“見習いフリーランス”がマーケティングより営業より先にやるべきこと(後編)
こんにちは、イデトモタカ(@idetomotaka)です。
前編を未読の方は、さきにこちらをご覧ください。
今回は、見習いフリーランスは「うまくいかないのが標準」「営業するな」「同じレベルの相手と組むな」と散々否定ばかりしてきたところで、だったらどうすればいいのさ?
……の続きからスタートです。
■5秒で読みたい人向け(まとめ)
■“できる人のように振る舞う”危うさ
自己啓発系の本を読んでいると「なりたい人になったかのように振る舞うことで、(やがて)その人になれる」といったことが書いてあったりします。「As if(アズ・イフ)の法則」と呼ばれたりもするようです。
目指す姿を想像し、それを達成したかのように生きる。このような姿勢自体は否定されることではありません。ただ「危うさ」があるのは事実です。
自分の「基準」を変更するための手法と捉えるならば非常に有効ですが、自己暗示や「化粧」であるならば、傍(はた)からは「痛い人」だと見られているでしょう。
まして、フリーランスが生きるのはビジネスの世界です。どれだけ自分の実力とはかけ離れた何者かとして「振る舞おう」が、歴戦の兵(つわもの)たち相手に見抜かれないわけがありません。
■実力がつくまでは”応援者“に専念する
世の中はそれほど甘くはありません。きちんと実力があり、信用できる人になることが、フリーランスに限らず王道です。近道はあっても、抜け道や奇策は通じません。
では、「実力」も「信用」もないうちは、どうすればいいのか。
ぼくの答えは「応援」です。
憧れる人、尊敬する人、上り調子の人、そういった人を見つけて、その人のことを全力で応援する。側に行き、自分にできるギブを惜しげなく行う。そうすることで「扉」が開きます。
■なにをしても駄目なとき
なにをしても駄目なときは、誰かの応援をする。
これが奈落の底から這い上がる秘策です。応援する相手は、人間として好きで、そして(これから)上り調子の人がベストです。つまり、自分の関与(応援)なんてなくても、順調で上手くいきそうな人です。
そうした人はすでに押し上げられていますから、さらに押すのにそれほど大きな力は必要ありません。けれど、そのひと押しでもっと飛躍するものです。
相手は、あなたがなにもしなくて「100」だとすると、あなたが「10」の応援をすると、「100」が「110」ではなく「120」や「130」になるのです。つまり2、3倍のインパクトを起こす行動になるわけです。
自分のことであればそうはいきません。見習い期間だと「10」の行動が「10」になるなんてことはなく、よくて「5」や「6」、たいていは「3」や「4」くらいにしかなりません。それを考えると行動対効果としては5倍では済まないでしょう。
そうやって、押し上げられている人を押し上げることで、自分も自然と引き上げられます。歯車が(また)噛み合うようになっていきます。
■”惚れた“ことを認めてもらう
話を戻すと、見習いフリーランスはまず誰かに「惚れる」ことです。本気で。本心で。そしてその相手を応援します。全力で。見返りを求めずに。
では、どうやってそんな相手を見つければいいのかですが、答えはいろんな人に会うことです。「どうやって恋をすればいいですか?」と訊かれても答えようがないように、そこに戦略や計画はありません。
日常のなかに存在する、さまざまな偶然を、必然だと捉えられるかどうかです。
そして相手が見つかれば、「応援」させてもらうことを認めてもらわなければいけません。そのとき、最も重要なのはあなたの人間性であり、本気で「惚れている」ことです。
さらに欲を言えば、あなたの専門(にしたい)分野で、最低限の応援や貢献が、きちんとできるという事実も必要です。
■いつまで”応援者“でいればいいのか?
きっと気になっていることでしょう。「応援して、それでお金になるのか?」と。ずばり(あまり)なりません。お小遣い程度のお礼はもらえるかもしれませんが、生活ができるほどの金額は期待できません。
「それじゃあ困る」と思うでしょうが、だからといって「応援」しなかったとしても、実力も信用もないうちは、結局は稼げる状態にはないのですから同じことです。
「応援者」であることの目的は、応援を通じて肩に乗せてもらい、一緒に引き上げてもらうこと。そして応援するという具体を通して、自分のスキルの何に需要があり、どんな貢献が喜ばれるのかといった、マーケット感覚と不足している技術を磨くことです。
心配せずとも、本気で応援し、本気で相手を押し上げたなら、その功労者としてあなたの名前もきちんと見えない場所に刻まれています。見ている人は見ています。そして「自分も押し上げてほしい」という人から依頼が必ずやってきます。
いつの間にか、「実力」と「信用」を手にしています。
■それからも何も変わらない
いつまで「応援」する側でいればいいのか、と思われるかもしれませんが、その問は根本的に間違えています。
フリーランスとは、本質的に「応援者」です。
他の誰かの人生を、生活を、なんらかのかたちで応援(支援)する存在です。それが求められていることで、貢献できることで、なにより嬉しいことなのです。
ぼくの仕事は企画を考え、文章を書くことですが、自分が主役だと思ったことは一度もありません。誰かを、なにかを、応援するために書きつづけています。それがぼくの仕事です。
もしそんなぼくを主人公的だと思う人がいたとしても、それはぼくが応援者だからではないかと思います。
■最後に
実力もなく、信用もなく、自由を求めてフリーランスになったばかりの人は、どうしても鼻息荒く、どうやって稼ごうかということ(自分のこと)ばかりに目が向きがちです。
言うまでもなく、仕事を獲ること、お金を得ることは大事です。でも直接的なアプローチが必ずしも最短距離ではありません。
ぼくもそのことに気づくまで、けっこうな時間が必要でした。うんざりするかもしれませんし、ぼくが凡才だったからということもあるのでしょうが、きちんと実力と信用をつけて稼げるようになるまでは、やっぱり十年近くかかっています。
でも、応援者になることで、その間も楽しく豊かに生きることができ、そして結果として近道させてもらいました。
■後編のまとめ
最後までお付き合いくださり、ありがとうございます。また書きます。
スキ・コメント・フォローいただけると、とっても嬉しいです。
応援期間中も、自分の「タグ付け」は重要です。参考になると思うので、未読の方はこちらの記事もおすすめです。
■このnoteが本になりました
このnote「シン・フリーランス」の内容をベースにした、これからのフリーランスの生き抜き方を解説した本が出ました。ぜひご覧ください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?