家賃並みの支払いで家は買えるが、「今の家賃並み」で「欲しい家」は買えない
住む場所、できれば安心して住める家が欲しいのは、古今東西・万人共通。
そこで、「賃貸」VS「持家」論争が巻き起こる。
前から感じていましたが、どっちがいいかの前提がおかしくないですか?
二つの物を正確に比べるには、「同じ物」「同じ時」に比べることが大事。
『家』はそれができないもの。
「家賃並みの支払いで家は買えますよ」・・よくある家の売買トーク。
これはホント。
だけど、「今の家賃並みの支払いで欲しい家は買えない」
これもホント。
FPですからお金のことで相談を受けることが多いのは住宅購入の時。
紐解いていきましょう。
① 今の家よりもいい家に住みたい
ほとんどの場合、欲しい家は今の家よりも「いい家」のことが多い。
間取りであったり、広さであったり、立地であったり、お風呂やキッチンなどの住宅設備であったり、暑く寒くないなどの住宅性能であったり。
今よりもいい家なので、
住替えるとしたら、当然今の家賃よりも高くなる。
購入したとしても、ローン支払いは今の家賃よりは高くなる。
持家に暮らすには、ローン+固定資産税+光熱費の追加分+維持費がかかる。
② 貸すとしたらいくらの家賃にする?
今、家を持っているとして、それを貸すとしたらいくらの家賃にしますか?
損をしてまで貸したくないでしょうから、
貸す家賃 > ローン支払い+固定資産税+維持費
になるでしょう。
参考までに、不動産サイト「ホームズ」から東京のマンション情報を転載します。
約60m2 10階 2LDK 2024.9月情報
同じマンションで過去の賃料
広さ不明 3SLDK 12階 以下の時期
全く「同じ物」「同じ時」での比較はできません。
ですが、貸す方の考えから見ると、「家賃並みで家が買える」もホントです。似たようなものは、借りても買っても同じような支払いになる。
③ ローン支払い期間と家賃支払い期間の違い
住宅ローンは最長35年、支払い年齢80歳までが基本です。
(最近50年ローンも出てきていますが)
20歳から90歳まで暮らすとして、家賃の支払い期間は70年。
住宅ローンは35年。
「家を買う」場合は前払いして住居費をローンとして払っていく。
だから、同じものに住むならば、ローン>家賃になっていく。
ローンを払っている間は家は銀行のもの
「家賃は捨て金・住宅は資産」などと住宅購入の際には考えます。
けれど、住宅ローンには「抵当権」がついています。
ローンが払えなくなれば、家は銀行のものになります。
家賃が払えなくなれば、退去しなくてはいけません。
住むところを確保するにはお金がかかる。
本当に大変です。
「賃貸」vs「持家」論争。
どちらがいいとは言えません。
どちらにもリスクはあります。
FPはそのリスクを見えるようにして、やりたいことができるように算段をつける方法を示すだけ。
好きなようにすればいいんです。
それでも不安になるから知識が欲しい、相談したい。
一家に一台、冷蔵庫・洗濯機・掃除機。
一家に一人、FP(ファイナンシャルプランナー)。
※ まずは選択ができるようにしておくこと。そこが大事だと思います。
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