さようなら、おかえり ジョングクくん
1.とくべつな男の子
グクって実は、とっても“いくえみ男子”なんじゃないかと思う。
“いくえみ男子”とは、いくえみ綾さんのマンガに出てくる男の子のことを指す。全サブカル女子に、こんな人がいたらきっと深く愛しあえる、ホンモノの恋ができるに違いない!…と思わせる特別感を持ち、一部女子たちから熱い支持をあつめている。
彼らはとても正直者だ。女の子のちょっとした背伸びや計算だとか、嫌なところを見破るのが得意で、見透かしたような冷たい目で、痛いところをついてくるのに、本当に落ち込んでいるタイミングでいきなりふっと優しくしてくれたりする。もう一つのパターンは底抜けに明るいパターンだ。ちょっとひねくれた女の子に何も考えてない様子で、明るくその子のテリトリーにずかずかと踏み込み、いつのまにか固く閉ざされた心のドアを開く。
どちらのタイプにも共通するのは、突然女の子の心の中に大きな一歩を踏み込んでくることだ。恋に踏み出せない女の子たちは、“いくえみ男子”の何気ない言動で、踏み出せなかったそれを、突然背中を押されるようにはじめてしまう。だけど、こちらの心を翻弄し、いとも簡単に“なくてはならない存在”になっておいて、彼らは非情にも、よく分からない謎の生き物のままなのだ。フタを開けてみると、なかなかその心の奥底の部屋へ立ち入らせてはくれない。簡単ではないのだ。……簡単ではないからこそ、私だけが理解してあげられる!とのめり込む。ある女の子たちにとって、こういう男の子って本当にたまらない。たやすく心を開かない、だけど一度心を開いたら、とことん深く愛をくれる男の子。
チョンジョングクという男の子はどうだろう?
たやすく心を開かないけれど、一度心を開いてくれたら、とことん愛を注いでくれる、そんな特別な男の子なのではないだろうか。
2.不思議の国のジョングクくん
高校の入学式、お兄ちゃんたち(メンバー)が来てくれることをうれしそうに話し、大きな目をくしゃっとさせて、満面の笑みをカメラにみせた彼は、いざ、入学式が始まると、周りの同級生たちと一言も会話をしていなかった。
話しかけてみたら?と後ろからメンバーに促されるも、ムリムリ!といったジェスチャーをこっそり見せただけだった。
彼は人見知りだ。ボンボヤS2でハワイのスーパーに立ち寄った際、レジのおばさんに歌手なの?と尋ねられ、絶賛コミュ障を発動していた。
テレビ番組に出た時も知らない人だらけの番組では、ほとんど口を開かない。
でもおとなしい子かというとまったく違う。
BANGTAN BOMBでメンバーと共にいるジョングクはだいたいいつも輪の中心にいる。メンバーのモノマネを披露したり、よく分からない謎の遊びをして爆笑を巻き起こしては、お兄ちゃんたちをデレデレさせている。
ジョングクの愛称は“黄金マンネ”だ。
歌もダンスもとびきり上手くて、ゲームでもなんでも、やることなすこと平均以上の成果を叩き出す。体力も人一倍ある。
WINGS TOURのチリ公演で倒れた時、いつも元気なグクの異変にショックをうけたナムジュンが、「ジョングクも人間だったんだと思った」…と話していた。
グクがいかにして黄金マンネと呼ばれるのか、もしも新しくあーみーになった友人がいたらアユクデ(アイドル運動会)のリレーの動画を観せてあげるといいだろう。(※下記リンク参照)
他のメンバーだけでも充分に速いと思うけど、群をぬいて速い。速すぎて、ちょっと笑ってしまうくらい速い。
涼しい顔で風を切って駆け抜けるジョングクくんは、学校にいたら女子のあこがれナンバーワンだっただろう。
ここまで見ると、シャイで人見知りだけど、おもしろくてスポーツ万能でクラスの人気者の明るい男の子だ。
でも。グクの良さって、私にとってはそこではない。グクってもっと、なんていうか、とってもとっても“ヤバいやつ”だとおもう。
“ヤバいやつ”というと言葉が悪いけれど、こちらの想像の域を超えた不思議な面白さを発揮するのだ。
例えば、Dispatchの撮影のビハインドの一場面で、バナナを手に持っているのか、バナナが生きているという一発芸を見せにきたのか、おもむろに近づいて、しゃがれた声のミニオンが話しているかのような謎の効果音を発して去っていった………。意味がわからなすぎてちょっとぞくっとするけど、最高にかわいい。
NOW3のジミンくんと2人でいるとあるシーンもヤバい。
ジミンくんにカメラを向け、「갖고 싶다」(“手に入れたい・欲しい・抱きたい”という意味)とくり返している。
“そういうタイプ”のカメラマンごっこだったのだろうけど、一切の説明はなく「갖고 싶다」というとお笑いをくり返すジョングクの圧はあまりにもすごくて、ジミンくんは途中「ジョングクが『抱きしめたい』とか言ってくるよぉ〜」とホソクくんに助けを求めている。
どのNOWだったか忘れてしまったけれど、公園の丸いジャングルジムみたいな遊具でぐるぐる回っていた時も、やめてよ〜と言うジミンくんやテテを無視して、ひたすら無言でくるくると遊具を回し続けていてこわかった。(自分も乗っているのに目が回って戸惑うようなそぶりはない)
だってくるくると遊具を回すグクの顔は、あのくしゃっとした満開の笑みにはなっていないように見える。普通の顔で、こわがるヒョンたちをおもしろがっているのか、ジョングクはただただくるくるとひたすら回り続ける。そしてそのぞくっとする彼のヤバさはこの全宇宙でたったひとつ。おかしなことに唯一無二のかわいさを放っている。
意味のわからない不思議さをもって、かわいい!!!と思わせる先駆け的存在がわたしたちのチョンジョングクくんです。
3.ジョングクのお気に入り
“ジミンくんのことをカメラで撮りすぎ問題”をこのままスルーするわけにはいかない。
黄金マンネと呼ばれるグクの、最近新たに発見されたとんでもない黄金な部分が、映像の編集技術だ。2017年のゆんぎの誕生日に出したお祝いメッセージもすごかったけれど、『G.C.F』と名付けられた、彼が撮影し、彼が編集し、彼が無償でばらまく(本人談)そのフィルムは、ほんとうにほんとうにすてきだ。
はじめてのG.C.Fは、ジミンくんと2人、プライベートで東京旅行に来た時の旅行記だった。見慣れた日本の風景が、とてもキラキラと輝いてみえる。原宿のその辺の道が、ビルのエスカレーターから見る歩道を行き交う人々が、ディズニーランドから帰る時、多くの人が夢から醒めたような気分で、ため息混じりに見るだろうミッキーの時計が、グクのフィルターを通して、とてもとても美しく輝いていた。
G.C.Fを観るたびに、
彼が見ている世界は、こんなにもきれいなのかと涙が出そうになる。
だけどたぶん、グクの世界が輝いているのって、大好きな人を写しているからだ。
G.C.Fに登場するジミンくんのかわいさったらない。テレビ番組に出ている時やライブのMCで見せる“あざとかわいい”とはぜんぜん違う、BTSのJIMINじゃなくて、ふつうの22歳の男の子のパクジミンくんが、ただただ笑ったり、ふざけたりしている様子がおさめられていて、そのかわいさったらない。
韓国でカリスマ的人気を誇るイ・ヒョリさんが、どんな腕の良いカメラマンより、夫が撮ってくれた自分が、不思議といちばんかわいく写るのだと話していた。それはたぶん、ヒョリの旦那さんが彼女に捧ぐ深くて大きな愛の力だと思う。
そう。グクがメンバーたちに向ける深くて大きな愛が、どんな腕の良いカメラマンより、ジミンくんをすてきに写すのだ。
サイパンで撮ったG.C.Fもすごくすてきだった。今度はメンバーたち全員が出てくるのだけど、気を許した仲間にだけ向ける、ふつうの男の子たちの笑顔がそのフィルムの中にキラキラとまぶしくあふれている。
Imma let you get the best of me
(君に 最高の僕をあげるよ)
(JOHN.k「Best Of Me」より)
BGMのフックでは、こんな言葉がくり返される。
“もう嘘はつきたくないから もう隠したくはないから
君の中に、ほんとうを見つけたから”
だから“君に 最高の僕をあげるよ”という歌詞は、「FAKE LOVE」で彼らが歌っていた“本当の自分を隠し手に入れた偽りの愛”からの、私たちファンへのアンサーソングみたいだ。
グクはカバー曲を選ぶ時、外国語の曲でも、必ず歌詞を確認するのだと話していた。めったにTwitterやペンカフェに現れない彼だけど、時々公開してくれるそのカバー曲の歌詞には、そのときどきの彼からのメッセージが込められているんじゃないかと思う。だから、G.C.Fに流れるBGMもきっと、グクがその時伝えたいメッセージを代弁しているのだ。
ここで、ひとつ問題がある。
BGMの詩の世界観を大切にしているのだとしたら、G.C.F・Tokyo編とOsaka編のそれは、いったいどういう意味なのだろう?
Tokyo編に使われていたのはMartin Garrix & Troye Sivanの「There For You」という楽曲だ。
“君が涙を流すとき、僕が必ずそばにいてあげる。だから君にもそうして欲しい”といった内容の曲だ。
“世界中を旅した果てに君に待っていて欲しい”
“走って 走って 走り続けるのは君を捕まえていたいから”
こんな内容の詩の向こうで、メイクをしてない、すっぴんの無防備なジミンくんの笑顔がはじける。
ここに何かの意図があるとしたらセンスが独特すぎるのだ。本人の心の中は分からないから意図があるのか偶然なのかは分からないけれど、きっとわざとそういう演出にしたんじゃないかと私は勘繰っている。
続いて公開されたOsaka編の曲はLooteの「Your Side Of The Bed」という曲だ。
“あなたの代わりを見つけたの”と、忘れられない彼への想いが綴られた歌詞。
圧倒的ジミンフォーカスが続く動画の中で、“私の隣で眠るのは もうあなたじゃないの”というフレーズのタイミングに限って、不思議と画面にフォーカスされるテヒョンの姿……。ぜったいにわざとだ。
その絶妙なカットの切り替えにごく一部のファンたちはざわざわしていたそうだ。
こわい。こわすぎる。
グクとジミンくんがとびきり仲が良いのは分かる。私は仲の良いグクミンの空気感が好きだけど、BL的な趣味はないので、これから夢のないことを言うけど……個人的には、一部のファンたちの反応を見て、グクは喜んでいるんじゃないかと思う。こんな曲をこんなタイミングで流したら、深掘りするのが大得意なアミたちが喜ぶんじゃないかと、そんな素振りも見せずひそかにたくらんでいたような気がしなくもない。
Kpopの世界には、BTSに限らずグループ内でのカップリングを楽しむという楽しみ方があるようだ。個人的にはそれらの趣向は良いとしても絶対に本人の目に触れるべきではないと思うが、もし本人がそれを知っていて、ファンが喜ぶなら…と考えていたのだとしたら、なんて面白い人なのだろうと私は思う。知ってるかどうかは想像の域を出ないけれど。
一方で、Tokyo編の曲の内容はジミンくんに対する、素直なグクの気持ちだろう。グループが出来た頃から、自分を本当の弟以上にかわいがってくれたジミンくんだから、いつも隣で愛を注いでくれた彼に、深い感謝と愛があるに違いない。グクってとっても義理堅いタイプだと思う。一度心を開いた人にはとことん深い愛情を注いでくれるのだ。
そしてそれと同時に、彼はファンたちのことをすごく考えてくれる。空港で追いかけ回されても、嫌な顔ひとつしない。体調を崩していたチリの公演を観て、まさかあんなことになっていたのだと、気づいたARMYはどれだけいるだろう。
どうやったら私たちが喜ぶのかを、いつもいちばんに考えてくれるのがグクだ。
だからこそ、職人気質のグクによる、私たちをよろこばせる為のたくらみは、いろいろなところに散りばめられているのではないかと思う。
4.愛してるって言ったから…
WINGS TOURのDVDのインタビューで、お客さんの入っていない会場を見まわし、「この広い空間にアミたちが…」とキラキラと涙を溜めているように見えた彼の顔が忘れられない。
「ステージでは気づかなかったけど、照明がついてると思ったよりも広いですね」と言って笑ったグクの顔はほんとうにほんとうにきれいでまっすぐな瞳をしていた。
最近のいろいろなインタビューの受け答えを見て、グクってこんな人だったっけ?と思うことが多々ある。自分をよく見せようとすることもなく、とても自然体で、だけどしっかりと相手を思いやって受け答えている。すごく大人なのだ。
デビューして間もない頃、すっぴんだから映しちゃダメです!と言って走りまわって逃げていた男の子は、いつのまにかその鍛えぬかれて大きくなった体だけじゃなく、心根まで深く優しい、とてもすてきな男性に成長していたのだ。
アメリカンハッスルライフ のbehindで、タトゥーを入れたいとしきりに言っていた彼を思い出す。それを聞きつけたゆんぎがとっさにカメラに割り込み、「そんなこと放送で言ってるの?」とたしなめた。
「今これを観ているアミたちが悲しむよ」と言うゆんぎに、ジョングクが言った言葉におどろいた。
「愛してるって言ったから多めにみてくれますよ。」
「それとこれとは別問題だよ」というニュアンスでゆんぎが話してもぜんぜん聞いていない。また別のカットになっても、なぜゆんぎにそう言われたのか理解もしないまま、大人になったらやりたいことを、ある意味すなおにベラベラとしゃべり続けてきた。そこにいたのは、大人になればなんだって出来ると思っていて、悪気もなく浅はかなことを言ってのける、夢と希望でいっぱいの、幼くてやんちゃな男の子だった。
私があーみーになってからしばらく、どれがジョングクの声なのかすぐに覚えられなかった。テテの声とジミンくんのボーカルのくせや感情の込め方が大好きで、グクってどちらかといえば、あまり印象に残らない歌い方に思えたのだ。とてもきれいな声でくせのないその歌い方はメインボーカルにぴったりなのかもしれないけど、なんていうか、よくも悪くもあっさりしていた。あーみーになって1年以上が過ぎてもその印象はそのままだった。
グクの声に、はじめてドキッとしたのは「LOVE YOURSELF 承 ‘Her’」のアルバムが公開された時だった。歌い方が変わった? いや、歌い方はあまり変わってない。それなら何が変わったのか…。
大げさな言い方だけど、グクの声に魂を感じるようになった。
テテやジミンくんの歌には強い感情がこもっているのを感じるし、ジンくんの歌声には彼の持っている誠実さと包み込むようなやさしさを感じる。ラッパーラインの3人に至っては、感情の込め方から声の使い方、自分たちの魅せ方をよく知っていて、最強にかっこいいプロフェッショナルだ。
この世界にはテクニックはすばらしいのにいまいちパッとしない歌手がいて、逆にあまり歌が上手くないのに、とても心に響く歌をうたう歌手がいる。人の心を動かすのは小手先のテクニックではなく、その人の生きてきた人生や経験が染み込んだ“想い”だ。誰かに自分の心の中をさらけ出すのをおそれているうちは、きっと魂のこもった歌声にはならない。
愛にあふれた家庭で育ち、まっすぐに生きてきた“黄金マンネ”であることこそ、グクの中の壁だったのではないだろうか。WINGS TOURでのソロ曲に、今の自分に限界を感じたと語っていた。歌も魅せ方も完ぺきに見えたけど、それに満足することなく、彼は長いツアーの間に色々な経験を積み、色々な想いを体験し、ついに自分の限界を乗り越えたのかもしれない。
5.ジョングクのAll of my life
今年(2018年)の2月末にTwitter上にUPしてくれた「All of my life」というカバー曲がある。
“とても疲れたよ”という歌詞から始まるその楽曲のせいか、一部のファンたちが彼のメンタルを心配した。きっとその前にUPした楽曲が、ジョンヒョンさんの作詞した「ため息」だったことも手伝ったのかもしれない。あまりにも衝撃的な出来事に誰もがうろたえたし、感性の豊かなアーティストたちがうけた衝撃がどんなものだったのか、私には計り知ることができない。だけどきっと、その歌をカバーしたことは、グクなりの追悼であり、残された人たちへの慰めだったのではないかと思う。
「All of my life」の動画の中のグクは、たしかにボンボヤS2に登場したまるまるとした、かわいいハワイコジリの面影はなく、痩せているように見えたけど、よく観てほしい。曲が盛り上がるにつれて、グクのうたに、静かなようで、大きく高まった感情を感じる。
だから、私にはこの動画のジョングクが楽しそうに見えた。
この歌にグクが込めたメッセージはなんだろう。
歌詞に登場する“僕を変えてくれた君”………
「BURN THE STAGE」で思春期に学校に行き色んなことを学ぶ時間がなかった自分は、ヒョンたちの性格を少しずつ合わせていったようだと話していた。
例えば、ビルボードでのレッドカーペットで新しいアルバムの中のお気に入りの曲を聞かれた時がそうだ。
ゆんぎってこういう時、自分が作業した曲を必ず挙げる。そこに彼のハングリー精神というか雑草魂みたいなものを感じるのだけど、グクがこの時挙げた曲は、まるでゆんぎがそうするみたいに、はじめて自分が作業した曲「Magic shop」だった。自分が関わった曲を恥ずかしがることなく、堂々と好きだと言えるのってすてきだ。こんな風に、少しずつ色んなところを6人のお兄ちゃんたちから受け継いでいるのだ。
WINGSのソロ曲「BEGIN」にもこんな歌詞がある。
香りのない 空っぽの僕
愛しい兄たちがいる
感情が芽生え 僕は僕になった
グクにとってきっと、“僕を変えてくれた君”はメンバーたちなんじゃないだろうか。もしかすると私たちARMYのことも含まれるのかもしれない。夢を追いかけて、高く登りつめようとするのは、自分を変えてくれた人たちの為。そしてどんなに高く登りつめたって、その人たちがいなければ何も満たされない。この歌にそんなメッセージを込めたんじゃないだろうかと思う。だから、私にはこのグクがとても楽しそうに見えるのだ。
そしてこの曲の、君がいなければ満たされないという歌詞は、私たちへのメッセージでもあると思う。
WINGS TOURのDVDのインタビューで、こんなことを話していた。
「知名度が上がるほど、遠く感じると思わないで下さい。
僕たちの方から一歩ずつ 近づいていきます。」
……少女漫画かと思った。不安に思っていることに対して、こんなことを言えるなんて理想の男の子すぎる。
そして、その後に出した別のカバー曲「その時別離れればいい」では(http://bangtan.tistory.com/category/audio?page=4)
同じ頃に公開されたDiconの質問でも話していた、
“ぼくはいつでもこの場所にいるから いつでも離れていいんだ”
というメッセージをこめて歌っていた。グクの注いでくれるヤバさの香る重たい愛情と、やさしい柔軟さの、絶妙なバランスったらない。
その質問の返事はこうだ。
ARMYたちが会いたい時はいつ来てもいいし、また行かなきゃいけない時や行きたくなった時は、いつでも離れて大丈夫です。でもこれだけは憶えておいて下さい。
僕はいつでもこの場所にいます。
(原文➡︎)
その純粋さゆえに「愛してるって言えば多目に見てくれますよ」なんて、軽く言っていた男の子だったのに。いつからこんなにしっかりとした考えを持ち、飾らない正直な胸の内をまっすぐに話してくれるようになったのだろう。
オーディション番組で、とても小さな声で歌っていたあの子は、練習生になった頃、「歌ってみて」と言われただけで、恥ずかしくて泣き出してしまったあの子は、いつのまにか、とても頼もしい、すてきな男性になっていた。
Huluのインタビューで、リーダーのRMはグクについて「少年から大人に変わりつつあり 今が最も輝いています」と話していた。
全力で雪合戦をして遊んでいたあの子が、赤いキャップからちょんまげを出した“りんごヘアー”を披露してみたりして、全開で笑っていたあの子が、今、大人に変わろうとしている。
6.さようなら、おかえり
YUKIの「さようなら、おかえり」という曲がある。
愛しい人の少年の姿に思いを馳せるその曲を聴くとき、大好きなアイドルのことを想う。
“本当や嘘 優しさの意味を知って”大人になった少年たち。
雲を追い、虫を追い、野原を駆けていた小さな僕は、転んでもひとりで起き上がることができる、幼くてもりっぱな男の子だったのだ。
たとえ大人になって何かを失くしていったとしても、ずっとあの頃のたくましい男の子はそこに変わらずいるのだろう。
さようなら、小さな僕。
おかえりなさい、愛しい君。
人の心に色があるのなら、グクの心は透明な色をしていると思う。
WINGS TOURのFINALで、うれしいのに…と言って流した、いろんなものがつまった大つぶの涙は、とてもとても透明で、それはそれはきれいで、会場を飛ぶ気球から、あーみーたちをまっすぐに見つめる彼の瞳はほんとうにキラキラと輝いていた。
これから先、どんな世界が彼を待っているのだろう。
いつか本当の恋をしてしまったらどうしよう。
今はまださみしいから、もう少し先の話になるといい。
だけど愛すべき人たちに囲まれ、愛にあふれて突き進む、彼の魂のこもった歌声は、たくさんの経験を超えて、これからも磨かれ続けるだろう。
そして、できることならば、どんなにすてきな男になろうとも、
いつまでも不思議かわいいあの子のままでいてほしい。
*アイドル運動会
*SUGA Birthday【日本語字幕】Ver
*撮らないでください~byジョングク
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