RE脚本『ギルバート・グレイブ』
この虫たちはもう、春に満足してしまっている。
乾いた空にうねる道。茶色にくすんだ木々もまた、退屈そうに寝そべっている。
「5.9.11.12.13.19.50...」
アーニーは数を数えている。
「チキンいるか?」と尋ねると、
「いらない」と言った。
「コーンはどうだ?」
「コーンはほしい」
アーニーはまだらな足取りで僕の方へやってきた。
2口かじると顔を遠ざけた。
「うまいか?」「まずい」
そう言うとまた、誰もいない道へ飛び出してあいつらが来るのを待っていた。
「ねぇギル