七月場所【大相撲観戦マナー】コロナのビフォー&アフター
人材教育家でマナー講師の井垣利英です。現在、『大相撲九月場所』が開催中です。大相撲は毎年、奇数月に開催されます。先場所『七月場所』が、例年の名古屋でなく東京で開催され、両国国技館へ観戦に行ってきました。
20年9月4日のnoteで、会場に入るまでのコロナ対策について書きました。その続編でもある今回は、国技館内での大相撲観戦の様子を、コロナ前と後の比較で紹介します。
この記事を読んで、新しい日常、ニューノーマルの大相撲観戦の現状を知って、会場やテレビで楽しんで頂けたら嬉しいです。来年には、このレアな光景が、笑い話になっていて欲しい願いを込めて。
◆大声の声援は禁止! 大変な観戦マナー(笑)
ウィズコロナの【観戦マナー】は、日本相撲協会HPでも書かれているし、会場でもこんなポスターが貼ってあったり、案内が配布されます。一部を抜粋して紹介します。
〇大声での声援は禁止となります。応援は拍手で行ってください。
〇常時マスクを着用ください。
〇飛沫感染防止のため、客席内で声を出しての応援はお控えいただくとともに、会場内各所においてもできるだけ会話はお控えくださいますよう、ご協力をお願いします。
だから、私の応援力士の炎鵬関(えんほう)が、相手力士の足を取るこんな技を見せても「わ~~~~」とか「がんばれ~~」「えんほ~~~」など大声で叫べません(笑)
良い相撲をすればするほど、声援をガマンするのが大変でした(笑)これも今だけのレアな体験です。
◆声援でなく、拍手と応援グッズで!
今は、大声で応援ができないため、拍手と応援グッズで応援している気持ちを伝えるしかありません。こんな感じで、力士の名前が入ったタオルが、どれだけ上がってるかが、人気のバロメーターにもなっています。
以前(2019年11月)の場所は、こんな感じです。ソーシャルディスタンスの有無は、見栄えにこんなに差があるんですね~。でも、力士を応援する気持ちは、コロナ前も後も変化なし!
◆座席での飲食は素早くマスクが、マナー
大相撲観戦は、座席で飲食をしてもOKです。ただし今、売店で売っているのは、名物の焼き鳥とお茶くらい。アルコールの販売も持ち込みも禁止です。
しかも静かに食べて、食べ終わったらすぐにマスクをするのも、ウィズコロナの【大相撲観戦のマナー】です。
以前は、売店で売っている焼き鳥やお弁当、お酒も色々飲み食いできます。だから、酔っぱらいながら応援している人たちもいます(笑)それもまた、いつもの大相撲観戦の楽しみでもあります。
◆親方たちの『物言い』もソーシャルディスタンス
行事の判定に疑問がある場合、土俵下にいる親方たち勝負審判が物言い(ものいい)をつけることができます。そもそも、この物言いは、一日に一度もない日もあるので、物言いを見られること自体、レアなのですが。
ウィズコロナの今は、上の写真の通り、親方たちも土俵上でソーシャルディスタンスを保って話し合いをしていました。
ちなみに以前の物言いは、こんな密です。2013年11月場所は、元・貴乃花親方もいました。
◆感染対策として『エア 力水(ちからみず)』
取組前の土俵所作の一つとして、『力水(ちからみず)』があります。ひしゃくから、口に水をつけて、身を清めるのです。でも、今はコロナ感染対策で水は入っておらず、口をつけるマネをする『エア 力水』が行われています。
◆座布団を運ぶマスク姿の付け人たち
取組の前に、力士たちが土俵下で自分専用の座布団に座って、自分の出番を待ちます。その座布団は、付け人たちが運ぶのですが、こんな感じでマスク姿です。こんな姿を見られるのも、今だけです。
◆土俵の周り=溜席(たまりせき)は無観客
『七月場所』は当初、無観客で開催予定でしたが、観客を通常の4分の1、1日2500人ほど入れて急きょ、開催が決まりました。『一月場所』以来、半年ぶりにファンを入れての大相撲でした。
特等席である土俵の周りの溜席(たまりせき)=砂かぶりは、土俵との距離が近いため、力士が転倒してくる可能性もある。飛沫防止もあり、この特等席は無観客。土俵下で取組を待つ力士たちも、ゆったり座っていました。
ちなみに以前(2016年7月)の土俵下は、こんな感じでぎっしり!!力士たちと観客の距離も、すご~く近いのです。
◆四人で座る枡席(ますせき)が、一人でゆったり。ソーシャルディスタンスを徹底
こちらが、ウィズコロナの七月場所での枡席(ますせき)です。一人でしかも「中央」に座ることが義務づけられています。ソーシャルディスタンスが徹底。一人で独占して枡席に座るなんて、とても贅沢なことですよ~。
以前は、この枡席は四人で座ります。枡席のこのぎっしり感も、観戦の熱気をさらに盛り上げてくれて、楽しいんですよ。
◆イス席もソーシャルディスタンス
イス席もソーシャルディスタンス徹底のため、空席が目立ちました。
◆やっぱり、生がいい!
空席が目立ったり、大声を出せないなど、以前と比べると淋しい部分はたくさんあります。でも、生で横綱の土俵入りを見て、四股(しこ)で邪気をはらってもらえること。生の迫力や熱気、もらえるパワーは、生以外で体験できません。やっぱり、生はいい!!
声援が出来ないことで、ほかの応援の方法を考えたり、一人で枡席に座る贅沢など、楽しめることもたくさんあります。『今』だからこそできることに目を向けて、ワクワク楽しみましょう♪