「おいしいおかゆ4」🕯️おはなしをどう終わらせる?
「おいしいおかゆ」のおはなしのことが続きます。
おはなしの基本は「起・承・転・結」
どんなお話も終わらなければ面白くない。
特に、「おはなし」のように耳で聞くものは、終わりは明確に、はっきりと。
おはなし会では「あれ、どうだったんだっけ?」となると、
お話の世界から現実の世界に戻ってこれません。
「おいしいおかゆ」のお話はとてもよくできていて、最後は
この、女の子がいうたった一言「ちいさなおなべや、やめとくれ!」をどう語るのかは、おはなし仲間でも意見がわかれるところ。
・大声で慌てて叫ぶように(おかゆで町が大変なのが遠くからわかるから)
・普通の声でちょっと慌てて(「やめとくれ」で止まるのがわかっているから)
・普通の声で普通に(「やめとくれ」は魔法の言葉だから)
正解はありません。
テキストに書いてあるのは
「ちいさなおなべや、やめとくれ!」のたった一言。
これをどう解釈するかは語り手それぞれ。
そもそも、この「町」ってどれくらいの大きさの町?
女の子の家は町のどの辺りにあるの?
森のそばの小さな町。
盆地の町。
女の子の家は町のはずれ?
私は、このお話を覚えて語り始めて15年以上経ちますが、この部分では今も迷ってしまいます。
女の子の家は町中の密集して住居があるところで、
女の子はあふれ出したおかゆを見て大変だと思うけれど、おなべに言い聞かせるようににるのを止める一言を言う。
で、その声の大きさは? それが、毎回その場の流れで変わってしまう。
私の「おかゆ」はまだ成長途中。
この「おいしいおかゆ」はストーリーテリングを始める人が最初の方によく覚えるお話で、短くて、わかりやすくて、起承転結がはっきりしている。
でも、短いからこそ、おはなしの世界に入ってもらい、おはなしの世界で遊んでもらうのが難しい話。
いろんなお話を覚えるけれど、ここに帰ってくるおはなし。
動画やエッセイや、短いものが好まれることは多いです。
短いだけのものか、短いけれど大きな世界を表しているものか、
17文字の俳句の世界の大きさをみれば、形式だけでないのはわかるでしょう。
読みやすさ、見やすさは、長短が関わってくるのでしょうけれど、
心に残るかどうかは、その作品世界の大きさが関わってくるのでは?
おはなしの世界によく入り込んでくれる子どものよくある感想。
「一軒だけずるい~!」
おかゆが流れ込んでない1軒はどうなったんでしょうね(笑)
このように、おはなしの世界で遊んでくれると、おばちゃんも一緒に遊ぶことができて楽しくなります。