見出し画像

反則だ。午前1時に届いた「だいすき」の4文字

金曜の夜。
僕はあの人のことを思っていた。
メッセージを送ろうかなと思ってはやめ。
味もわからないくせに、
ワインを飲んでいた。

自由論も読み終わった。
次は何を読もうかな。
僕は携帯電話を手に取った。
Kindleで新しい本を探そうと思ったのだ。

すると、
あの人のためだけに入れている
アプリの通知が来た。
僕は既読がつかないように、
注意深くメッセージを読んだ。

だいすき

そこには4文字の言葉が。
漢字ではなく、ひらがなで書いてある。
僕はとてもとても嬉しかった。

ずっと自分があの人に
言いたいと思っていた言葉だった。
喜びのあまり、僕は
4文字を1時間も愉しんでいた。

僕も大好きだと言いたい。

だけどやっぱり言えない。
僕は怖くて言えなかった。
代わりに

うん

僕は2文字で返事をした。


この記事が参加している募集