで起業し、大会社の創業者です。リタイアはされていましたが、本来は大きな葬儀をする立場の方です。でも、コロナがあったために、参列者を20名ほどに限って葬儀を行いました。
Pさんのご兄弟はイタリア在住、娘さんはアメリカ在住など、オーストラリア以外に住んでいます。(Pさんの数年前の誕生日会で集まったご親族)
コロナ禍で、悲しいことに海外から移動が出来ない。世界各地にいるご親族および、私たちのような外国の友人たちも参列できるように、J夫人がライブ配信でオンライン葬儀をすることに決めたのです。
◆お供えを用意する
Pさんのご霊前にお供えのために、生前、お好きだった『ヨックモックのシガール』と『播磨焼き』を買ってきました。お悔み用のかけ紙もつけてもらい、段ボールに箱詰めし、郵便局へ持って行ったのです。
でもコロナのため、海外への小包を発送することが出来ませんでした。J夫人へ、お供えを発送できていないおわびをメールしました。これも、ちょこっとマナーです。7月現在、まだ発送できていません。
◆ライブ配信でのオンライン葬儀の内容。葬儀のマナー、日本との違い
指定された通りの日時で、オンライン葬儀がライブで始まりました。牧師さんが司会進行をし、Pさんの経歴や思い出話など話されます。よく考えたら、日本以外で葬儀に参列したことがないため、日本との違いに驚くことがありました。たとえば・・・
牧師さんの話の後、親族のあいさつがあります。服装は、黒一色の喪服でなく、あいさつをしている人のように、柄物の服でも良いようです。また、右の前の方の席に、赤紫の服の人もいます。喪服が黒でなく、色物でも良いんですね。ところ変われば、マナーも違います。勉強になりました。
◆親族のビデオレター、振り返り写真スライドの上映
オーストラリア以外に住んでいるご兄弟やお子さんたちのメッセージを録画した、ビデオレターが上映されました。コロナで飛行機が飛ばないため、この葬儀に来られない悲しさ、思い出のエピソードを話されていました。
J夫人が選んだPさんの人生を振り返る写真の数々も、スライドショーとして紹介されました。
その中にあった一枚が、こちら。P&J夫妻と我が家が出逢ったきっかけの写真です。当時、この川をはさんで我が家の別荘(写真右)があり、そのご縁で仲良くなって30年以上が経ちました。
当時のPさんのお家で開かれた誕生日会で、Pさんと亡き父の写真。いつも笑顔でパワフル、豪快だったお姿を思い出され、涙があふれました。
◆オンラインでも思いは伝わる
葬儀の最後は、ひつぎを参列者が運んで終わります。1時間ほどの葬儀でした。コロナのためにオンラインでの参列でしたが、名古屋の母や妹も、涙が止まらなかったと言っていました。オンラインでも、葬儀の雰囲気は感じるものです。
オンラインで参列が出来て、Pさんとお別れが出来て、本当に良かったと思います。
◆姿は映らなくても、白黒の服を着て参列
ウィズコロナで、オンライン葬儀に人生で初めて参列しました。オンラインのライブ配信で、画面のこちらの姿は映りません。でも私は、白と黒の服を着て、ライブを見ていました。これもちょこっとマナーだと思います。
例え映っていなくても、亡くなったPさんへのお悔みの気持ちを、黒い服装で表す。これは、自分自身の気持ちの問題でもあります。画面に映らないからと言って、私は普段来ているピンクやTシャツなどラフな服装はできませんでした。
マナーは、形を暗記することでなく、相手への「思いやり」が大切です。相手を思いやることで、好感を持たれるようになり、人間関係が良くなっていき、人生が豊かになります。ちょこっとマナーを、意識してみてくださいね。
⏬プロフィール 井垣利英(いがきとしえ)☆マナー嫌いだった私が、マナー講師になるまで
⏬人材教育家、マナー講師【私の仕事】プロとして大切なこと
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