06:32

No one can know me So I want to die as movie.

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No one can know me So I want to die as movie.

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エンドーラ。街の名だ。 灯りの消えたカフェと、薬屋はいつも日蔭にある。“エンド”ーラ。誰も降りない終着駅。 いつも眠ってて、これからもそう。音楽なしのダンスのような街だ。 僕はランソンマーケットで働いている。だが皆は国道沿いのスーパーへ出かけていく。 10歳までも“もたない”と言われた弟はその年を越えたが、医者は、先はもうないと言っている。 知るもんか。 接褐色の屋根の下で、アーニーがひどく泣いている。僕は歩いていたそのままの足どりで、横に座った。顔が涙でぐしょぐしょだ。

    • RE脚本『ギルバート・グレイブ』

      この虫たちはもう、春に満足してしまっている。 乾いた空にうねる道。茶色にくすんだ木々もまた、退屈そうに寝そべっている。 「5.9.11.12.13.19.50...」 アーニーは数を数えている。 「チキンいるか?」と尋ねると、 「いらない」と言った。 「コーンはどうだ?」 「コーンはほしい」 アーニーはまだらな足取りで僕の方へやってきた。 2口かじると顔を遠ざけた。 「うまいか?」「まずい」 そう言うとまた、誰もいない道へ飛び出してあいつらが来るのを待っていた。 「ねぇギル