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歌川広重 / メトロポリタン美術館
パブロフの犬。勝手にイってごめんなさい。
夜10時、受信音。
彼からのメッセージだ。
61日間、毎日同じ時間にメッセージが来ていた。
でも
昨日と今日は来なかった。
夜10時、受信音は聞こえなかった。
夜10時15分。
私は彼にメッセージを送った。
5分後、彼から返事が来た。
寂しかったでしょ? 僕が連絡しなくて おいで
夜10時、音が鳴る
夜10時、彼との時間
刷り込まれていたんだ。
刷り込まれていた。
なんて気持ちがいいんだろう。
私はすぐに返事をした。
寂しかった。
もっと欲しくなった。
もっと欲しくなりたい。
メッセージを送りながら
私はサテンのベッドの上で
1回目のオーガズムを迎えていた。
既読がついた。
電話がかかってきた。
呼吸が乱れたまま
反射的に電話に出た。
彼は笑っていた。
私は
もういっかい、いっていいですか?
と聞いた。
彼は
まだ、だめ
と答えた。