プレテスト「化学基礎」 全問解説ー井出進学塾のマンツーマン授業の実況中継(大学入学共通テスト「化学基礎」対策)
こんにちは、井出進学塾(富士宮教材開発)です。
共通テスト対策として、プレテスト(試行調査)「化学基礎」をみていきましょう。
今回は、基本こちらのページで解説しますが、計算問題は文字だけでは伝わりにくいのですし、計算式などわかりやすく表すのが難しいので解説動画で補助をくわえる、というスタイルで進めます。
(使いやすい形を模索中です。ご意見などいただけるとうれしいです。)
問題は大学入試センターの方で公開していますので、各自そちらからダウンロードしてください。
それでは、はじめましょう。
計算問題の解説動画は、埋め込みの他、再生時間とともにリンクを貼っておきます。リンクの方は、別タグで開かれますので、使いやすい方でご利用ください。
第1問A
必要な情報を、つかみとりましょう。
まずナトリウムイオンが、1Lあたり何g含まれているかを調べてから、それを〔mol〕単位にするといいでしょう。
単位にでてくるm〔ミリ〕は、「1000分の1」という意味です。
そのことは、おさえておきましょう。
質量を物質量(mol数)に換算するのは、意味をとって自然に考えられるのが、のぞましいです。
それがまだ、たいへんなようでしたら、動画で解説しているように「比」に頼ってもいいです。でも、すんなり考えられるようになるよう、少しずつでも慣れていきましょう。
正解:③
問2
①が正解です。厳密には「化学基礎」ではなく「化学」範囲の内容かもしれませんが、実生活での経験から、十分に判断できるはずです。
純粋な水に物質を溶かし溶液にすると、沸点は上がり融点は下がります。
水の状態である温度の幅が広がる、ということですね。
昔は、雪が降ったときに凍結を避けるため「塩」をまいたりしたものです。(現在ではふつう、塩より安価で効果の高い塩化カルシウムを巻きます。)
あと、水に塩を入れて、0°以下の水(液体)をつくるのは、アイスづくりの基本です。
とはいえ、知らなくてもしかたないことでもありますので、②③④は正しい、と判断できることも大切です。
②:Cl⁻(塩化物イオン)の検出反応(その溶液にCl⁻が存在しているかを試す方法)として重要です。
Cl⁻が存在していたら、硝酸銀(AgNO₃)水溶液中のAg⁺(銀イオン)と反応して、AgCl(塩化銀)の白色沈殿を生じます。
③:電離式 NaCl→Na⁺+Cl⁻ からもわかるように、等しいです。
④:炎色反応は覚えやすいゴロがあるので、センター試験でも、もっとも正答率が高いそうです。
ナトリウムの炎色反応は黄色でいいですよね。
正解:①
問3
BTB溶液の色の変化は、pHで決まります。
酸性(黄色)-中性(緑色)―塩基〔アルカリ〕性(青色)
また、pHは7.0が中性で、それより小さいと酸性、大きいとアルカリ性です。
表1のBTB溶液を入れたときの色の変化から、コップⅢだけが、塩基性とわかります。
コップⅢは、pH値が7よりも大きい飲料水Xと決まります。
次に、表1の電流が流れたかどうかで判断します。(電球がついた、ということは電流が流れたということです。)
電流が流れるどうかは、イオンの数で決まります。
イオンが十分にあれば、水溶液には電流が流れます。
もともと、電解質水溶液に電流が流れるのは、溶液中の陽イオン・陰イオンが導線の代わりのはたらきをするからです。
コップⅠだけ電流が流れました。
各飲料水の成分をみると、飲料水Zが、他のものにくらべて、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、カリウムの成分量が多いです。
わざわざ書いてありませんが、これらはそれぞれ、ナトリウムイオン(Na⁺)、カルシウムイオン(Ca²⁺)、マグネシウムイオン(Mg²⁺)、カリウムイオン(K⁺)のことです。
ここにあげられている、ナトリウム(Na)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、カリウム(K)は、ひじょうにイオンになりやすい元素で、天然で単体(イオンではない形)では存在していません。
ほとんどすべて、イオンとして存在しています。
ここにのせられているのは陽イオンだけですが、陽イオンが含まれているということは、それと同じだけ陰イオンも含まれています。
1つだけ電流を流したコップⅠが、イオンをたくさん含んでいる飲料水Zです。
また、ここまで考えられなかったとしても、成分表には「硬度」という項目が与えられています。
硬度は聞きなれない言葉ですが、成分表中の陽イオンの量と関係がある値だということは、X、Y、Zの比較でわかります。
この「硬度」が、Zだけずばぬけて大きいですし、電流を流すコップが1つだけだった、ということから、コップⅠが飲料水Zであろうと、推測することもできますね。
残ったコップⅡが、飲料水Yです。
正解:⑥
第1問B
問4
混合物の分離に関する問題です。
a:ナフタレンは固体から気体に状態変化していくので、小さくなっていきます。このように、液体の状態をはさまず「固体→気体」、あるいは「気体→固体」の状態変化を「昇華(しょうか)」といいます。
昇華しやすい物質としては、ヨウ素・ナフタレン・ドライアイス(二酸化炭素)などがあり、この性質を利用して混合物の分離操作をすることもあります。
なお、aで対になっている選択肢「蒸発」は、「液体→気体」への状態変化のことです。
b:目的の物質を、その物質が溶けやすい溶媒に溶け出させて分離する操作のことで「抽出(ちゅうしゅつ)」といいます。
ここにあるように、「お茶をいれる」という操作は、抽出の典型例です。
c:沸点の差を利用して、混合物を分離する操作を「蒸留(じょうりゅう)」といいます。
アルコール(沸点:約78.3℃)は水(沸点:100℃)の沸点より低いので、混合物を加熱し、先に蒸発してきたアルコールの蒸気を集め、冷やして液体にもどせば、高純度のアルコールを得ることができます。
正解:⑦
問5
どれも、日常でなじみのものなので決めやすいと思います。
さらに、下にあるものの方がより決めやすいので、cからみていきましょう。
C:「アルミ缶」や「アルミサッシ」のことです。
もろに「アルミニウム」のことですね。
b:「鉄橋(てっきょう)」、「鉄筋ビル」・・・「鉄」のことですね。
a:導線には「銅」が使われています。中学校の理科の実験で使った導線も、そうだったはずです。これも、知っておくべきことです。
正解:⑥
第2問
最初の1ページが、まるまる説明ですが、ここでは「酸化数」をこのように考える、という内容なので、時間をかけて解釈しておきましょう。
正解:③
与えられた図だと小さいので、別のところに書き出して考えてみるといいでしょう。
正解 7:⑥ 8:③
反応する物質の物質量の関係を知りたいので、1つの式にまとめることを考えます。
電子(e⁻)の数を合わせるようにすればよいです。
正解:④
第3問
求めたいものを文字でおくのが基本なので、x 倍に希釈したとしましょう。
あとは、水素イオン(H⁺)と水酸化物イオン(OH⁻)の物質量(mol数)で、等式を立てる、と心がけるといいでしょう。
正解:④
問2
【実験操作】と合わせて、1つ1つをよく検討しましょう。
①:ホールピペットは、精密に測定するための器具です。
ホールピペットで塩化水素希釈溶液10.0mlを正確にはかり取れるので、この滴定実験は成り立ちます。
この希釈溶液をはかり取る前に水で洗ってはいけません。
水滴が残るので、その分、塩化水素水溶液の体積が10.0mlより少なくなってしまいます。
ただし、この場合、塩化水素がうすくなる、ということなので、中和に必要な水酸化ナトリウム水溶液の滴下量も「少なくなる」ので、この選択肢はちがいます。
②:中和に関係するのは、水素イオン(H⁺)と水酸化物イオン(OH⁻)の物質量(mol数)です。さらにいえば、それぞれのイオンの「数」です。
ホールピペットで正確にはかり取った塩化水素水溶液を、水でぬれたコニカルビーカーに入れても、その中の水素イオン(H⁺)の数は変わらないので、関係ありません。
③:フェノールフタレイン溶液は、中和されたことを確かめるために入れるものなので、関係ありません。
④:その空気の分も、滴下量に含まれてしまいます。
水酸化ナトリウムの滴下量は、実際に滴下した量より、大きく観測されてしまいます。これは、考えられる原因です。
正解:④
問題の要旨をとると、mol濃度と密度から質量パーセントを求める問題です。
この問題は、最初に「もし、この溶液が1Lあるとしたら?」として考え始めれば、後は簡単です。
正解:②
「弱酸の塩と強酸の反応では、弱酸が遊離する」
・・・これだけだと、ちょっと何いってるか、・・・わからないですよね。
チャートが、わかりやすいまとめをしてくれました。
「弱い酸は出ていけ!!」
・・・こういう解釈で十分です。
これでも、まだよくわからないかもしれませんが、解説動画の方でうまく説明できたと思います。
正解:③
以上です。ありがとうございました。
コメントなどいただけると、とてもうれしいです。
執筆:井出進学塾(富士宮教材開発) 代表 井出真歩
2021年度、共通テスト「化学基礎」の解説は、こちらのページにまとめております。
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