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#9 【今年のラッキーアイテム】ヘビのような楽器「セルパン」って知ってる? | 音楽おもしろ豆知識


連載「明日誰かに話したくなる音楽おもしろ豆知識」
音楽がより身近に感じられる、ちょっとした雑学やおもしろエピソードをお届けします。


巳年にぴったりの楽器「セルパン」

あけましておめでとうございます。
2025年もよろしくお願い申し上げます。

2025年は巳年ということで、ヘビにちなんだ楽器「セルパン」をご紹介します。


serpent 日本語では「セルパン」または「サーペント」と表記します。

「蛇」という名を持つ楽器「セルパン」

この楽器の名前は「セルパン」
「サーペント」と呼ばれることもあります。
フランス語で「蛇」という意味です。
名前の由来は…見ればわかりますね🐍


木製だけど金管楽器

「セルパン」本体は木でできています。
ですが、発音の仕組みは、トランペット・トロンボーン・ホルンなどの金管楽器と同じです。
そのため、見た目に反して「金管楽器」に分類されます。


音は低め

蛇にそっくりのかわいらしい(?)見た目ですが、サイズはけっこう大きく、音も低めです。
現在のチューバやユーフォニアムの遠い祖先のような楽器です。


16世紀に誕生した、フランスの楽器

セルパンが誕生したのは1500年代後半ぐらいだと考えられています。
主にフランスで使われていました。
低い音が出るので、グレゴリオ聖歌の伴奏でベースラインを担当していたようです。



軍楽隊用に改良された楽器「セルパン ミリテール」

セルパンは、演奏しながら歩けます
そして低い音も出ます。

というわけで、19世紀になり各国が軍隊を持つようになると、
セルパンは軍楽隊で使われるようになります。

軍隊用に改良された楽器は「セルパン ミリテール」と呼ばれます


serpent militaire ちょっと持ちやすそう。


これはこれでだいぶ蛇。


ものすごく蛇感の強い「ロシアン バスーン」

もっと蛇感が強く進化したものもあります。

Russian Bassoon だいぶ蛇。

これは「ロシアン バスーン」という楽器です。
軍楽隊用セルパンの発展型で、主にロシアやプロイセンの軍楽隊で使われたそうです。
今はほとんど使われることはありません。


「セルパン」について、もっと詳しく知りたい方はこちら

「アンサンブル室町」さんの公式youtubeで「セルパン」について大変詳しく解説されています。


「セルパン」は大変珍しい楽器ですが、浜松市楽器博物館(https://www.gakkihaku.jp/)などの楽器を展示している博物館や、古楽器を扱う楽器屋さんで見ることができます。
巳年のラッキーアイテムということで、よろしければ一度見に行ってみてはいかがでしょうか?


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松岡美弥子 Miyako Matsuoka
作曲家、ピアニスト
東京藝術大学音楽学部作曲科卒業。同大学院音楽文化学専攻音楽音響創造領域修了。自在な表現法を武器に、作編曲家としてゲーム、アニメ、映画、舞台等の音楽やアーティストへの楽曲提供などを中心に幅広いジャンルで活動する。
ピアニスト・キーボーディストとして、様々なアーティストのライブサポートやレコーディングに参加している。

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